2017年8月12日土曜日

18 ・19歳 憲法9条改正「必要」は18% 自衛隊明記に賛成も34%と多数

 NHKが全国の18歳と19歳を対象に行った世論調査(回答者数503人)で、憲法9条について「改正する必要がある」が18%だったのに対し、「改正する必要はない」が53%でした。
 その一方で、安倍首相が提案した、憲法9条の1項と2項を維持したうえで自衛隊の存在を明記するという、憲法改正の具体的な項目について賛否を聞いたところ、「賛成」が34%で、「反対」が16%、「どちらともいえない」が50%でした。

 古い世代の人たちが自衛隊の災害救援活動等には無条件で好感を示しつつも、「戦争放棄と自衛隊との関係」について複雑な意識を持っているのに反して、若い世代は自衛隊の存在について無条件に好感を持ち、是認する傾向は以前からありました。
 安倍首相が今年表明した「憲法9条の1項と2項を維持したうえで自衛隊の存在を明記」するという狡猾な案は、まさに国民のそうした感覚に巧妙に取り入ろうとするもので、かつ十分に効果的であることが分かります。

 そうした傾向を十分に意識しながら、政府の「自衛隊明記というまやかしの提案」の正体を暴露すべく取り組む必要がありそうです。
 2013年の東京新聞の記事も併せて紹介します。

追記 自衛隊が個別自衛権を行使するのは憲法9条に反するものではないということは、憲法13条の要請に適うものであるとして認められているところです(長谷部恭男東大名誉教授、木村草太首都大学教授ほか多数・・・)が、それと憲法9条に自衛隊を明記することとは全く別の問題です。
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18 19 憲法9条改正「必要」18 「必要ない」53
NHK NEWS WEB 2017年8月10日
NHKが全国の18歳と19歳を対象に行った世論調査によりますと、戦争放棄などを定めた憲法9条について「改正する必要がある」が18%だったのに対し、「改正する必要はない」が53%でした。
NHKは、6月21日から先月25日にかけて、全国の18歳と19歳、合わせて1200人を対象に、平和に関する意識を探るための世論調査を郵送で行い、42%にあたる503人から回答を得ました。

この中で、国会で行われている憲法改正の議論にどの程度関心があるか尋ねたところ、「非常に関心がある」が13%、「ある程度関心がある」が41%、「あまり関心がない」が37%、「まったく関心がない」が8%でした。

今の憲法を改正するためには、国会が提出した改正案の賛否を、国民投票で決めることになっているのを知っているかどうか聞いたところ、「知っている」が66%、「知らない」が33%でした。

そして、憲法9条は、1項で戦争を放棄し、2項で戦力を持たないことを決めていますが、9条を改正する必要があると思うか尋ねたところ、「改正する必要がある」が18%、「改正する必要はない」が53%、「どちらともいえない」が28%でした。

また、安倍総理大臣が提案した、憲法9条の1項と2項を維持したうえで自衛隊の存在を明記するという、憲法改正の具体的な項目について賛否を聞いたところ、「賛成」が34%、「反対」が16%、「どちらともいえない」が50%でした


憲法9条改正に高校生の6割が反対
東京新聞 2013年4月20日
 高校生の6割が、戦争放棄をうたった憲法9条の改正に反対していることが、日本高等学校教職員組合(日高教)の憲法意識調査で分かった。
 4割の高校生が「自衛隊は憲法に違反しない」と回答。1割強の「違反する」を上回った。調査は昨年11月に実施。28道府県4政令市の144校、12,480人の高校生が回答した。

 憲法9条を「変えない方がよい」と答えた高校生は63%2008年の前回調査と比べて2.1ポイント増えた。「変える方がよい」は14・4%だった。
 変えない方がよい理由は「戦争への道を開くおそれがある」が75・9%を占めた。変える方がよい理由は「今の憲法9条では対応できない国際的問題が生じている」(32・2%)、「中国・北朝鮮などの脅威に対抗するため」(30・9%)。

 「憲法を変えることをどう思うか」との質問では、賛成が23・2%で反対の20%を上回った。賛成の理由は「環境権、プライバシー権など新たな権利を加えるため」が最多の51・3%。反対理由は「憲法の三大原則は世界に誇れるすばらしいもの」(47・6%)などだった。

自衛隊が憲法に違反しない」と答えた高校生は45・1%に上り、前回より20ポイント超増えた。理由は「防衛のための組織で戦力にはあたらない」が59・2%。東日本大震災での救援活動を受けて「災害などで救援組織としての規定が自衛隊法にある」が40・2%に上った。逆に「違反する」は12・4%で、前回より6・9ポイント減った。