2020年1月30日木曜日

予算委で 逃げ・はぐらかしの首相答弁が再々・・・演

 27日から予算委員会での質疑応答が始まりましたが、今回もまた見飽きたというか見るに堪えない情景が繰り広げられています。

 毎日新聞29日の社説(以下同じ)で
首相の無理な説明に合わせようとするから政府の公文書管理がゆがんでいく。管理すべき招待者名簿を廃棄するのも問題だが、コンピューターに残る作業履歴の確認すら拒むのは異常だ。誰を招待したのか、名簿を本当に捨てたのかの議論の繰り返しにはうんざりするが、(官邸は)泥仕合に持ち込んで、政権の不祥事をうやむやにしようとしているのではないか。自ら真相を説明しようとしない首相の姿勢が混乱を広げている」と述べています。 ⇒ 安倍首相の予算委答弁 本人が混乱を広げている (毎日新聞

 東京新聞は、
安倍首相は野党の質問に正面から答えようとはせず、自らを正当化したり、要求を突っぱねたりした。不誠実な答弁をいつまで続けるのか。首相は「堂々と政策論争を行いたい」と語り、疑惑追及に注力する野党を批判するが、政権がうそをついたり、隠しごとをせず、正しい情報を国民の代表である国会に示すことが前提になる」と述べています。
   ⇒ 予算委員会 不誠実な答弁いつまで (東京新聞

 北海道新聞は、
質問の論点をそらし、同じ答弁を繰り返す。資料提供や事実関係の調査の要求は拒否する。安倍首相はまた逃げ一辺倒の答弁に終始している。首相は先週国民に不祥事続発を陳謝した。ならば信頼回復のために率先して疑念を晴らすべきなのに、その姿勢が全く見えない。世論調査で多くの国民が首相の説明に納得できないと答えているのに、ゼロ回答の連発では疑念が深まるばかりである」と述べています。
   ⇒ 予算委首相答弁 逃げ一辺倒 疑念晴れぬ (北海道新聞

 またブログでは、「募っている」と「募集する」が同じであることを知らなかった首相の知的レベルの低さについて「まるこ姫」が、「Twitterで大喜利状態にある」と揶揄しています。まことに『森羅万象』を担当しているとはとても思えない話です。

 日刊ゲンダイが 「はぐらかしの安倍首相 反省なしの“常習犯”は必ずまたやる」という記事を出しました。我々が見せつけられるのはまさに「反省なしの“常習犯”」による「三文芝居」なのですが、それはまた恥を知らない人間の演じる「悲劇」でもあります。
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はぐらかしの安倍首相 反省なしの“常習犯”は必ずまたやる
日刊ゲンダイ 2020/01/28 
 国民はこの不毛なやりとりを一体、いつまで見続けさせられるのか。衆院予算委は27日、安倍首相と全閣僚が出席して2019年度補正予算案に関する基本的質疑を行い、実質審議入りした。

「国民の厳しい声や批判を受け止め、一層身を引き締めていかなければならない」
 与党・公明党の国重議員が、不祥事が相次ぐ政権の姿勢をただすと、安倍はこう声を張り上げていたが、その後の野党議員の質問に対しては、これまでの国会答弁と同様に相変わらずノラリクラリ。国民の厳しい声や批判を受け止めている様子もなければ、真摯に反省しているそぶりは一切なかった。例えば、野党共同会派の江田議員が取り上げた総理主催の「桜を見る会」の問題。安倍がこの問題で予算委の答弁に立ったのは昨年11月8日以来で、江田議員は、過去の橋本政権や小泉政権は「桜を見る会」に後援会関係者などは招待していなかった、と指摘した上で、800人に上る後援会関係者を招待していた安倍の認識について質問。すると、安倍は「招待基準が曖昧だった」などとごまかしつつ、「歴代内閣でも地元の方々の出席はあった。他の(首相の)時にひとりも呼んでいなくて、私の時に増えたということではない」などと反論していたからアングリだ。

 多額の税金を使った公の催しを安倍が私物化していたのではないか、と疑われているのだから、否定するのであれば具体的な論拠を示して理路整然と説明して理解を得るのが筋だ。それなのに「悪いのは俺だけじゃないよ」と言わんばかり。散々繰り返してきた「国会から求められれば、出て行って説明するのは当然」との発言は何だったのか。

議会制民主主義を総理自らが破壊している
 昨年の参院選で自民党の河井克行前法相夫妻の政党支部に計1億5000万円が党本部から振り込まれたことについても、安倍は「私は今、総理大臣としてここに立っていますので、自民党総裁として答弁しなければならないかというと、そうではない」「自民党の政治活動について首相の立場で答えるのは控えたい」と“答弁拒否”だ。

 総理大臣という行政府の長が憲法改正の必要性を訴えているくせに、ご都合主義もいいところだ。自分が言いたいことであれば総理の立場であっても発言し、都合が悪い内容は、「総理だから」と逃げる。便利な使い分けである。
 27日の予算委では「答弁を差し控えたい」という言葉も度々、見られたが、「桜を見る会」の問題では、共同通信の世論調査で国民の9割近くが「十分説明していると思わない」と回答している。つまり、安倍には答弁を差し控える理屈はないのに、こんな態度だからふざけている。

 閣僚席に座る他の大臣の姿もまた酷いもの。寝たり、質問に立つ野党議員をニタニタ眺めたり。官僚は答弁をはぐらかし、与党議員の席からは平気で下劣なヤジが飛ぶ。国権の最高機関である国会は一体、いつからこんな学級崩壊状態に陥ったのか。衆院事務局に30年間勤め、議会政治に精通している元参院議員の平野貞夫氏がこう言う。
政府には答弁義務があるのに全く答えない。不誠実どころではなく、議会制民主主義を総理大臣自らが破壊しようとしているとしか思えません

安倍の頭には政治理念に不可欠な「公平中立」という言葉はない
<政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない>

<全国民の代表として、全体の利益の実現をめざして行動することを本旨とし、特定の利益の実現を求めて公共の利益をそこなうことがないよう努めなければならない>

<政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない>


 前出の平野氏が原案を作り、85年に衆参両院で議決された「政治倫理綱領」にはこう書いてあるが、おそらく安倍は綱領自体を知らないに違いない。今の安倍政権がやっていることは綱領と真逆のことばかりだからだ。
「国会を冒涜し、国民を愚弄している安倍政権を追及するには今の野党議員がやっているような検察官のマネ事では逃げられてしまう。安倍政権が問われている根本の問題は政治姿勢であり、まずは政治倫理綱領を唱えさせ、どう思うのかを聞き、綱領に反している、と畳みかけるべき。相手は犯罪まがいの不正の限りを尽くしている悪辣政権なのです。真正面からぶつかっても暖簾に腕押しになるだけです」(平野貞夫氏=前出)

アベ政治は裏切りと報復が渦巻くマフィア社会
「同じ質問だから同じ答弁」
 説明責任を全く果たそうとしない安倍発言の中でも、とりわけ酷かったのがこの言葉だった。
 これでは、いつまで経っても質問と答弁はかみ合わないだろう。議論をする必要はないと断言しているようなものだ。高千穂大の五野井郁夫教授(国際政治学)がこう言う。
「これほど常識外れの答弁はなく、野党も国民もなめ切った、まさに慢心を象徴する言葉だったと思います。安倍政権はモリカケ問題で逃げ切れた、という“成功体験”があるのでしょう。国会中継を見る限り、このままだと、どんな悪事をはたらいても構わないと開き直り、悪政がどんどん酷くなる可能性があります」

 安倍の政治姿勢は「今だけ」「自分だけ」「カネだけ」の自分ファースト。森友疑惑や加計学園の獣医学部新設問題でも“お友達”優遇が国会で問題視されたが、その最中に行われた「桜を見る会」でも地元後援者ばかりを招待していた。
 要するに何ら反省していなかったことが分かったワケだが、“お友達”を優遇する一方で、歯向かう者は徹底的に潰すのも悪辣政権の特徴。27日の答弁で安倍が明確に答える場面は数えるほどしかなかったが、そのひとつが河井案里参院議員の選挙をめぐる問題で、党総裁としての関与を問われ、「私の秘書が私の指示によって広島に応援に入った」と認めたことだった。
 参院選で案里議員とともに自民党候補として出馬したのは、落選した溝手顕正元防災担当相。溝手は第1次安倍政権が07年の参院選で大敗した際、安倍の責任を厳しく追及。
 さらに野党に下野した際は、安倍を「過去の人」と切り捨てた人物だ。つまり、案里優遇は溝手憎しの裏返しだったワケで、まるで裏切りと報復が渦巻くマフィア社会のようだ。
 安倍の頭には政治理念に不可欠な「公平中立」なんて言葉はないのは明々白々。仮に「他にないから」という諦めの消極的理由であったとしても、内閣支持率がこのまま横ばいであれば今の政治情勢は“公金ドロボーの常習者”にとっては犯罪天国だろう。確信犯をこれ以上、のさばらせたらダメだ。