2018年7月10日火曜日

安倍首相 豪雨対策そっちのけで宴会 災害対策無作為の責任は重大

 西日本を襲った豪雨は平成に入ってからは最大規模の水害をもたらし、死者124(NHK)、心肺停止者は6人、安否不明者81人(朝日新聞)に及んでいます
 5日には、地震発生から間もない大阪北部や京都市などの地域では早朝から避難勧告が断続的に出され、夕方には京都府だけでも14万人に避難指示が出されました。
 気象庁は、午後2時に緊急会見を開き、「非常に激しい雨が断続的に数日間降り続き、記録的な大雨となる恐れがある」と発表し、さらに17時台には「厳重な警戒」を呼びかけていました。
 
 そんな中で何もしなかった安倍首相は、5日の夜に赤坂の議員宿舎で開かれ「赤坂自民亭」なる自民党の飲み会に参加し岸田文雄政調会長、竹下亘総務会長、小野寺五典防衛相、そして翌日にオウム真理教死刑囚の刑の執行を控えていた上川陽子法相、など40人超の自民党議員たちと酒を酌み交わしました。
 その様子を首相の側近で災害対応のプロである筈の西村康稔・内閣官房副長官が、得意げに写真入りでツイートしたため大いに顰蹙を買いました。西村氏も含めて、首相や法相の不謹慎さは尋常ではありません。
 高千穂大五野井郁夫教授は、「他の先進国なら、豪雨被害の深刻さが強まる中、国のトップの宴会参加が判明した時点で、クビが飛んでもおかしくありません」(日刊ゲンダイ)と述べています
 
 官邸でようやく豪雨被害に対する関係閣僚会議を開いたのは、気象庁の緊急会見から44時間経った7日午前10時でした。しかし首相は正午には富ケ谷の私邸に戻り、あとは自宅にこもり切りでした。それから更に1日経った8日非常災害対策本部の初会合が開かれましたが、その所要時間はたった20分でした。
 そして、なぜ首相はこの非常時に外遊を止めようとしないのかの非難の声が上がる中、ようやくベルギー、フランス、サウジアラビア、エジプトへの歴訪中止を決断したのは9日の午後になってからでした。大災害の中で首相が迅速に災害対策本部を設置しなかったのは、自分が外遊をしたいからだとまで言われました。
 
 安倍内閣になってから豪雨による大規模な河川の氾濫やがけ崩れが毎年のように起きています。集中豪雨自体は安倍内閣の責任ではないにしても、「国土強靭化」は第二次安倍内閣の登場の時点で国民に約束していた公約でした。ところが他のスローガンと全く同様に何も実行しないままで今日に至りました。
 倉敷市の小田川の堤防決壊では、真備記念病院が一時は2階まで浸水するなど、15人が死亡する大惨事となりました。小田川流域では1970年以降、大規模な氾濫が5回発生していますが原因は明瞭で、高梁川の支流の小田川が合流する個所は川幅が狭いうえに湾曲しているため、豪雨で本流が増水し水位が上がるとバックウォーター現象で支流(小田川)の水位が上がるためです。
 国交省は、高梁川と小田川の合流地点を下流に移し、洪水時の小田川の水位を低下させる事業を計画していましたが、それが実施されないうちに今回の大事故が起きてしまいました
 
 安倍首相は外遊のたびに莫大な国費をばら撒き、米国からは役に絶たない超高額兵器を爆買いしていますが、そんな金があるのならなぜ国民に約束した「国土強靭化」を実行しないのでしょうか。
 の五十嵐仁名誉教授は、「安倍政権は北朝鮮危機をあおり、5年連続で防衛予算を増やしてきましたが、過去最大5兆円超に膨らんだうち、わずかでも防災・減災に回していれば、豪雨被害はここまで拡大しなかったはずです」(日刊ゲンダイ)と述べています。安倍政権の責任は重大です。

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安倍首相の豪雨対策そっちのけ自民飲み会参加に非難轟々
一緒に大はしゃぎの安倍側近は言い訳のためデマ拡散
LITERA 2018年7月9日
 西日本を襲った豪雨はきょう死者が100人を超え、平成に入ってからは最大規模の水害となった。本日21時現在で安否不明者81人(朝日新聞調べ)もいる上、避難者の数も約2万人。交通インフラの被害も深刻で、復旧の目処も立っていない
 そんななか、怒りが集中しているのが、安倍首相の災害対応だ。たとえば、6日夜の時点で広島県は土砂崩れなど甚大な被害が出ており、さらに7日深夜には岡山県倉敷市真備町で川が氾濫し冠水。同日朝には愛媛県西予市をはじめ、多くの地域で取り残された人びとからの救助要請が相次いでいた。
 
 にもかかわらず、安倍首相は、7日午前10時1分から豪雨にかんする関係閣僚会議を15分間開いただけで、その後は東京・富ヶ谷の私邸に帰宅。非常災害対策本部を立ち上げたのは昨日8日の午前8時のことで、そんな時期になって「救命救助、避難は時間との戦い」などと言い出したのだ。しかも、昨日も午後14時過ぎには官邸を出て、さっさと私邸へ戻ってしまった。
 そして、安倍首相はようやくきょうになって救助活動や被災者支援のため、11日から予定していたベルギーやフランスへの外遊を取りやめると発表。だが、これはあまりにも当然の話だろう。もっと早く外遊取りやめを公表し、政府をあげて対応にあたると明言することで、被災地に多少なりとも安心感をもたらすことができたからだ。
 
 しかし、もっとも批判の矛先が向いているのは、やはり、5日の夜に安倍首相が「赤坂自民亭」なる自民党の飲み会に参加した一件だ。
 5日といえば、地震発生から間もない大阪北部や京都市などの地域では早朝から避難勧告が断続的に出され、夕方には京都府だけでも避難指示は14万人に及ん。気象庁も14時に「記録的な大雨となるおそれ」と大雨では異例の緊急会見を開き、17時台には「厳重な警戒」を呼びかけていた。
 
 だが、安倍首相は西日本を襲う危険は自分とは無関係と言わんばかりに、自民党の中堅・若手議員らが開いている「赤坂自民亭」に参加。この会は、竹下亘総務会長が「亭主」を、翌日にオウム死刑囚を大量処刑した上川陽子法相が「女将」、“ドリル破壊大臣”こと小渕優子・元経済産業相が「若女将」、吉野正芳復興担当相をはじめとする7期生が「店員」を務めるという“ごっこ遊び”のような内輪の飲み会で、安倍首相がこの夜、参加したのは、9月の総裁選に向けた票固めのための行動であることは間違いない。ちなみに、安倍首相はこの会に地元・山口の有名ブランド日本酒である「獺祭」を差し入れたというが、獺祭の蔵元も今回の豪雨で浸水被害を受け、製造中止に追い込まれている。
 避難者が十数万人に及ぶなか、災害そっちのけで総裁選の選挙運動に勤しむ安倍首相……。この危機管理ゼロかつ酷薄な態度には言葉を失うが、醜いのは、この場に集まっていた安倍政権の面々も同じだ。
 
 なかでも、呆気にとられるような言動を繰り返したのは、安倍首相の側近である西村康稔・内閣官房副長官だ。
 西村官房副長官といえば、第二次安倍政権の発足とともに内閣府副大臣に任命され、防災対策を担当。2014年8月に豪雨で土砂崩れが発生した広島土砂災害では現地対策本部長を務めた。同年に出版した『命を守る防災・危機管理』(プレジデント社)なる著書の帯では、安倍首相が「数々の災害に、彼が最前線で指揮を執ってくれた」と推薦文を寄せているほど。つまり、西村官房副長官は、安倍政権が誇る“災害対応のエキスパート”というわけだ。
 
安倍首相が“防災担当”に指名、西村康稔内閣官房副長官も飲み会で大はしゃぎ
 だが、被害拡大が懸念されていた5日の夜、西村官房副長官は安倍首相に迅速な対応を進言するでもなく、一緒に「赤坂自民亭」に参加。そして、安倍首相と岸田文雄・自民党政調会長の、あきらかに酒が入って陽気な様子のツーショットや、安倍首相を中心に参加者が乾杯ポーズで写った集合写真とともに、こんなツイートを投稿した。
〈参加した多くの議員は「(安倍総理が差し入れた)獺祭と(岸田政調会長が差し入れた)賀茂鶴とどっちを飲むんだ??」と聞かれ、一瞬戸惑いながらも、結局両方飲んでました。そして、お二人と写真を撮っていました笑笑 いいなあ自民党。〉
 〈今日は、安倍総理、岸田政調会長、竹下総務会長が勢揃い。和気あいあいの中、若手議員も気さくな写真を取り放題!まさに自由民主党党。〉(原文ママ)
 安倍首相が称える「防災・危機管理」のプロが、危機が迫るなかで宴会の様子を垂れ流す……。これが、西村官房副長官が「いいなあ」と誇る「まさに自由民主党」の姿なのである。
 
 しかし、西村官房副長官の醜態はこれで終わらない。この宴会写真と被災者の不安を無視した投稿には非難が殺到したためか、同日23時45分には〈地元秘書から、地元明石淡路の雨は、山を越えたとの報告を受けました。秘書、秘書官と随時連絡を取り合いながらの会でした〉とツイートしたのだ。
 官房副長官ともあろう者が、自分の選挙区のある地域にしか目を向けていないことを露呈させるとは、これだけでも酷い話だが、その明石市や淡路島にしても〈山を越えた〉というようなことはなく、その後、6〜7日にかけて避難勧告が出され、淡路市にいたっては本日21時16分まで大雨、雷注意報が出されていた。つまり、自分が飲み会で浮かれていたのを打ち消すために、災害を矮小化するデマを流したのである。
 
 さらに、西村官房副長官は7日の関係閣僚会議において安倍首相が発言している写真と合わせて、〈これまでに経験したことのない記録的な雨量〉と投稿。未曾有の雨量だと認めているのに、この時点で非常災害対策本部がいまだ設置されていないのはどう考えてもおかしいのだが、西村官房副長官がそうした安倍首相の失策を指摘するはずもなく、ただ写真だけで「やっている感」を演出しようとしたのだ。
 
西村官房副長官、災害は「山を越えた」「自衛隊員2万人が救助活動中」とデマツイートを連発
 しかも、問題はこのあと。西村官房副長官は、投稿文をこう締めくくっているのである。
〈現在、京都、岡山、広島、山口、愛媛、高知、福岡の各府県で自衛隊員約21,000名が人命救助など活動中。〉
 じつは、これもデマだった。実際、自衛隊の救助態勢について、8日の毎日新聞の朝刊は以下のように伝えている。
〈防衛省によると同日(注・7日)夕現在、京都、高知、福岡、広島、愛媛、岡山、山口の7府県からの災害派遣要請を受け、自衛隊は約600人態勢で、土砂崩れ現場での救助、孤立地域からの輸送、洪水対策などにあたっている。西日本の陸上自衛隊を中心に約2万1000人が救助要請などに即応できるよう待機している〉
 ようするに、実際に7日時点で救助などの活動に当たっていた自衛隊員は約600人に過ぎず、2万1000人は「待機」していただけだったのだ。それを西村官房副長官は、「約21,000名が人命救助など活動中」だとデマを喧伝したのである。
 総理出席の飲み会ではしゃぎ、それをごまかすために危機感を促すべきタイミングで〈山を越えた〉などと拡散させ、挙げ句、非常災害対策本部も立ち上げないままに虚偽の情報を流して、あたかも万全の救助態勢であるかのように装う──。西村官房副長官は前述した著書のなかで、自身の災害対応を振り返った後に、日本は〈世界の防災のリーダー国〉なのだと胸を張っているが、デマを流すような官房副長官がいる国の、一体どこが防災リーダー国なのだろうか。
 
 そして、最大の責任者は、このような人物を防災担当に据えた安倍首相である。そもそも、安倍首相こそが、頻発してきた災害に対して毎度毎度、信じがたい対応をとってきた。
 事実、2014年の広島土砂災害では、8月19日に豪雨によって土砂崩れが発生。このとき安倍首相は山梨県の別荘で過ごしていたのだが、翌20日午前6時30分に「政府の総力を挙げて被災者の救命・救助などの災害応急対策に全力で取り組む」と宣言。そのまま官邸に入り対応にあたると思いきや、なんと官邸ではなく富士桜カントリー倶楽部に向かい、日枝久・フジテレビ会長(当時)や笹川陽平・日本財団会長らとゴルフに興じたのだ。
 これだけではない。2015年の関東・東北豪雨では、孤立して救助を待つ人びとや不明者も多数いるなか、インターネットテレビ「言論テレビ」に生出演し、櫻井よしこや田久保忠衛・日本会議会長とともに「歴史的使命を完うする覚悟と戦略」と題して安保法制の必要性をアピール。また、昨年は、G20首脳会談出席のための外遊中に九州北部豪雨が発生したが、その後、被害が深刻化するなかにあって安倍首相はG20閉会後も外遊を続行。結局、1日だけ予定を早めて7月11日に帰国したが、緊急性もない外遊を続行させたのは、同月10日に開かれた加計問題追及の閉会中審査に出席したくないからではないかとも囁かれた。
 
 災害が起こっても、ゴルフをプレーし、お仲間の極右ネット番組に生出演し、閉会中審査に出たくないばかりに外遊先から帰国しない。そして今年もまた、総裁選に向けた選挙活動に励む一方で被災地を無視しつづけ、非常災害対策本部の立ち上げは遅れに遅れた──。総理大臣がこの有り様なのだから、安倍政権の面々が災害にも目もくれずどんちゃん騒ぎを繰り広げ、側近がデマを流すのも、当たり前なのかもしれない。(編集部)
 
安倍首相の豪雨対策そっちのけ自民飲み会参加に非難轟々! 一緒に大はしゃぎの安倍側近は言い訳のためデマ拡散の画像1
西村康稔官房副長官がツイートした自民党飲み会の模様