森雅子法相の「ゴーン被告は司法の場で無罪を証明すべきだ」という問題発言に対して、ゴーン氏代理人弁護士も10日、「有罪を証明するのは検察であり、無罪を証明するのは被告ではない。ただ、あなたの国の司法制度はこうした原則を無視しているのだから、あなたが間違えたのは理解できる」などと、皮肉を込めた声明を発表したということです。そして「近代的で先進的な国に、罪のない人を人質にするような時代遅れな制度は似合わない。それを廃止するのはあなたの責任だ」と森氏に呼びかけたということです。
毎日新聞がさらっと報じました。こういう報道スタイルなら検察も文句は言えないだろうという訳です(^○^)。
取り分け経済事犯では判決で確定するまでは被疑者は犯罪人ではない、というごく当たり前の事実をメディア側も改めて自覚すべきです。
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「時代遅れな司法制度、廃止するのはあなた」
ゴーン被告弁護士が声明 森法相発言に
毎日新聞 2020年1月11日
保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)=会社法違反(特別背任)などで起訴=の代理人弁護士は10日、森雅子法相が「ゴーン被告は司法の場で無罪を証明すべきだ」と発言したことについて声明を発表し、「有罪を証明するのは検察であり、無罪を証明するのは被告ではない。ただ、あなたの国の司法制度はこうした原則を無視しているのだから、あなたが間違えたのは理解できる」などと皮肉を込めて批判した。
この代理人弁護士は、フランスの元人権担当大使のフランソワ・ジムレ氏。声明で、ジムレ氏は「世界人権宣言が採択されて以降、推定無罪や(被告の)尊厳の尊重、自己弁護の権利は公正な裁判における重要な要素だ」と指摘。「国連や主要なNGOは、日本の司法制度を『人質司法』と見なしている」とした上で「日本は、称賛されるべき近代的で先進的な国だ。罪のない人を人質にするような、時代遅れな制度は似合わない。それを廃止するのはあなたの責任だ」と森氏に呼びかけた。
ゴーン被告は日本時間8日夜からレバノンで記者会見し、日本の司法制度を批判するなどした。森氏はこれを受けて9日未明に記者会見。「潔白というなら司法の場で無罪を証明すべきだ」とした発言には日本国内でも批判が相次ぎ、同日夕に自身のツイッターで訂正。「無罪の『主張』と言うところを『証明』と間違えた。無罪推定の原則は重要で、日本の司法もこの原則を順守している」と釈明した。【ニューヨーク隅俊之】