LITERAが、沖縄タイムスが15日付1面で報じたスクープ・・・安倍首相の“極右教育政策のブレーン”が率いる民間団体に、各自治体から少なくとも1220万円もの公費が投じられているという記事を取り上げました。
沖縄タイムスは、保守系の自治体首長ら131名でつくる「教育再生首長会議」に加盟する九州地域の自治体に情報公開請求などで照会したところ、いずれも公費から年会費などが支出されていたことが確認されたということです。
教育再生首長会議から事務局委託費の名目で計1220万円を受け取った日本教育再生機構(理事長 八木秀次)は、右翼系の育鵬社教科書の採択拡大を支援しています。
沖縄タイムスの記事も併せて紹介します。
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安倍首相のブレーン・八木秀次率いる極右教育団体に1200万もの公費が横流し! 教科書採択運動の裏にアベ友利権
LITERA 2018.07.17
安倍政権が推し進めている極右教育をめぐり、沖縄タイムスが15日付1面で報じたスクープが話題になっている。安倍首相の“極右教育政策のブレーン”が率いる民間団体に、各自治体から少なくとも1220万円もの公費が投じられていたことをすっぱ抜いたのだ。
この首相の“極右教育政策のブレーン”とは、八木秀次・麗澤大学教授だ。周知の通り、八木氏といえば日本会議とも近い“極右御用学者”で、「日本教育再生機構」(以下、再生機構)という歴史修正教科書の制作・採択運動などを行う極右団体の理事長を務めている。
沖縄タイムスのスクープは、その八木氏率いる再生機構に、保守系の自治体首長ら131名でつくる「教育再生首長会議」(以下、首長会議)を通じ、事務局委託金の名目で、2017年度までに計約1220万円が支払われていたというもの。また、同紙が首長会議に加盟する九州地域の自治体に情報公開請求などで照会したところ、いずれも公費から年会費などが支出されていたという。
前述の通り、八木氏の再生機構は「新しい歴史教科書をつくる会」から分派した団体であり、歴史修正主義が顕著な育鵬社の歴史教科書などを支援してきた。つまり、これは極右教育を推進する“アベ友”の団体に市民の血税が人知れず流されていたということであり、言うまでもなくそれは、教科書採択に大きな影響力をもつ自治体首長とズブズブの関係にあるという事実を意味している。
もともと、首長会議は2014年6月の結成翌年から毎年、安倍首相を表敬訪問するなど、安倍政権の極右教育政策を支持・支援する団体だ。結成時の会長は安倍首相の地元である山口県の松浦正人・防府市市長で、現在は後任の野田義和・東大阪市市長が務めている。私立学校や国立学校などの一部をのぞき、公立学校の教科書を採択するのは各自治体の教育委員会だが、教育委員の任命権は首長にある。防府市と東大阪市は、2015年の中学校の教科書採択で育鵬社教科書を選んでいる。
教科書問題と右派運動に詳しい俵義文氏(「子ども教科書全国ネット21」事務局長)によれば、首長会議は再生機構や同じくつくる会から派生した「教科書改善の会」が全面的に関わってつくった組織であり、事実、最初の相談会から八木氏が参加、第一回準備会でも講演を行っている(「週刊金曜日」2015年1月23日号)。
沖縄タイムスによれば、再生機構へ支払われた事務局委託金の額は首長会議の年間収入の約7割にあたり、再生機構スタッフの人件費などに充てられていたという。
ようするに、今回、沖縄タイムスがスクープした首長会議への公金支出および再生機構への横流しは、安倍首相を中心とした一連の極右教育推進運動に人々の血税が勝手に投入されているという問題のみならず、明らかな癒着の構造がある。ここには、安倍首相のお友達に異例の国有地値引きや規制緩和が行われた森友・加計学園と同様の問題が横たわっているのだ。
しかも、首長会議と八木氏の再生機構をめぐっては、もうひとつ、とんでもない疑惑が浮上している。
それは、2019年度から始まる中学校での道徳の教科化に関連し、八木氏らが首長会議に対して、自分たちがつくった教科書を売り込んでいたというものだ。
安倍首相のブレーン・八木秀次と道徳教科書をめぐるもうひとつの疑惑
検定申請中の教科書をめぐっては、文科省は採択の公正を確保するため〈検定申請本及びその内容を、教科書採択を勧誘するための宣伝活動(実質的にこれと同視され得るものを含む。)には一切用いないこと〉(「教科書採択の公正確保について(通知)」)などの制限を設けている。八木氏らの売り込みは、禁じられている不正な宣伝にあたる可能性がある。
疑惑の詳細については後編でお伝えするが、いずれにせよ、安倍首相が血眼になっている極右教育運動のなかで“アベ友”を優遇し、事実上の“支援金”が血税から流されている実態がある。マスコミは徹底追及するべきだ。 (編集部)
育鵬社支援団体に自治体の公費 1千2百万円、
教育再生首長会議を経由
沖縄タイムス 2018年7月15日
保守系の市町村長有志でつくる教育再生首長会議(会員131人)が、育鵬社の教科書の採択拡大を目指す日本教育再生機構に事務局を委託し、その費用として2014~17年度に計約1220万円を支払っていたことが14日、沖縄タイムスの調べで分かった。石垣と宮古島の両市を含め、九州で首長が同会議に参加している全自治体は公費で会費などを納めていることも判明。公費を財源とする首長会議の資金の大半が、結果的に特定の保守系教科書の支援団体に流れている形で、公費支出の妥当性が問われそうだ。(社会部・鈴木実)
教育再生首長会議を巡る資金の流れ
育 鵬 社 教 科 書
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採択拡大を支援
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日本教育再生機構
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事務局委託金
約1220万円
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教育再生首長会議
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自治体の公費
を支出
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保守系 市町村長
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本紙が関連自治体への情報公開請求や取材で資料を入手した。
首長会議は、安倍政権の掲げる「教育再生」に連動し、保守系首長が中心となって14年に結成した任意団体。毎年、総会や勉強会を開いており、再生機構が事実上、その事務局を担っている。
15年度総会では、再生機構への事務局委託金を年120万円から360万円に引き上げることを決定。その後、実際に340万~400万円を毎年支払っていた。首長会議の年間収入の7割程度に相当する額で、再生機構のスタッフの人件費や交通費、事務所維持費などに充てられている。
再生機構は「新しい歴史教科書をつくる会」の分裂でできた団体の一つで、06年に発足。役員には育鵬社教科書の執筆・編集関係者が複数含まれる。同教科書の採択拡大を活動の柱に位置付け、会報などで呼び掛けている。理事長は、安倍晋三首相の政策ブレーンとして知られる八木秀次・麗澤大学教授。
九州で首長会議に参加している7県21首長の自治体に本紙が情報公開請求などで照会したところ、全ての自治体が年会費や勉強会参加費などを公費で支払っていた。
沖縄大学の仲地博学長(行政法)は「特定の教科書と密接な関係にある団体を支援するため、首長会議がいわばトンネル団体のような形で使われていると疑われかねない。委託先や委託金額が適切なのか、市民目線での検証が必要だ」と指摘した。
一方、首長会議の事務局は「再生機構に委託金を支払ってはいるが、特定の教科書を支援しているわけではない。本年度から委託そのものをやめることも検討している」と話した。