京都市長選挙が19日に告示され、現職の門川大作氏(69)(公明党、自民党京都府連、立憲民主党府連、国民民主党府連、社民党府連推薦)と新人の弁護士福山和人氏(58)(共産党、れいわ新選組推薦)、新人の前京都市議村山祥栄氏(41)の3人が無所属で立候補を届け出ました。事実上、門川大作氏(自公+立憲・国民・社民推薦)と福山和人氏(共産・れいわ推薦)の一騎打ちになります。
京都で自公の候補に立憲民主・国民民主などが相乗りする構図は、2018年4月の京都府知事選でもそうで、その時の結果は、
西脇隆俊氏 402,672票 自民・民進・公明・立憲・希望推薦
福山和人氏 317,617票 共産推薦
でした。
このことは野党勢力が共産党候補につけば当選したことを示しています。
京都では伝統的に共産党が強い支持基盤を有していて常に善戦しています。ところが旧民主の前原誠司衆院議員、福山哲郎参院議員の地元であるため、この二人は選挙で生き残るために反共産戦術を採用しています。
立憲民主と国民民主は今回も自公の候補に相乗りした反面、注目の「れいわ」が共産につきました。政策的に共通するところが多いのでそうあるべきだったのですが、ついに実現しました。
植草一秀氏が「与野党馴れ合いの是非問われる京都市長選」とする記事を出しました。
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与野党馴れ合いの是非問われる京都市長選
植草一秀の「知られざる真実」 2020年1月19日
京都市長選が告示された。2020政治決戦のゆくえを占う最重要の選挙になる。
この選挙の重要性は、立憲、国民、社民の国政野党が自公の国政与党と相乗りしていること、これに共産党が候補者を擁立(無所属)し、れいわ新選組が推薦を表明したことにある。
「新選組が 与野党馴れ合いを斬る 京都市長選」がテーマになる。
立憲と国民の政策路線を見ると、実は自公と連携するのが自然ではないかとの疑念が浮上する。
最大テーマが二つある。
原発稼働を認めるのか否か。
消費税率を5%から10%に引き上げたことを是認するのか否か。
「安倍政治を許さない!」と考える市民の判断は明確だ。
原発稼働は即時ゼロ以外に選択肢がない。
消費税率の5%から10%への引き上げは完全なる誤りである。
これが安倍政治打破を求める主権者の声である。
立憲と国民が主権者の支持を失っているのは、この二つの最重要政策について明確な姿勢を示さないからだ。二つの課題に明確な方針を示せないことは、自公の政策に賛同していることを意味する。そうであるなら、はっきりと自公路線支持の方針を明示した方が分かりやすい。
2018年4月の京都府知事選では
西脇隆俊氏 402,672票 自民・民進・公明・立憲・希望推薦
福山和人氏 317,617票 共産推薦
で西脇氏が当選した。
自公と対峙する野党が共闘して戦えば福山氏が当選していただろう。ところが、立憲と国民(希望)は自公推薦候補を支援した。
理由は 京都選出の前原誠司衆院議員、福山哲郎参院議員が、自分の当選のために共産党と敵対する自公と手を組んだ方が有利だと判断しているためだと見られる。
「主権者市民のための政治判断」ではなく「自分の利益だけのための政治判断」である。
「自公と馴れ合う立憲と国民」の是非について、京都市民は明確な審判を下すべきだ。
安倍自公政治を打破しようというときに、自公と連携する選択肢はない。
まして、共産党と力を合わせて国政刷新を目指そうというときに共産党と敵対して自公と手を組むという判断はありえないものだ。
自公と馴れ合う立憲・国民の政治姿勢を問うことが、京都市長選の最重要の焦点になる。
政権が変わっても政策が変わらないなら、ほとんど意味はない。私たちが求めているのは政策の刷新であって、政権変更自体ではない。
広島高裁の森一岳裁判長が愛媛県伊方原発の運転差し止めを命令した。
伊方原発は日本最大の活断層である中央構造線の真上に立地していると見られる原発である。いつでもフクシマの悲劇を再現する可能性がある。そのようなリスクを冒すことにどのような正当性があるのか。フクシマの被災者は冷酷に見捨てられている。東京五輪はフクシマ悲劇を忘却の彼方に葬るために開催されるものだ。
このような国政=安倍暴政を私たちは容認するのか。
立憲、国民所属の議員のなかにも、安倍暴政の基本路線に反対する者は存在するだろう。
それらの者は明確な政策の旗の下に結集するべきだ。これが「政策連合」であり、「有志連合」である。
「れいわ新選組」が福山和人氏の推薦を決定したことに極めて大きな意味がある。
れいわ新選組は「政策連合」を主導しようとしている。この流れを国政にも広げる必要がある。
京都市長選挙での福山和人候補の勝利が日本政治の流れを転換させる最重要の発火点になるだろう。
(以下は有料ブログのため非公開)