2020年1月24日金曜日

河井案里議員の違法選挙は安倍首相ぐるみ ~ (LITERA)

 23日発売の「週刊文春」(文藝春秋)スクープ記事タイトル「秘書4人派遣安倍丸抱えで公選法違反 河井夫妻買収原資は安倍マネー1億5千万円だった 入出金記録LINE入手」で、昨年の参院選で広島選挙区で新人として立候補した河井案里陣営に、自民党本部から4月~6月の短期間に5回に分けて合計1億5000万円が振り込まれたと報じました。
 因みに自党候補に自民党が支給する選挙費は1500万円(公認料500万円、選挙対策費1000万円)と決まっていて、上述の破格な額の支給を決められるのは安倍首相か菅官房長官しかいないということです(案里氏のケースは安倍氏が決めたと見られます)。

 同選挙区には参院自民党の重鎮・溝手顕正氏が連続5選を果たしているのですが、たまたま「2人区」であったので、自民で当選を独占するというのが、安倍首相が河井案里氏を新たに立候補させた言い分でした。しかし本当の狙いは溝手顕正氏を落選させることで、結果は現職の森本真治氏(立民・国民など推薦)と河井案里氏が当選し(溝手氏は僅差で3位)その目的を達成したのでした。
 溝手氏がそんな仕打ちをされたのは、第一次安倍政権時の2007年参院選で自民が大敗した際に安倍首相の責任に言及しさらにその後下野した時代には「安倍氏は過去の人」と発言したからでした。安倍首相が10数年前 あるいはそれ以上前のことであっても、自分を批判した人間を決して許さないことは有名な話で、東大出の元警察官僚:平沢勝栄氏がいまだに党内でうだつが上がらないのは、学生時代に家庭教師として晋三氏を厳しく指導したせいだと言われています。(^○^)

 選挙中、安倍首相は、案里氏を当選させるために(溝手氏を落選させるために)自分が応援に駆け付けただけでなく、自分の地元事務所の筆頭秘書をはじめとする少なくとも4人の秘書を選対として広島入りさせていたということです。
 そこまであからさまに肩入れし且つ自民党の基準額の10倍もの選挙資金を投入したのですから、河井案里陣営がその資金を生かすために選挙違反に走った(走らざるを得なかった)のは必然であったように思われます。
 安倍首相ぐるみ違法選挙の疑いが濃厚です。 
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河井克行前法相と案里議員の違法選挙は安倍首相ぐるみだった!
案里議員選挙に異例の1億5千万円投入、選対に安倍秘書を送り込み
LITERA 2020.01.23
 昨日おこなわれた代表質問で、河井案里議員および河井克行・前法相の選挙法違反">公職選挙法違反疑惑を問われると、「私が任命した大臣が辞任したことは国民のみなさまに大変申し訳なく、責任を痛感している」と従来どおりの説明に終わった安倍首相。だが、任命責任だけでは済まない事態に発展しそうだ。
 というのも、本日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が河井議員夫妻についてスクープ記事を掲載。そこではこんな衝撃的なタイトルが掲げられている。
秘書4人派遣「安倍丸抱え」で公選法違反 河井夫妻「買収」原資は安倍マネー1億5千万円だった 入出金記録LINE入手」
 今回、「週刊文春」は、公選法違反疑惑が持ち上がった昨年の参院選における河井夫妻それぞれが代表を務める党支部への“入出金記録”を入手。そこには、自民党本部から案里氏が代表を務める自民党広島県参議員第七選挙区支部に4月15日〜6月10日のあいだに計3回にわたって合計7500万円が、克行氏が代表の自民党広島県第三選挙区支部にも6月10日、27日に2回に分けて同じく計7500万円、ふたり合わせて合計1億5000万円が振り込まれていたことが示されていたという。そして、克行氏が代表の党支部に振り込まれた分は30万円を残したかたちで案里氏が代表の党支部に移し替えていたことを示すLINEのやりとりも「週刊文春」は入手している。
 現在、車上運動員に対して法定上限額を超える日当を支払っていた疑惑によって強制捜査が入っている状態だが、その案里氏の選挙に、安倍自民党は約1億5000万円もの大金を注ぎ込んでいたのである。

「週刊文春」も言及しているが、2016年の参院選の政治資金収支報告書を確認すると、党本部が各支部に対して投下した金額は多くが1500万円。もっとも選挙資金が注ぎ込まれた激戦区の沖縄では1500万円に加えて沖縄県連を通し1億1000万円がプラスされているが、このとき沖縄選挙区から出馬していたのは、当時の沖縄担当相で現役閣僚だった島尻安伊子氏。安倍自民党としては、辺野古への新基地建設に反対する「オール沖縄」に絶対に負けられない最重要選挙区であったことは誰の目にもあきらかだが、辺野古新基地建設のような政策的対立があるわけでもないのに、沖縄を上回る巨額の選挙資金を安倍自民党は案里氏の選挙に投入していたのだ。
 そして、この異常な事態の背景にあるのは、言うまでもなく安倍首相の“意向”だ。「週刊文春」の記事では、自民党関係者や自民党のベテラン職員がこう証言している。
「党の金の差配は幹事長マターですが、河井陣営への一億五千万円にのぼる肩入れは安倍首相の意向があってこそです」
「安倍首相の後ろ盾は絶大で、案里氏は党本部からの『安倍マネー』を存分に使うことができたのです」

 本サイトでは繰り返しお伝えしてきたが、この問題の選挙で案里氏が広島選挙区から出馬したのは、安倍首相にとって目障りだった自民党の重鎮・溝手顕正氏を蹴落とすための“刺客”としてだった。
 広島選挙区選出の溝手氏は第一次政権時の2007年参院選で自民が大敗した際、安倍首相の責任に言及し、さらに下野時代には安倍氏を「過去の人」と発言した人物。昨年の参院選で、自民は表向き“2人区で2人擁立して票を上積みする”としていたが、実際には安倍首相が溝手落としのために案里氏を新人として立たせたのだ。
 しかも、メディアでは案里氏の夫・河井前法相が菅官房長官の側近であったことから法相辞任時には「“ポスト安倍”の菅官房長官にも影響か」などと報じ、やたら“菅人脈”が強調されているが、河井前法相は菅官房長官以上に安倍首相と密接な関係を築いてきた人物だ。

河井克行前法相は安倍首相のお気に入り!案里議員の選対に安倍秘書まで送り込み
 現に、河井氏は総裁外交特別補佐を務め、2016年に米大統領選後はトランプが当選すると就任前に河井氏に渡米して地ならしすることを指示。トランプタワーでの安倍・トランプ初会談にも同行するなど、安倍首相は河井氏を買っていたのである。
 つまり、案里氏に白羽の矢が立ったのも、子飼いの河井氏との深い関係があったからなのだが、実際、安倍首相の案里選対への力の入れようは際立っており、安倍首相は自ら案里氏の応援に駆けつけるだけではなく、秘書を広島の案里氏の選対に送り込んだほど。「週刊文春」でも、安倍首相の地元事務所の筆頭秘書をはじめとし少なくとも4人の秘書が広島入りしていたと自民党県議が証言。しかも、「溝手支持で決まっているところにも手を突っ込もうとして動いとった」とも語っており、いかに安倍首相が溝手落としに躍起になっていたかがよくわかる。
 その溝手落としの実情は、選挙資金の差からもはっきりとしている。昨日、地元・中国新聞デジタルが「週刊文春」と同様に案里氏の選挙に党本部から1億5000万円が入っていたことを伝えたが、そこでは溝手氏が支部長の党県参院選挙区第二支部が党本部から公示前に受けた資金が、公認料500万円と選挙対策費1000万円の合計1500万円だったと報じている。
 ようするに、安倍首相は自分を「過去の人」と言った溝手氏への私怨を晴らすために、子飼いの妻である案里氏を刺客にし、さらには1億5000万円もの異常な巨額を選挙資金として投じたのだ。
 しかも、前述したように、地元秘書を少なくとも4人も選対に食い込ませていたことを考えれば、安倍首相が公選法違反が疑われる選挙戦の実態に目をつぶっていた可能性すらある。
 今回、「週刊文春」が報じた“入出金記録”や金の流れを裏付ける選対内のLINEのやりとりなどは捜査当局もすでに押収しているというが、選挙を安倍首相による溝手氏への“復讐”という私利私欲に使い、挙げ句、党本部が投じた1億5000万円が公選法違反の買収の原資となっていたとしたら、これは「河井法相の任命責任」などでは終わらせられない、もっと重大な責任が問われる大問題であることは間違いない。そして同時に、これはいかに安倍首相が政治を私物化しているのか、それを象徴する事件でもあるのだ。 (編集部)