2017年8月29日火曜日

29- 茨城県知事選 自公推薦の新人 大井川氏が当選

 茨城県知事選挙は27日に投票が行われ、自公明党が推薦する新人の大井川和彦氏が50弱を獲得し、現職の橋本昌氏に7万票の差をつけて当選を果たしました。
 橋本昌氏は今回東海第二原発再稼働反対を明言しました。同じく再稼働反対を訴えた共産党推薦の鶴田真子美氏は12万票余にとどました。
 開票結果は下記の通りです。
▽大井川和彦(無所属・新)当選  497361
▽橋本昌(無所属・現)          427743
▽鶴田真子美(無所属・新)      122013

 都議選に続き仙台市長選でも敗北した自民党はこれで一息継ぐことが出来、この勝利を改造後初の国政選挙となる衆院トリプル補選(1022日投開票)の弾みにしようとしています。そういう意味でも今回自・公を勝たせたことの意味は大きくて、残念な結果でした。

 日刊ゲンダイは、「野党系候補が一本化すれば、大井川氏の得票を約5万票上回った」と書きそれ以上の言及はありませんでしたが、その意図するところは明らかです。
 天木直人氏は、「得票数を単純計算すれば、もし共産党が候補者を立てず、その票が橋本候補に向かっていれば橋本候補が楽勝していたはずだ。なぜ共産党は橋本候補に一本化しなかったのか。矛盾だらけだ」と厳しく批判しました。こうした指摘は多年にわたって行われてきたものでした。
 これまで一貫して野党共闘路線を強調してきた共産党が、なぜこの選挙では独自候補を擁立したのか、説明を聞きたいものです。

 一方自民党側は、「保守が分裂した選挙でもあり、安倍政権に対する信頼を取り戻したわけでない」、「政権としては、国民の声に、謙虚に耳を傾けながら、国民の安全安心に万全を期して経済最優先で政策を進め、一つ一つ結果を出していきたい」と述べるなど、引き続き謙虚な政権運営を進めていくことを強調しました。
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茨城知事選は安倍官邸制す トリプル補選は野党共闘が必須
日刊ゲンダイ  2017年8月28日
 内閣改造後初の大型地方選となった27日投開票の茨城県知事選は、安倍官邸が総力戦で支えた自公推薦候補が勝利した。

 新顔の大井川和彦氏(53)が、全国最多の7選を目指した現職の橋本昌氏(71)を約7万票差で破った。投票率は前回より1174ポイント高い4348%だった。
 自民党からは菅官房長官をはじめ、野田総務相ら閣僚や岸田政調会長など党幹部が連日現地入り。ラストサンデーの20日には、自民党きっての人寄せパンダの小泉進次郎筆頭副幹事長が応援に入り、国政選挙並みの態勢で戦った。歴史的な大敗を喫した都議選のダメージをこれで一掃し、改造後初の国政選挙となる衆院トリプル補選(10月22日投開票)の弾みにしようと躍起だ。

 もっとも今回の知事選は保守分裂選挙で、与野党が激突する構図とは異なった。野党系候補が一本化すれば、大井川氏の得票を約5万票上回った。自民現職の死去に伴うトリプル補選は野党との全面対決となる見通しで、ひとつでも落とせば国民の不信の的になっている安倍首相には大打撃だ。

 民進党代表選(9月1日投開票)を戦う枝野幸男元官房長官は「候補者を1人に絞るために最大限の努力をしなければならない」としているが、野党共闘を一刻も早く前進させなければ、死に体の安倍政権が息を吹き返しかねない。野党第1党の民進党代表選はこの一点で勝負しなければウソだ。


はじめから不毛だった今度の茨城県知事選挙
天木直人のブログ 2017年8月28日
 茨城県知事選が27日、投開票され、自民・公明推薦の大井川和彦候補(53)が、現役知事最多となる7選を目指した現職の橋本昌氏(71)を破った。
 これを報じる今日の各紙は、これで安倍政権は10月22日投開票の3つの衆院補欠選挙に向けて弾みをつけたと書いている。
 しかし、そもそも7選を目指す現職の橋本昌候補と大井川候補の一騎打ちは、はじめから不毛な選挙ではなかったのか。
 安倍自公政権と野党共闘の不毛な政局がらみの冷めた選挙だったのではなかったのか。
 しかも野党共闘といっても、それを最も強く打ち出す共産党が独自の候補者を立て、三つ巴の戦いとなった。
 得票数を単純計算すれば、もし共産党が候補者を立てず、その票が橋本候補に向かっていれば橋本候補が楽勝していたはずだ。なぜ共産党は橋本候補に一本化しなかったのか。矛盾だらけだ。

 はじめから不毛だった今度の茨城知事選挙である。
 いまの日本の政治のいかさまぶりを象徴するような選挙である。
 しかしその事を政治報道は一切書かなかった。
 いまの日本の政治報道もまたいかさまだということである(了)


茨城県知事選 官房長官 引き続き謙虚に政権運営
NHK NEWS WEB 2017年8月28日
菅官房長官は記者会見で、27日投票が行われた茨城県知事選挙で、自民党と公明党が推薦する新人が当選したことについて、「大変よかった」と述べたうえで引き続き、謙虚に政権運営を進めていく考えを重ねて示しました。
27日投票が行われた茨城県知事選挙では、自民党と公明党が推薦する、新人の大井川和彦氏が全国最多の7期目を目指した現職らをやぶり、初めての当選を果たしました。
これについて、菅官房長官は記者会見で「大変よかった。少子高齢化や過疎化が進む時代にあって、新しい発想ややり方で、地域活性化に向け、行政をどんどん変えていくことは必要だ」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、「政権としては、国民の声に、謙虚に耳を傾けながら、国民の安全安心に万全を期して経済最優先で政策を進め、一つ一つ結果を出していきたい」と述べ、引き続き、謙虚に政権運営を進めていく考えを重ねて示しました。

また、菅官房長官は、都道府県知事の多選について、「総務大臣当時、多選問題に関する研究会を開催し、『知事は、住民によって直接選挙で選ばれるため、極めて強い正当性を持ち、行政のピラミッド型組織の頂点に立つことから、多選により選挙の実質的な競争性が損なわれる』という指摘もあった」と述べました。