2018年7月28日土曜日

28- 後任は誰でもいい 国民は全力を挙げて安倍3選を阻止せよと

「日本経済一歩先の真相」を週一のペースで日刊ゲンダイに連載しているエコノミストの高橋乗宣氏が、「後任は誰でもいい国民は全力を挙げて安倍三選を阻止せよ」と訴えました。
 安倍政権がこの5年半でやってきたことを思えば、さらに21年の9月までこの政権が続けばいったい日本はどうなるのかと、心底から同感します。
 しかし対抗馬の石破氏は、安倍氏よりもさらに徹底した9条改憲論者で、9条の2項を廃して憲法に軍隊保有を明記することを主張しています。
 そうであれば「石破氏でもいいから・・・」とはとても言えませんが、だからと言って安倍氏がさらに3年も(あるいはそれ以上も)政権の座に居ては、日本の経済がどこまで破壊されることになるのか想像もつきません。
 
「兎に角 安倍ではダメだ」というところに同意して高橋氏の記事を紹介します。
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 日本経済一歩先の真相  
後任は誰でもいい 国民は全力を挙げて安倍3選を阻止せよ
高橋乗宣 日刊ゲンダイ 2018年7月27日
 とんでもない暑さの中、とんでもない首相が3選に向け、自民党総裁選に出馬の意欲を示している。国会は閉幕したが、モリカケ疑惑の解明は手つかずのまま。忖度行政を生み出し、ついには財務省の公文書改ざん、廃棄に発展した。
 こんな内閣はかつてない。その責任の中心にいるのが、安倍首相だ。自民党はこのような総裁を絶対に3選させてはいけない。今こそ自己批判し、政権与党として自浄能力を発揮すべきだ
 
■後任はもはや誰でもいい
 岸田文雄政調会長は、総裁選不出馬を表明したが、3選を阻止するなら、ポスト安倍は石破茂元幹事長でも、野田聖子総務相でもいい。もはや誰でも構わないほど、安倍政権は堕落している。
 激甚災害に指定された西日本豪雨が発生しても、総裁選対策目当てで「赤坂自民亭」で宴会を繰り広げていた光景は、政権の腐敗を象徴している。飲み会には安倍首相と小野寺五典防衛相も参加。彼らに大雨や河川の氾濫、土砂崩れについての報告はなかったのか。この政権の無責任ぶりが、よく表れている。
 
 国会運営も「数の力」に物を言わせて、やりたい放題だ。安倍首相は豪雨災害復旧よりもカジノ法案成立を優先。復旧の陣頭指揮に立つべき石井啓一国交相をカジノ解禁のための審議に張りつかせ、最後は採決強行だ。信じられない対応であり、このような状況を生み出したのも安倍首相なのである。とことん許しがたい。
 
 アベノミクスの5年間も総括が必要だ。異次元緩和のスタート直前、125兆円ほどだった日銀の国債保有残高は、直近で約460兆円に膨らんでいる。軽く3・5倍以上も増えてしまった。
 
 国債を発行しても、黒田日銀がジャンジャン購入すれば、財政規律が緩むのは当然の帰結だ。安倍首相はプライマリーバランスの黒字化目標を5年も先送りしたが、異次元緩和継続と安倍首相続投のセットで、目標を再び延期しかねない。
 財政健全化も災害対応も先送りのクセに、カジノは急いで解禁させる。その背景には米国言いなりの政権の姿が透けて見える。自民党議員はこんな政権の継続を心の底から望んでいるのか。今の野党の状況だと、自民党政権が続くのは、やむを得ない。だからこそ、党を挙げて猛省すべきなのである。
 
 今回の総裁選は地方票の重みが増し、国会議員票と同数が配分される。地方議員には、だらしない国会議員に代わり、党に反省をうながす投票行動を取って欲しい。それを後押しするのも世論次第だ。国民も全力を挙げて、この政権にストップをかけるべきだ。 
 
 高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。