2020年1月30日木曜日

京都市長選で「共産党NO」の広告 内容知らなかったと推薦人ら


 京都市長選で、門川大作候補の選挙母体「未来の京都をつくる会」が、26日付の京都新聞に出した選挙広告「大切な京都に共産党の市長は『NO』」で、名前を連ねた推薦人から「事前に内容を知らなかった」などの不満が出ています。
 同会の9人の推薦人は、一般的な選挙広告に名前を載せるのは了承していましたが、今回は全面広告で「共産党の排除」を呼びかけるという異常なものなので、同会会長を除く8人は、事前の了解を求められていないとして、「共産党だからNOだとか排除するような考え方は間違い。きちんと政策を訴えないと逆効果」(中島貞夫映画監督)などと違和感を表明しています。
 同会の吉井章事務長は「あらゆる広告物に推薦人の名前と写真を使用することは事前に了承を得ている。個別の広告物についての掲載確認は以前からしていない。ただ、推薦人にご迷惑をおかけしたとするなら本意ではない」と説明しました。
 今回の広告は同会所属の全政党のメンバーが出席する会議で決めたということです
 京都新聞が報じました。

 田中龍作ジャーナルの記事を併せて紹介します。
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京都市長選で「共産党NO」広告 推薦人「事前に内容知らぬ」、
現職側選挙母体「了承得ている」
京都新聞 2020年1月29日
 京都市長選に立候補している現職の門川大作候補の選挙母体「未来の京都をつくる会」が、26日付の京都新聞に出した選挙広告で、名前を連ねた推薦人から「事前に内容を知らなかった」などとの不満が出ている。同会は「広告は市選管から事前に公選法上の問題はないとされた」としつつ、「推薦人にご迷惑をお掛けしたとするなら本意ではない」としている。
 広告は上段に「大切な京都に共産党の市長は『NO』」とし、下に同会の会長を務める日本商工連盟京都地区代表世話人の立石義雄氏(京都商工会議所会頭)を含む9人が顔写真付きで掲載されている。
 このうち28日までの京都新聞社の取材に、内容を承知していたとしたのは立石氏のみ西脇隆俊京都府知事や有馬頼底臨済宗相国寺派管長は「事前に知らなかった」とした。映画監督の中島貞夫さんは「推薦人は了承していたが、広告の掲載や文言は聞いていない。共産党だからNOだとか排除するような考え方は間違い。きちんと政策を訴えないと逆効果」と語った。
 日本画家の千住博さんは自身のホームページで「特定の党を排他するようなネガティブキャンペーンには反対。この様な活動に同意しているような意見広告に、許可なく無断で掲載されたことを大変遺憾に思います」と記す。放送作家の小山薫堂さんの事務所もネットで「事前の説明も了承もなかった」とし、堀場製作所は堀場厚会長の掲載について「広告を出すと聞いていたが、本人も秘書も内容は全く知らなかった」(経営管理部)という。

 これに対し、同会の吉井章事務長(自民党府連幹事長)は「あらゆる広告物に推薦人の名前と写真を使用することは事前に了承を得ている。個別の広告物についての掲載確認は以前からしていない。ただ、推薦人にご迷惑をおかけしたとするなら本意ではない」と説明した。広告は同会所属の全政党のメンバーが出席する会議で決めたという。
 立石氏は「会の事務局に任せていたが、本人の了承を事前に得ていないのであれば申し訳ない。会長としておわびをしないといけないと思う」と語った。
 京都新聞グループ広報担当の話 広告主の政策広告と認識しており、掲載前に審査している。本紙広告掲載基準、公職選挙法などに沿った形式で掲載している。


【京都市長選挙】福山幹事長、記者団の集中砲火はぐらかし
田中龍作ジャーナル 2020年1月28日
   【写真説明】福山幹事長。人間性が表情に現れていた。記者団の質問には答えずに門川市長の政策を誉めそやした。=28日、衆院16控室 撮影:取材班
 福山哲郎・立憲民主党幹事長の定例記者会見がきょう、国会内であった。
 自公との相乗りが批判される京都市長選挙への質問が相次いだ。
 福山幹事長は4年前、3期目を狙う門川大作氏の出陣式で「徹底的に共産党と戦う」とぶち上げた御仁だ。
 「共産党の市長にNO」。自公と立憲などが推す門川陣営が26日、京都新聞に出した意見広告は世論を騒然とさせた。
 大阪・毎日放送の記者が「(この)意見広告をどう見ているか?」と質問すると、福山幹事長は市長の実績を誉めそやし始めた。
 「地下鉄の黒字化」「待機児童ゼロの実現」「老朽化した市場の再構築」・・・「私どもは門川大作市長の市政に対して評価をして、府連として推薦を出させて頂いております」。
 そして最後につけ足しのようにして問題の意見広告に触れた。「あのような広告が出されていることについては、違和感を覚えているというのが率直な感想です」と。
   【写真説明】「立憲民主党の福山哲郎は門川大作市長をしっかりと応援していきたいと思っています」。=19日、出陣式 撮影:取材班=
 地元の京都新聞記者が「違和感を覚えたとは具体的にどういうところに?」と突っ込んだ。
 答えは福山幹事長の人間性をよく表していた―「それ以上でもそれ以下でもない。逆に京都新聞があれを審査に通したことが不思議でならない」。

 問題の意見広告をめぐっては「ヘイト」「戦前のアカ狩り」などの指摘がある。立憲は自公と共に門川陣営の一角を占めるのだ。
 福山幹事長の言い草は、殴った側が「その場を作ったオマエが悪い」と言っているのに等しい。
 政治の現場を知り抜いた古強者のジャーナリストは、共産党との野党共闘を「どう説明するのか?」「地方と中央は違うということだけで」済ますのか?と質した。
 福山幹事長は「首長というのは市民の生活を守ることが第一」と答えた。
 「であるならば、門川市長はなぜ市民の要望が強い中学校の学校給食を12年間ほったらかしにしてきたのか?」「門川市長は世界遺産の仁和寺前に大型ホテルを建てようとするのか?」-田中はこう質問した。
 福山幹事長はまたしても、首を傾げたくなるような門川市長の実績を並べ立てた。そして「トータルでやってきたことを評価せずに(給食とホテル建設を)議論するのは乱暴な質問」と切り返してきた。
 記者会見後、京都新聞の記者は「不誠実ですね」と顔をしかめた。
   【写真説明】いくらでも数字をいじれる『待機児童ゼロ』を門川市長の実績として評価し「政策はトータルなんですよね」とうそぶいた。=28日、衆院16控室 撮影:取材班=
~終わり~
立憲民主が自民の補完勢力であることは、京都市長選挙ひとつ見ても明らかです。
田中は権力監視の一環として立憲を取材しています。
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