2018年7月14日土曜日

米カジノ大手業者が 安倍政権中枢に脱法献金他

 しんぶん赤旗がカジノ法に関連する3つの記事を出しました。
 
 一つは、米国の大手カジノ業者の関係者から、麻生財務相や西村康稔官房副長官ら安倍政権の中心人物らが政治資金パーティー券の購入を受けていたことです(12日発売の『週刊文春』
 記事ではそれを脱法献金と呼んでいますが、「脱法(行為)」は、「直接には違法でない方法法律に触れないような方法で法律で禁止していることを行うこと。うまく法の裏をかくこと」とされています。
 
 もう一つはそれを取り上げた共産党・大門議員の質疑に関する記事で、西村官房副長官に対して「脱法的な資金提供は、カジノ実施法の立法事実を揺るがす重大問題だ」と厳しく追及しました
 
 さらに、同じく大門議員は、カジノ実施法案について、本来は賭博罪を構成する犯罪であるカジノの違法性を解除する要件の一つである「目的の公益性」について「どうしても『経済効果』がいいたいなら、カジノ利用者の損失が地域経済に与える影響、ギャンブル依存症対策費用や倒産、自己破産などの社会的損失について試算しなければなりたたない」と主張し「カジノ収益の内部還元」という説明について「統合型リゾートにつくる国際会議場などはもうからないからカジノの収益をそちらに回すというのは世界の実態と違う。それぞれ独立採算で収益をあげている」と指摘しました。
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米カジノ大手 安倍政権中枢に“脱法献金”『週刊文春』報道
 しんぶん赤旗 2018年7月13日
 西日本を中心とした豪雨災害の甚大な被害が日に日に明らかになる中、国会では自民・公明の与党がカジノ実施法案の審議ゴリ押しを続けています。そんな中、米国の大手カジノ業者の関係者から、麻生太郎財務相や西村康稔官房副長官ら安倍政権の中心人物らが政治資金パーティー券の購入を受けていたと12日発売の『週刊文春』が報じました。
 
 記事によると、『文春』は米国の大手カジノ業者「シーザーズ・エンターテインメント」の日本参入に向けたロビー(働きかけ)活動を行っていた人物が作成した記録を入手。
 その記録は、パーティー券購入リストで、15人の政治家と自民党の安倍晋三首相の出身派閥「清和会」の名前を列挙しており、2014年から16年の3年間で計52件、152万円を支出したとしています。
 リストには、パーティー券の購入実績や当日の出欠、代金の支払い方法などが記されているとしています。
 15人の政治家は、大半が超党派のカジノ議連「国際観光産業振興議員連盟」のメンバーです。自民党の衆院議員が11人、立憲民主党1人、無所属1人、購入された時期に日本維新の会だった元衆院議員2人としています。
 
 とくに、自民党のカジノプロジェクトチーム座長の岩屋毅衆院議員は計74万円分の購入を受けたとされています。
 この他にも安倍首相側近で知られる萩生田光一党幹事長代行や西村康稔官房副長官など、政権中枢の政治家名が目立ちます。記事は“脱法献金”の疑いを指摘しています。
 本紙の取材に萩生田事務所は「(購入額が)6万円というのは正しくない」「回答としては適正に処理をして、その収支を報告しておりますということ」とのべ、購入を受けた事実自体は否定しませんでした。
 岩屋氏と西村氏の事務所は「政党機関紙からの取材には回答しておりません」などとのべ、どちらも『文春』の報道は否定しませんでした。
 
 
米カジノ企業の資金提供 立法の根拠揺らぐ 参院委 大門氏告発
しんぶん赤旗 2018年7月13日
 日本共産党の大門実紀史議員は12日の参院内閣委員会で、カジノ実施法案をめぐり、米国の大手カジノ企業がカジノ推進派議員に脱法的な資金提供を行ったと一部で報じられたことを取り上げ、そこで名指しされた西村康稔(やすとし)官房副長官に対し「カジノ実施法の立法事実を揺るがす重大問題だ」と厳しく追及しました。
 
 米国の大手カジノ運営企業「シーザーズ・エンターテインメント」が日本進出のためのアドバイザーとしている人物の会社が西村氏ら超党派のカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟、会長・細田博之自民党総務会長)の幹部にパーティー券購入の形で資金提供していたと12日発売の『週刊文春』が報じたもの。同議連幹事長の岩屋毅自民党衆院議員への74万円をはじめ、細田氏、西村氏ら15人の議員のパーティー券購入があったとしています。
 
 カジノ実施法案は、議員立法として2016年に成立した「カジノ解禁推進法」にもとづきカジノの運営基準などを定めるものです。西村、岩屋、細田氏らは推進法の提出者でした。
 大門氏の質問に対し、西村氏は、この人物と面識があり、シーザーズのアドバイザーであることは知っていたこと、パーティー券購入は事実であることを認めたうえで、「個別にIR(統合型リゾート)について話したことはない」と弁解しました。
 
 大門氏は「今審議している実施法案の大本にある推進法の提出者が、特定の事業者から利益供与を受けていなかったかが問われている。これからの審議の前提として事実関係を明らかにしなければならない」として、西村、細田、岩屋3氏の参考人招致、過去5年間にさかのぼって3氏へのカジノ関連企業からの政治献金、パーティー券購入の有無、金額を調査するよう求めました。
 
 柘植(つげ)芳文委員長は「理事会で協議する」と答えました。
 シーザーズ・エンターテインメント 米国の大手カジノ運営企業。ラスベガス、リノ、アトランティックシティのほか全米各地にカジノホテルを展開。4月に大阪市内で行われたカジノ見本市に出展するなど日本進出に執念をみせています。
 
 
経済損失大きいカジノ 大門氏指摘 「公益性」はごまかし
しんぶん赤旗 2018年7月13日
 日本共産党の大門実紀史議員は12日の参院内閣委員会で、カジノ実施法案について、賭博罪を構成する犯罪であるカジノの違法性を阻却(そきゃく=取り外すこと)する要件の一つである「目的の公益性」についてただしました。
 
 石井啓一カジノ担当相はカジノの「公益性」について、「カジノ収益の内部還元により観光・地域経済の振興などにあてることになる」と答えました。
 大門氏は、「経済の振興」という言い分について「刑法が賭博を禁じている理由は国民経済に重大な障害を与える恐れがあるからだ」としたうえ、「どうしても『経済効果』がいいたいなら、カジノ利用者の損失が地域経済に与える影響、ギャンブル依存症対策費用や倒産、自己破産などの社会的損失について試算しなければなりたたない」と主張しました。
 さらに、「カジノ収益の内部還元」という説明について「IR(統合型リゾート)につくる国際会議場などはもうからないからカジノの収益をそちらに回すというのは世界の実態と違う。それぞれ独立採算で収益をあげている」と指摘しました。
 中川真カジノ推進本部事務局次長は「(国際会議場などは)純粋に民間ベースで存続しているものはない」と的外れな答弁をしました。大門氏は「『内部還元』などとごまかすような議論をすべきでない」と批判しました。
 
 違法性阻却の8要件 競馬など公営賭博の違法性を阻却するさいの「考慮要素」として法務省が示している(1)目的の公益性(2)運営主体等の性格(3)収益の扱い(4)射幸性の程度(5)運営主体の廉潔性(6)運営主体への公的監督(7)運営主体の財政的健全性(8)副次的弊害―の8項目。