トランプ大統領が、秋にプーチン大統領をアメリカに招くように、ヘルシンキ会談をアレンジしたボルトン大統領補佐官(安全保障政策担当)に指示しました。正に画期的なことです。
とはいえホワイトハウス内では、ロシアとの宥和にいまでも殆どの閣僚が反対であることに変わりはありません。
ロシアとの宥和は大統領選の時からトランプ氏が主張していたもので、だからこそ当選するや否や「ロシアゲート」がデッチ上げられ、“朝野を挙げて”の大バッシングが引き起こされました。
それを彼一流の曖昧さとしぶとさで耐えて、良くここまで漕ぎつけたものです。
NHKのニュースとPaul Craig Robertsのブログ「世界を核戦争へと追いやる狂気のアメリカ売女マスコミ」を紹介します。
それにしても、なぜアメリカでこれほどまでにロシアが排撃されなくてはならないのかですが、その理屈は実に簡単で明瞭です。
Paul Craig Robertsは17日付の別のブログで次のように書き出しています(要旨)。
プーチンは既に知っているだろうが、アメリカの腐敗したマスコミは、ロシアとアメリカの関係を、民主党とトランプ大統領との間の国内政治闘争の人質にとっている。
腐敗したアメリカ・マスコミは、トランプ大統領に反対する民主党の宣伝屋をつとめているだけではなく、巨大なアメリカ・マスコミの株式を所有する軍安保複合体の権益に仕えて、そこに投じられる1兆ドルという膨大な予算を正当化するため、ロシアを敵として位置づけ続けている。“ロシアという敵”が無ければ、そのようなお金の無駄を一体どうやって正当化できるだろう?
アメリカ・マスコミは愚かなだけでなく、極度に腐敗しているのだ。・・・云々
(「アメリカ・ディストピアと対決するプーチン」マスコミに載らない海外記事19日付)
これは、安倍首相がありもしない北朝鮮の脅威を煽り、メディアもそれに論調を合わせている日本の現状と瓜二つですが、それはアメリカを真似たというよりも、ともにナチスドイツの宣伝相のテクニックを盗用したというべきでしょう。
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トランプ大統領 秋にプーチン大統領招くよう指示
NHK NEWS WEB 2018年7月20日
アメリカのトランプ大統領はさきに行われたロシアのプーチン大統領との首脳会談は「大成功だった」と主張し、次の会談のためことし秋にプーチン大統領をワシントンに招くようみずからの側近に指示しました。
トランプ大統領はプーチン大統領との首脳会談のあとアメリカ大統領選挙にロシアが関与したとされるいわゆる「ロシア疑惑」についてプーチン大統領に同調する発言をしましたが、その翌日に修正してロシアをめぐる発言が一貫していないと批判にさらされています。
トランプ大統領は19日、ツイッターに「ロシアとの首脳会談は大成功だった」と投稿したうえで「テロの防止や核拡散、それに中東和平や北朝鮮などわれわれが話し合った多くのことを実行に移していくために2回目の会談を楽しみにしている」として次回の会談の開催に意欲を示しました。
またホワイトハウスのサンダース報道官はツイッターで、トランプ大統領がプーチン大統領をことし秋にワシントンに招くよう、安全保障政策担当のボルトン大統領補佐官に指示したことを明らかにしました。
トランプ大統領としては、首脳会談が具体的な成果に乏しかったという指摘や、ロシア疑惑をめぐる発言についての批判をかわすためにロシアとの関係改善が進んでいることを強調する狙いがあるものとみられます。
批判的な勢力が米ロ関係を妨害
ロシアのプーチン大統領は19日、モスクワで演説し、さきの米ロ首脳会談に関連して「全体的には成功で、実り多い合意も導き出された」と述べ、改めて成果があったという認識を示しました。
その一方で「アメリカには、みずからの野心のためにロシアとの関係を簡単に犠牲にするような勢力がいる」と述べ、トランプ大統領に批判的な勢力が、米ロ関係の改善を阻もうとしていると非難しました。
プーチン大統領としては、トランプ大統領のいわゆる「ロシア疑惑」をめぐる発言に対してアメリカ国内で批判が高まる中、トランプ大統領との個人的な関係をてこにアメリカとの関係改善を進めたい考えです。
世界を核戦争へと追いやる狂気のアメリカ売女マスコミ
マスコミに載らない海外記事2018年7月20日
Paul Craig Roberts 2018年7月18日
人類は何度も、すんでのところで核のハルマゲドンを免れてきた。毎回、アメリカとソ連の関係がそこまで緊迫していないことを理解していたアメリカとソ連双方の軍当局者によって回避された。現在、この状況は根本的に変わってしまった。ヒラリーの政治的利益と、軍事産業の強欲のために活動している腐敗したアメリカ・マスコミと民主党と軍安保複合体が、ロシアとロシア大統領を悪魔のように描き出したおかげで、警報システムの誤動作や、一人の狂った政治家の短気なかんしゃくが、破滅的な核ミサイル発射を引き起こしかねなくなっている。
いかなる代償を払ってでも、その権力と利益を守り抜くという軍安保複合体の決意は理解できるし、アイデンティティ政治に突き動かされる、アメリカ的ではない民主党の“トランプを支持する惨めな連中”に対する憎悪も理解できる。だが、“ロシアゲート”という途方もないウソと、容易に地球上の生命の破壊という結果をもたらしかねない危険で無謀な緊張ではなく、核大国間の理解を求めようとしているがゆえに、トランプ大統領を売国奴だと悪魔のように描くのに、マスコミが共謀しているのは不可解だ。唯一の結論は、アメリカの印刷(紙誌業界)とTVマスコミには、いかなる知性も品位も誇りも皆無だということだ。アメリカの印刷とTVマスコミは、トイレに流すべき排泄物集団なのだ。
ケイトリン・ ジョンストンも同じ意見だが、より激しく主張している。
その判断で核戦争を回避した二人のソ連軍当局者の話がここにある。
アメリカ合州国において、売女マスコミにも、トランプ自身の閣僚にも、事実への敬意は皆無だ。核大国間の状態を、より危険でないようにするべく、トランプが取り組んでいるのは、他では失われている知性と人間性の印だ。もしアメリカ人が、アメリカとロシアとの関係を正常化するトランプの取り組みを支持しなければ、アメリカ人は、自分自身の墓と、人類の墓を掘っていることになる。
Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。
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