トランプ米大統領の就任3年に合わせ、「女性の権利は人権」と掲げる「女性の行進」が18日、首都ワシントンをはじめニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど、全米250カ所以上で行われました。女性蔑視のトランプ氏就任に抗議して始まった同行進は、今回で4回目です。
ホワイトハウス近くの「自由の広場」には数千人が集結しました。
それとは別に、イランとの緊張がピークに達していた9日には、ワシントンやニューヨーク、サンフランシスコなど全米各地370カ所以上でイランとの戦争に反対するデモが行われました。
二つのニュースを紹介します。
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“トランプ氏落選を” 全米250カ所超 「女性の行進」
しんぶん赤旗 2020年1月20日
【ワシントン=池田晋】トランプ米大統領の就任3年に合わせ、「女性の権利は人権」と掲げる「女性の行進」が18日、首都ワシントンをはじめニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなど、主催者発表で全米250カ所以上で行われました。女性蔑視のトランプ氏就任に抗議して始まった同行進は、今回で4年連続。参加者は秋に大統領選のある今年こそ政治を変えようと声をあげました。
首都ワシントンではホワイトハウス近くの「自由の広場」で集会を開き、数千人が集結。「女の子が手にしたいのは基本的人権」と女性の権利擁護を訴えるカードをもった人だけでなく、「女性の居場所はホワイトハウス」と女性大統領の誕生を求める人も。雪がちらつく中、ホワイトハウス周辺を行進しました。
首都圏の大学に通うケニャータ・トーマスさん(19・女性)は今年初めて参加。大統領選に自分の票を投じるのが楽しみで、「この行進が今年の大統領選の結果に影響を及ぼすと信じている」と話しました。
ページ・アームストロングさん(23・女性)は、今年最大の目標は「トランプを落選させること」と強調。「そのためには戸別訪問でも何でもするつもり」と民主党の進歩派候補を応援する決意を語りました。
ペンシルベニア州から参加したガナ・ベイツさん(57)は、「女性の権利だけでなく、すべての人の権利を擁護したい」と参加した理由を説明。大統領選ではトランプ氏が進めてきた国の分断を癒やす候補に勝ってほしいと話しました。
「ここに来たのは女性そして移民の権利のため」と話す10歳と15歳の娘2人を連れたジョアンナさん(43)は、親がフィリピン、夫がコロンビアからの移民。「私の娘の一番の心配事は今の大統領が気候変動を信じていないこと。もっといい国・指導者が必要だから、とても大事な年だ」と話しました。
18日、ワシントン市内の「女性の行進」に参加する人たち(池田晋撮影)
イランとの戦争反対 全米370カ所デモ
しんぶん赤旗 2020年1月11日
【ワシントン=池田晋】トランプ米政権がイラン司令官殺害後の緊張激化で軍事衝突の瀬戸際を一進一退する中、全米各地で9日、再びイランとの戦争に反対するデモが広がりました。主催団体の発表によると、デモが行われたのはワシントンやニューヨーク、サンフランシスコといった主要都市を含む370カ所以上です。
行動を呼び掛けた反戦連合体の「ノー・イラン戦争」は声明で、「戦争反対の私たちの声こそ多数派だ。団結して立ち上がり、トランプの対イラン戦争に反対する」と表明しました。
米メディアによると、フィラデルフィアでは、「戦争反対! トランプ阻止!」などと書かれたカードを掲げた市民100人以上が中心部を行進しました。
首都ワシントンでは、トランプ氏の対イラン軍事行動を制約する決議案の議論まっただ中の連邦議会前で集会が開かれ、数百人が集結。進歩派議員らが議会での戦争阻止策を報告し、参加者らは「ノー戦争! イエス平和!」と唱和で応じました。
イスラム教徒女性として初当選したイルハン・オマル下院議員は、合衆国憲法は本来戦争の着手を困難にしており、「だからこそ議会のみが宣戦布告の権限をもつ」と指摘。「今日、議会は憲法上の権限を行使する。『イランとの戦争は反対』と声高に明瞭に言うためだ」と話しました。