2018年7月3日火曜日

03- 「ペンは負けない」 ジャーナリストの良心宣言

 政治の腐敗を絶つ決め手は「国民の怒り」ですが、それを支えるのが記者たちの筆であり、カメラです。
 大阪北部を大地震が襲った日の夜、安倍首相は岸田政調会長と高級日本料理店で「しゃぶしゃぶ」を楽しみましたが、「定額働かせ放題」の労働法改悪が成立した6月29日の夜には、今度は報道各社の幹部コメンテーターたちを夕食に招きました。
 
 権力になびくメディアの姿があぶり出される一方で、反骨のジャーナリストたちが1日、シンポジウム「ペンは負けない カメラは見逃さない ― ジャーナリスト良心宣言2018」を開きました。そこでは東京新聞の望月衣塑子記者、元朝日新聞記者の竹信三恵子さん、沖縄タイムスの阿部岳記者らがマイクを握りました。
 田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
 
 因みに、「ペンは剣よりも強し」の名言は英作家エドワード・ブルワーリットン歴史劇『リシュリューあるいは謀略』(1939年)の中で登場しました
 17世紀、仏宰相リシュリューは、部下の司令官ら自分暗殺しようとしていることを知ったとき、力で制圧することはせずに、「偉大な人間の統治下ではペンは剣よりも強し。見よ、魔法使いの杖を」と述べた(ウィキペディアより)ことに始まります。
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「ペンは負けない、カメラは見逃さない」 出るか、第2の望月衣塑子
田中龍作ジャーナル 2018年7月1日 
 もう誰も驚かなくなった。「労働者を奴隷のごとく働かせる」法律が、国会で制定された6月29日の夜だった。「寿司友セブン」で知られる報道各社の幹部とコメンテーターが安倍首相と夕食を共にしたのである。彼らにしてみれば庶民の厳しい暮らしなんぞ別世界だ。 
 
 マスコミはいつから権力の下僕と化してしまったのだろうか。「見て見ぬフリをしてはならない。不正を暴き世に知らしめなくてはならない」・・・反骨のジャーナリストたちがきょう、都内に集って現状を憂えた
 東京新聞の望月衣塑子記者、元朝日新聞記者の竹信三恵子さん、沖縄タイムスの阿部岳記者がマイクを握った。
 
 望月記者は「安倍政権はメディアコントロールを徹底したがっている」。元朝日新聞の竹信美恵子さんは「内容がない安倍政権にとってメディアは生命線になっている」。二人はこの国のジャーナリズムが危機的な状況にあることを指摘した。
 沖縄タイムズの阿部岳記者は「本土メディアの記者が少ない沖縄で、唯一現場に立ち会えるのが地元紙。なかったことにさせない」と淡々と語った。
 
 『なかったことにさせない』という阿部記者の言葉に筆者は震えた。これこそジャーナリズムの神髄ではないだろうか。
 この他、登壇した現役記者は、神奈川新聞、埼玉新聞といずれもローカル紙の記者だった。全国紙からはOB記者のみ。テレビ局はOGディレクターだった。これが日本の組織ジャーナリズムの現状だろう。
 「ジャーナリズムは会社ではなく個人が支える」。朝日新聞元科学部長の柴田鉄治さんが喝破した。第2、第3の望月衣塑子、阿部岳が出てくるだろうか。
〜終わり~