2020年1月21日火曜日

世界の富裕層上位2100人が最貧困層46億人より多くの資産

 日本の大企業は456兆円という過去最高の内部留保をため込んでいます。
 その一方で、日本の1人当たり可処分所得は年間245万円(中央値、2015年現在)で、1997年からの20年間で52万円も下落しました。いわゆる「失われた20年」です。
 このように全体的に貧困化している中で格差が増大していて、日本の貧困率は、ユニセフの調査によるとOECD加盟41カ国と比較してワースト8位です。
  * 日本がはまり込んだ深刻な貧富格差の現実 所得格差のレベルは先進国でワースト8位(東洋経済オンライン1月22日号https://toyokeizai.net/articles/-/260891

 また日本の富豪上位40人が保有する資産総額は2015年時点で159兆円にのぼり、その40人が持つ資産はアベノミクスが実行された3年間で22倍に急増しています。
 この40人の資産総額は、日本の全世帯の下から約53%が保有する資産に匹敵するもので、日本はいまや米国を超える「超格差社会」となりつつあるということです。(アジア太平洋資料センター共同代表・内田聖子氏)
 この事態は安倍政権が続く限り改善されることはありません。

 国際非政府組織(NGO)オックスファムは20日、スイスで年次会議「ダボス会議」が開かれるのを前に報告書を出し、世界の富豪上位2153人が2019年に独占した資産は、最貧困層46億人が持つ資産を上回ったと指摘しました。世界の超富裕層8の資産は実に下位36億人の資産同じということです。(  * 
 ニューズウィークの記事を紹介します。
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世界の富裕層上位2100人が最貧困層46億人より多くの資産を独占
ニューズウィーク 2020年1月20日
国際非政府組織(NGO)オックスファムは20日、スイスで年次会議「ダボス会議」が開かれるのを前に報告書を出し、世界の富豪上位2153人が2019年に独占した資産は、最貧困層46億人が持つ資産を上回ったと指摘した。

また、世界の女性による毎日の労働のうち、無報酬、あるいは正当に評価されない労働の総時間は125億時間に上ると推計した。
女性の無報酬労働による世界の国内総生産(GDP)に対する年間押し上げ効果は10兆8000億ドル以上で、IT業界の3倍以上だとした。

オックスファム・インディアのアミタブ・ベハール最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで「経済の隠れたけん引役は実際は、女性が無報酬で行っている(他人の)ケアであることを強調する必要がある。この状況は変わるべきだ」と述べた。
同氏は、世界の貧富の格差を是正するため、各国の政府は先ず、富裕層による納税を徹底させたうえで、税収を使ってきれいな水の確保や医療サービスの充実、教育機関の質向上に取り組むべきだと述べた。

「世界では30カ国以上でデモが起きている。デモ参加者は格差を受け入れるつもりはない、現在の状況下で暮らしたくないと訴えている」と語った。
[ナイロビ 20日 ロイター]