2020年1月16日木曜日

日本の司法は「自白制度」だと国際人権団体が

 国際人権非政府組織(NGO)のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)14日、世界各国の人権問題をまとめた年次報告を公表し日本についてはゴーン被告の事件で注目された「人質司法」とも呼ばれる刑事手続きの課題などを取り上げました。
 報告では容疑者を逮捕から最長23日間拘束し、取り調べの際に弁護士の同席を認めていない現状に触れ逮捕から108日後に保釈されたゴーン被告については他の類似事件より早く、明らかに国際的な批判を受けたためだ」との見方を示しました。そしてHRWのケネス・ロス代表は「日本は司法制度ではなく、自白制度だ」と批判したということです

 検察における取調べの仕組みが世界の標準から著しく外れているのは明白で、少なくとも10数年来国連の拷問禁止委員会からそのことを指摘されているにもかかわらず、日本は全く改めようとしません。罪を認めるまでは釈放しないという「人質司法」が検察の『成績』を上げるうえでは有効であっても、被疑者に対してはこれ以上ないほどの人権侵害です。そんな仕組みになぜ法曹である検察がいまだにしがみついているのでしょうか。
 そしてどう考えても人権侵害が明瞭なこの制度を、検察に掣肘されている日本のメディアが全く批判しないということ自体、日本の人権上の後進性を示すものです。

 東京新聞の記事を紹介します。
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日本司法は「自白制度」 国際人権団体 ゴーン被告巡り
東京新聞 2020年1月15日
 【ニューヨーク=赤川肇】国際人権非政府組織(NGO)のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW、米ニューヨーク)は十四日、世界各国の人権問題をまとめた年次報告を公表した。日本については、日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(65)の事件で国際的に注目された「人質司法」とも呼ばれる刑事手続きの課題などを取り上げた。
 報告では、人質司法を「自白を強いるために容疑者を長期間、厳しい環境下で勾留する」と、容疑者を逮捕から最長二十三日間拘束し、取り調べの際に弁護士の同席を認めていない現状に触れた。逮捕から百八日後に保釈が認められたゴーン被告については「他の類似事件より早く、明らかに国際的な批判を受けたためだ」との見方を示した。

 ニューヨークの国連本部で記者会見したHRWのケネス・ロス代表は「逃亡を擁護するつもりはないが、ゴーン事件は日本の刑事司法が容疑者に自白させるために強いる大きな圧力を示した。司法制度ではなく、自白制度だ」と批判した。
 日本についてはベトナムやカンボジアの人権問題、ミャンマーで迫害を受けたイスラム教徒少数民族ロヒンギャの問題に対する消極的な姿勢も指摘している。

 このほか報告は「世界の人権に対する中国の脅威」を特集。中国政府による少数民族ウイグル族の弾圧などを例に、習近平国家主席らが体制を維持する上で人権を「脅威」と見なして抑圧や監視を強めていると指摘。「中国は単なる新興大国ではなく、国際人権制度を脅かす存在だ」と警鐘を鳴らしている。