2020年1月12日日曜日

対イラン戦勃発の鍵はイスラエルに 抑止できるのはプーチンと


 Paul Craig Roberts氏は、これまでもプーチンに対してトランプの暴挙に対抗する行動を、あるいは言動を何故取らないのかと糺す記事を度々発表してきましたが、プーチンは一度も実行しませんでした(尤も彼が記事を読んでいたかどうかは分かりませんが)。

  Roberts氏は、いまやアメリカ政府はイスラエル(ネタニヤフが望む時いつでもイラン攻撃の口火を切れる(第三次世界大戦を開始できる)「権力」を彼らに与えているとしてそれに対抗できるのはプーチンしかいないと述べています。
 戦争を阻止する唯一の方法は、プーチンが、決定権をイスラエルの手から奪うことで、ロシアやイラン、それに参加するだろう他のあらゆる国々で防衛同盟を構成することであるとしています。 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
信用失墜したアメリカ指導部 - 新指導者は名乗り出るだろうか?
マスコミに載らない海外記事 2020年1月11日 
Paul Craig Roberts 2020年1月7日
 今朝(1月7日)国務長官として我々が悩まされている厄介もの、ポンペオが、テレビでイランと「対決して、封じ込める」と約束した。(大した戦歴のない)政治家将軍が、諜報情報を見たが、ソレイマーニー暗殺が攻撃を止めたのは確かだったと宣言する特集だった。もしこの将軍がそのような「諜報情報」を見ているのであれば、それは望ましい結果を産み出すためにでっちあげられた諜報情報だ。ともあれ、ソレイマーニー暗殺は、犯罪で、戦争行為だった。前日、オバマは彼らをなだめることで、イランを大胆にしてしまったので、トランプは、更に何人かイラン人指導者を殺さなければならないかもしれないとポンペオは示唆していた。これはポンペオによるもう一つのぬれぎぬに過ぎない。オバマは、イランが武器に必要なまでにはウランを濃縮しない合意を受け入れていた。検査官たちが、イランが合意を遵守しているのを確かめている。

 イスラエルの代理人やネオコンに後押しされて、合意を破り、次々威嚇し、イランとの紛争を再開したのはトランプだった。
https://www.paulcraigroberts.org/2020/01/06/putin-should-take-control-of-the-iranian-situation-out-of-israels-hands/本語訳)とhttps://www.paulcraigroberts.org/2020/01/04/putins-hour-is-at-hand/日本語訳)で私が指摘したように、これだけ脅威が揃っているのだから、イスラエルと、そのネオコン代理人は、イランのせいにする偽旗攻撃をするだけで良いのだ。イスラエルがアメリカに対イラン戦争をさせたがっており、ネオコンがアメリカに対イラン戦争をさせたがっており、ポンペオとペンスが、自己本位に世界の終わりを望む、天国まで浮上できる携挙を待つ福音主義信者で、トランプ支持者が、イランを敵テロリストと見なすよう洗脳されているので、ネタニヤフが望む時いつでも、イスラエルは第三次世界大戦を開始できるのだ。

 トランプやポンペオ、政治家将軍、福音主義信者や売女マスコミは、アメリカ政府、米軍、キリスト教の信用を落とし、同時に、アメリカ合州国に戦争をさせる権力、イスラエルにとって使わないのは困難な権力をイスラエルに与えているのだ。
 戦争を阻止する唯一の方法は、プーチンが、この状況の支配権をイスラエルの手から奪うことだ。プーチンは、ロシアやイランや、参加するだろう他のあらゆる国々で防衛同盟を構成することで、それができるのだ。対イラン攻撃が、対ロシア攻撃とまったく同義同となった途端、状態はすぐに静まるだろう。
 戦争が目前に迫っている状態で、一部の人々は、同盟は戦争を起こすという理由で、この予防措置を拒絶する。今回の場合、戦争を起こそうとしているのはイスラエルとネオコンの同盟だ。解決策は、戦争屋を正気に返らせるような、拮抗する同盟だ。危険な戦争が大いに起きそうになっているのは、拮抗力が欠如しているからだ。

 実際、プーチン次第だ。もし戦争が起きれば、ロシアは、いずれにせよ引きずり込まれるだろう。ロシアにとっては、プーチンがリーダーシップを発揮し、戦争を妨ぐのが最善だ。決断の時が間近に迫った際、プーチンが行動し損ねれば、彼も差し迫っている戦争に対する責任を負うことになろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。