2018年7月8日日曜日

元平和大使 福岡市議会に「非核都市宣言」を請願

 昨年「高校生平和大使」を務めた高3年吉原未来さんと同級生の計5人が、福岡市議会に「非核平和都市宣言」を求める請願書を提出しました。
 ジュネーブから帰国後「平和について考え続けたい」と、毎月 福岡県内の高校生を集めて「高校生ミーティング」を開催している中で、福岡市に「非核平和都市宣言」を求める案が出たものです
 
 沖縄県議会は6日、非核三原則の堅持と核兵器持ち込み疑惑の解明に関する意見書を全会一致で可決しましたので、その記事も併せて紹介します。
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元平和大使  「非核都市宣言を」 福岡市議会に請願
毎日新聞 2018年7月7日
 核兵器廃絶と世界平和を求める署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届ける「高校生平和大使」を務めた福岡雙葉(ふたば)高3年、吉原未来さん(17)=福岡市南区=と同級生の計5人が市議会に「非核平和都市宣言」を求める請願書を提出した。吉原さんは大使の任期を6月で終えたが「出会った被爆者たちは皆高齢で、バトンを渡されたと感じた。平和の大切さを学んだ体験を生かし、できることをしたい」と決意を新たにしている。 
 
 吉原さんは小学4年生の時に家族で訪ねた「対馬丸記念館」(那覇市)で、太平洋戦争末期に米潜水艦に撃沈された学童疎開船「対馬丸」に乗っていて犠牲となった子供たちの遺影に心を揺さぶられた。その後もひめゆりの塔など沖縄の戦跡を巡り、多くの子供らが犠牲になったことに衝撃を受けた。 
 
 昨年5月、学校で高校生平和大使募集のポスターを見て「平和な世界をつくる取り組みに参加したい」と応募し、福岡県代表に選ばれた。多くの被爆者に出会って家族や健康を奪う核兵器の恐ろしさを聞き、街頭で集めた署名を手に国連欧州本部を訪れた。現地で交流したトローゲン州立高校の生徒は「抑止力として核兵器は必要では」と話し、身近な同級生との意見の違いに驚かされた。
 
 帰国後「平和について考え続けたい」と、県内の高校生を集めて「高校生ミーティング」を毎月開催。戦争の悲惨さを描いたアニメの上映会を開くなどして議論し、福岡市に「非核平和都市宣言」を求める案が出た。 
 
 市議会は1989年に非核三原則の厳守を誓う「平和都市宣言に関する決議」を採択したが、市として非核宣言はしていない。吉原さんは「福岡市も非核宣言をし、日本政府が核兵器禁止条約に批准するよう後押ししてほしい」と請願の審査の行方を見守っている。【志村一也】
 
 
核持ち込み疑惑解明を 沖縄県議会 全会一致で意見書
 しんぶん赤旗 2018年7月7日
 沖縄県議会6月定例会は6日、非核三原則の堅持と核兵器持ち込み疑惑の解明に関する意見書を全会一致で可決し、閉会しました。
 
 意見書は「沖縄への核兵器持ち込み疑惑が一層高まるとともに、県民に大きな不安と強い衝撃を与えている」とし、▽沖縄への核持ち込みを認めるとした密約文書を正式に無効とすること▽非核三原則を堅持し、沖縄への核兵器の再配備を断固として拒否すること▽核の貯蔵施設とされる辺野古弾薬庫および嘉手納弾薬庫の実態調査を行い、真相を公表すること▽核兵器禁止条約に参加し署名、批准すること―の4点を政府に求めています。
 
 今年3月、本紙や沖縄地元2紙の報道などで、米国の戦略態勢に関する議会委員会が2009年2月に在米日本国大使館関係者らに意見聴取した際、当時の秋葉剛男公使が沖縄での核貯蔵施設建設について「そうした提案は説得力がある」と発言し、沖縄への核再配備の可能性を明確に肯定したことが明らかになりました。こうした中、県民の核持ち込みに対する不安が広がっています。
 
 日本共産党の渡久地修県議が野党質疑に答弁。米国務省が今年6月に公開した外交文書で、沖縄返還の最低条件として核兵器の「緊急時の貯蔵」と「通過」の権利を求めていたことなどが明らかになってきたことを挙げ、意見書を可決することは、県民の不安解消に取り組むことになると賛同を求めました。