2020年1月2日木曜日

連合政権へ本気示す年 市民と野党の共闘 より高みへ(しんぶん赤旗)

 しんぶん赤旗が元日号に「連合政権へ本気示す年 市民と野党の共闘 より高みへ」とする「20年 政局展望」を載せました。

 安倍首相は、臨時国会閉会の記者会見で「来る通常国会の憲法審査会で、与野党の枠を超えた議論を通じ、憲法改正原案の策定を加速させたい」「憲法改正を、私の手で成し遂げたい」と改憲への執念をむき出しにする一方で、「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、解散・総選挙を断行することに躊躇はない」と野党への恫喝も忘れませんでした。
 しかし自分自身に降りかかる「桜を見る会」問題などで支持率が急落し党内の求心力も低下している中では、とてもそんな雰囲気ではありません。
 しかし、これまで安倍内閣支持率「下がっても、また上がる」という上下運動を繰り返してきた根本には、安倍政治に代わる新たな政治の受け皿の「不在」という政治状況があったわけで、安倍首相らはやがては支持率が回復すると期待しているので、それを再現させないためには、何よりも野党が連合政権づくりへ向けた話し合いを始め、政権を担う「本気」と希望ある政治の姿を示すことがどうしても必要であるとしています。

 最終の節では114日から開かれる28共産党大会に触れて、中国の覇権主義的行動や人権抑圧の実態をふまえそれを批判的克服する努力重要であるとしつつ、強大な党建設の新たな前進を土台に、野党連合政権樹立への壮大な展望を切り開く1年になると展望しています

 党大会に出される決議案等の詳細は下記で読むことが出来ます。

日本共産党第28回大会議案/第一決議案(政治任務)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-07/2019110707_01_0.html 
日本共産党第28回大会議案/第二決議案(党建設)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-07/2019110710_01_0.html 
日本共産党第28回大会議案/日本共産党綱領一部改定案
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-06/2019110614_01_0.html 
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20年 政局展望 連合政権へ本気示す年 市民と野党の共闘 より高みへ
しんぶん赤旗 2020年1月1
 首相主催の「桜を見る会」疑惑が安倍晋三首相を直撃し、昨年12月9日の臨時国会閉会後も、内閣支持率が急落を続ける中の年明けです。国会閉会中にも続けられた野党の調査で、桜を見る会への招待状に付された区分番号「60」が、2005年の行政文書でも「首相推薦枠」であったことが判明。悪徳マルチ企業「ジャパンライフ」の会長が安倍首相によって招待された疑いがますます濃厚になっています。
 さらに昨年末25日には、カジノを中核とする統合型リゾート(IR)事業をめぐり、自民党の秋元司衆院議員・元内閣府副大臣(IR担当)が収賄容疑で逮捕されるという重大事件が発生。他の自民党議員事務所にも捜索が入り、政界は騒然となっています。
 安倍政権が「成長戦略の目玉」などと位置づけ、国民の厳しい批判を全く無視して強行したカジノ解禁が引き起こした重大な汚職疑惑です。政策の根本的見直しを含め、カジノ利権の闇の徹底解明の責任が政権与党に問われます。

不透明性増す
 20日に召集予定の通常国会では、予算委員会で全野党による結束した首相への追及が再開されます。安倍首相による政治の私物化の実態解明と対策は、まともな政治を取り戻すための国民的な緊急課題となっています。
 他方、安倍首相は、臨時国会閉会の記者会見(昨年12月9日)で「来る通常国会の憲法審査会で、与野党の枠を超えた議論を通じ、憲法改正原案の策定を加速させたい」「憲法改正を、私の手で成し遂げたい」と改憲への執念をむき出しにしました。また、「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、解散・総選挙を断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」とも語りました。
 こうした発言を受け、メディアや永田町関係者の間では、改憲と解散・総選挙が今年の政局の焦点となるとの見方が支配的でしたが、「とてもそれどころではない」という空気が急速に強まっています。

 首相任期が来年9月に迫るなか、相次ぐ重大疑惑の発生で首相の政治的求心力が低下。自民党内では「ポスト安倍」への動きも始まりつつあります。4国会連続で改憲案提示ができないなど、改憲戦略はすでに大きく追い込まれています。まさに政治、政局は流動化し、不透明性を増しています。しかし、来年秋までに総選挙がやってくる可能性は濃厚で、さまざまな思惑が交錯します。

支持上下の元
 「改憲を成し遂げるという首相の発言は、本心だ。ただ、そう言わざるを得ない面がある」。こう語るのは自民党の日本会議議連関係者の一人です。「現実には改憲は全く動いていない。発言をトーンダウンさせたら本当に動かなくなる。旗は強く持っておかなければならないし、もっと高く掲げておかなければならない」と語ります。
 また改憲派議員の一人は「首相は本気で(改憲を)やるつもりだ。ただ、どうやって進めるかというと明確なものはない」と述べます。
 早期の解散・総選挙については「政権浮揚、改憲推進の切り札だが、首相への強い不信があるいま、選挙を行って議席を減らせば、改憲も難しくなり、そうなれば安倍政権も終わりだ。簡単にはできない」という声も漏れます。
 他方、別の自民議員は「支持率が低下しても、やがて上がるのが安倍政権の強みだ。それは野党が弱いから。野党が共闘でまとまりきれるか。この点で共産党がカギを握る」と緊張感を見せました。
 安保法制=戦争法の強行をはじめ、安倍首相による立憲主義の破壊に対して、立場を超えた市民と野党の共闘が発展し、安倍首相を追い詰めてきました。
 「下がっても、また上がる」という安倍内閣支持率の“らせん運動”の根本には、国民からみて、安倍政治に代わる新たな政治の受け皿の「不在」という政治状況があります

政権協議必須
 市民と野党の共闘が、その受け皿としてバージョンアップするために、共通政策の発展と同時に、野党が連合政権づくりへ向けた話し合いを始め、政権を担う「本気」と、希望ある政治の姿を示すことがどうしても必要です。
 日本共産党は、安倍政治転換の三つの方向として、(1)憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する (2)格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治にきりかえる (3)多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く―ことを提案し、連合政権を築こうと呼びかけ。志位和夫委員長は昨年12月、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表と相次いで会談し、政権問題での重要な合意を新たに積み上げました。
 その背景には、(1)各地の草の根の共同の発展 (2)国会での野党共闘の発展 (3)埼玉や岩手県知事選での共闘の勝利や高知県知事選でのオール野党共闘の画期的発展があります。
 2月2日投票の京都市長選では、オール与党体制を打ち破り、福山和人候補勝利で99%の市民のための市政を取り戻そうと、市民と日本共産党との協力が大きく前進。れいわ新選組も年末に推薦を決め、勝利へ向けまい進しています。

歴史的党大会
 日本共産党は1月14日から第28回党大会を開きます。
 綱領の一部改定案は、世界情勢論をめぐり、植民地支配の崩壊をはじめ20世紀に起こった世界の構造変化が21世紀に生きた力を発揮し始めている流れを正面からとらえることをはじめ、21世紀の世界の発展的展望を新たに示しています。また、社会主義をめざす新たな探究が開始され、世界史の重要な流れとなっているとの従来の認識について、中国の覇権主義的行動や人権抑圧の実態をふまえ「根拠はなくなった」と判断その批判的克服の努力の重要性、発達した資本主義国での変革の事業の決定的役割を明らかにしています

 政治任務を明らかにした決議案では、共闘を発展させ野党連合政権を樹立することと、日本共産党の躍進という「二つの大仕事」への取り組みを掲げています。
 また「党建設」の決議案を独自に提案し、内外情勢が求める党の重大な任務に照らし、党建設の現状ではその責任を果たせないと率直に提起。党建設でも危機と同時に前進する客観的条件と主体的力があることを明らかにし、前進への転機を必ず切り開くことを呼びかけています。
 党大会では、これらの議案を豊かな討論でねりあげ決定するとともに、その実行の先頭に立つ新しい中央委員会を選出します。
 この歴史的党大会を、必ず党の増勢で迎え、歴史的な成功を勝ち取ろうと、全党は大奮闘しながら新年を迎えています。
 強大な党建設の新たな前進を土台に、野党連合政権樹立への壮大な展望を切り開く1年です。