2020年1月28日火曜日

京都市長選 自公・立憲陣営が排他的な全面広告(田中龍作ジャーナル)

 2月2日に投開票される京都市長選は、現職の角川大作氏(自公・立憲・国民他推薦)と福山和人氏共産・れいわ推薦)の事実上の一騎打ちです。
 国会では対立している筈の立憲民主党と国民民主党が与党側についているのは、旧民主の福山哲郎参院議員前原誠司衆院議員の地元であるため、この二人選挙で生き残るために反共産戦術を採用しているからです。この構図は従来からとられているもので18年4月の京都府知事選でもそうでした。
 そのときには約8万5000票差で共産党の候補(福山氏)が敗れているので、約4万3000票が動けば逆転できる計算になるのに対して、今回は「れいわ新選組」の山本太郎氏が福山候補の応援についたのでその可能性は極めて大きくなりました。

 危機感を抱いた相手候補側は26日、京都新聞に「大切な京都に共産党の市長はNO」とする全面広告を出しました。まさに「赤狩り」を思い出させるような共産党を「ヘイト」する記事です。そこには当然のように立憲民主党や国民民主党の名が連なっていました。何とも情けない話です。
 京都市長選をフォローしている田中龍作ジャーナルの25日、26日付の記事を紹介します。
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【京都市長選挙】
自公・立憲相乗りの現職候補に黄信号 山本太郎を都知事候補に祭りあげる
ご都合主義     https://tanakaryusaku.jp/2020/01/00022260 
田中龍作ジャーナル 2020年1月25日
  【写真説明】「市民生活の底上げを本気で考えている」。山本太郎代表は福山和人候補を評価する。=25日、四条烏丸 撮影:田中龍作=
 山本太郎を都知事選候補に祭り上げようというプランは、昨年の秋頃から野党界隈にあった。今になってプランが急浮上した事情とは・・・
 立憲民主党の長妻昭・選対委員長が23日、BS日テレで7月5日投票の都知事選挙に「野党統一候補として山本太郎れいわ代表を擁立する可能性がある」と発言し、波紋が広がっている。
 山本は25日、京都市長選挙に立っている福山和人候補(共産、れいわ推薦)の応援に入った。
 演説が終わると山本は記者団の質問攻めに遭った。「都知事選挙には出るんですか?」と。山本は「京都市長選挙で手一杯」とかわした。
 昨年秋ごろからあった「山本太郎擁立プラン」が、この時期に来て突如浮上したのは、京都市長選挙で立憲が自公と共に推す現職候補に黄色信号が灯り始めているからだ。
 2018年の京都府知事選挙で立憲は自公と共に、官僚出身の候補を担ぎ上げた。
 地元紙の出口調査によると、立憲支持者の6割が共産党系の候補に流れた。理由は相乗り批判だった。
  【写真説明】自民重鎮の伊吹文明・元衆院議長(右)と立憲の福山哲郎幹事長(左)。開発中心の現職を共に推す。=19日、堀川蛸薬師 撮影:田中龍作=
 府知事選挙の共産系候補とは、今回、京都市長選挙に立っている福山和人候補だ。今回は れいわ が加わった。
 れいわのボランティアが福山和人陣営に入り、電話かけ、ポスター貼り、街宣などを手伝ってきた。
 れいわは古き良き自民党のような緻密な選挙をする。手堅いので上滑りせずに票が出る。
 今回の市長選挙は2008年の選挙とよく似ているといわれる。この選挙で、共産党系の候補は、951票差で門川に敗れた。
 だが、今回はれいわ票が乗る。昨夏の参院選で れいわ が京都市で獲得した票は2万9,656票。単純計算(現実はそうはいかないが)すれば、福山和人候補は2万8,705票差で勝つことになる。
 現職の門川候補は多選に加えて、世界遺産である仁和寺の前の大型ホテル建設などで批判を浴びる。しかも相乗りはまったく解消されていない。

  【写真説明】志位委員長と山本代表。選挙結果しだいでは「れいわ、共産」が野党共闘の核となる可能性が濃厚になってくる。 =25日、四条烏丸 撮影:田中龍作=
 マスコミ各社は票読み取材を重ねており、この時期になると、ある程度煮詰まった数字が出てくる。情報は政治部を通じて与野党幹部に流れる。
 告示前にあった門川候補の楽勝は消え、追い上げいかんでは福山候補に勝利の目も出てきたようだ。
 昨年夏の参院選で立憲民主は、前回の衆院選挙と比べると比例票を約300万票減らした。明らかに れいわ に食われたのである。山本太郎街宣の際、田中は聴衆に片っ端から聞いた。
 かつては民主党、民進党、立憲に投票していたという有権者が、「今度はれいわに入れる」と答えた
 れいわに野党共闘の主導権は取られたくない。山本太郎を国政から外したいという思惑が、山本を都知事選挙の候補に祭りあげたのである。立憲のご都合主義には呆れる他ない。
 
 ただし、山本は師匠の小沢一郎をも凌ぐ策士だ。一手も二手も先を読んで大戦(いくさ)を仕掛ける。祭り上げたつもりが、自らの壊滅を招くこともありうる  立憲は覚悟を決めて山本を利用した方がいいだろう。
~終わり~


【京都市長選挙】
「ヘイト」「赤狩り」の指摘も 自公・立憲陣営が排他的な全面広告
田中龍作ジャーナル 2020年1月26日
  【写真説明】「ヘイトの指摘もあるが?」。田中は門川市長に質問をぶつけたが、市長は無言を貫いた。=26日午後、京都タワー前 撮影:田中龍作=
 「大切な京都に共産党の市長はNO」-きょう26日朝の京都新聞第6ページに、排他的なフレーズで始まる全面広告が掲載された。
 広告主は現職市長の門川大作候補を支える『未来の京都をつくる会』。
 SNS上は朝からこの広告をめぐって批判が噴出し炎上気味になった。「デマ」「ヘイトではないのか」「良識を疑う」「現代の赤狩りに通じる」・・・
 確かに現職市長の陣営にしては品位を欠く。田中の電話取材に対して『未来の京都をつくる会』事務局は「これは政策広告。私たちの政治的主張をここで出させて頂いている」と答えた。

 きょう午後、街頭演説のため公の場に現れた門川市長本人に田中は質問をぶつけた。「広告が波紋を呼んでいる。ヘイトとの指摘もあるが?」と。
 門川市長は無言を貫いた。田中が門川市長に迫るようすは、ツイキャスで配信されているのでご確認頂きたい。(https://twitcasting.tv/yasu_3333)
(動画の13分30秒~14分30秒ごろに門川市長に突撃する田中の姿)
 広告には自公に加えて立憲民主党京都府連、国民民主党京都府連が名を連ねる。排除の論理には呆れる他ない。彼らの言う野党共闘とは何なのだろうか?
  【写真説明】京都新聞(26日朝刊)の全面広告。門川市長の顔写真(右下)の下に立憲民主党や国民民主党の名が連なる。
~終わり~