2021年3月25日木曜日

25- 越えてはならない一線を越えたバイデン(マスコミに載らない海外記事)

 アメリカ大統領ジョー・バイデンは最近のABCインタビューで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「非情な殺人者」であると思うと発言しました。何であれ1国の元首が他国の元首を「殺人者呼ばわり」するのは尋常ではありません(因みに前任者のトランプは、17年にTV番組で同じく「プーチン氏は殺人者ではないか」と問われたとき、「殺人者はたくさんいる。我々も殺人者だ」と答え、「プーチン氏を本当に尊敬している」と述べました)。

 このバイデン発言に対してプーチン氏は、「お大事に。彼の健康を願う。これは皮肉でも冗談でもない」と述べました。そして「人は他人や他国を評価する際、鏡に映った自分を見ている」と語り、米国による広島、長崎への原爆投下や米大陸の先住民族への迫害などにも言及しました。

 ブログ「マスコミに載らない海外記事」に「越えてはならない一線を、まさに越えたバイデン」とする記事が載りました。
 そこでは78歳バイデンについて「最高位の地位で完全に任務を行う能力について、多くの疑念が公的に発言されている」ことや、バイデンの周囲は「大統領を核ボタンのそばに寄らせてはいけないと発言している」ことを伝えています。
 そして「大統領選挙戦中、彼はしばしば、まずい状況になった。メディアは彼の多数の失言を報じた」、「米軍に勤務するある女性に捧げる演説をした際、彼は国防長官の名前を忘れまたしても認知症症状を示した」、「大統領選選挙運動中、自分は上院議員に当選するのだと言い、昨年12月にはハリスアメリカ副大統領をアメリカ大統領と言った」、「孫娘ナタリーを、亡くなった息子ボーと混同し、トランプをジョージ・W・ブッシュと混同してジョージと呼んだ」事例などを紹介しました。
 バイデンの身体的、精神的能力についての疑問はいまやアメリカ国内公然と出されていて、外国首脳との重要な電話会話の大半はカーマラ・ハリス副大統領がしているということです。
 そんな人がトップの座についているのは正常なこととは思えませんが、「バイデン共同体」にとっては、その方が事態が計画通りに行かない場合そうした政治家全ての責任を負わせることができて便利だからだと述べています。いずれにしても尋常ではありません。
 古森 義久氏の記事「米国のトップはカマラ・ハリス副大統領なのか?」を併せて紹介します。
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          (2月26日)バイデンの認知症(田中宇氏)
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越えてはならない一線を、まさに越えたバイデン
                 マスコミに載らない海外記事 2021年3月24日
         ワレリー・クリコフ New Eastern Outlook 2021年3月21日
 最近のABCチャンネル・インタビューで、現職アメリカ大統領ジョー・バイデンは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「非情な殺人者」と思うと認め、それら発言に、ロシアに対する一連の恫喝を加えた
 このような声明、まったくのロシア嫌悪誤報に基づいており、どんな政治家にとっても名誉にはならない。だが、このような発言が、アメリカ合州国の最高位を占める人物によってなされる場合、ロシア大統領は、アメリカ大統領と異なり、何十万人もの民間人犠牲者をもたらしたベトナム戦争や、中東での戦争のような残虐な無意味な紛争を始めたことが知られてはいないので、実に奇妙に見え始める。
 このような不適切な攻撃的行動は、バイデンが苦しんでいるかもしれない、あるいはそうではないかもしれない知的障害のせいにするのは到底無理だ。だが、彼の知的能力については、主流メディアで広まっている多くの憶測があり、最初のものは、オーストラリアのテレビ・ショー司会者コーリー・バーナーディが、2月、スカイ・ニュースの番組で、この問題を論じていた。
 たしかに、ホワイトハウス全体とバイデン一家が、最初に感染し、最初にホワイトハウス警備担当者の「噛みつき事件」を起こしたジョーのジャーマン・シェパードから「噛み癖」に感染した可能性は排除できない。だが、もし現職アメリカ大統領が実際この「病気」に罹ったとしても、それで彼の発言が許されるわけではない。
 明確なのは、この攻撃的姿勢に、世界の別の地域で、多くが憤慨したことだ。
 バイデンの発言は、アメリ支配階級の政治的狂気と老人性痴呆症の勝利だと、与党「統一ロシア」のアンドレイ・トルチャク書記長は述べた。続いて、ロシア外務省は、現代のロシアメリカ関係で初めて、「協議」のため駐アメリカ大使を召還した。
 大半の国々が、バイデン発言に批判的に反応し、主要新聞やオンライン出版物で指摘されている。それらプラットホーム上で報道された記事への読者コメントは、ロシアの悪魔化や、ロシア大統領を公然と侮辱する試みは、全くばかげていると指摘している。興味深いのは、最近は、日本人読者でさえ、驚きと憤慨を隠さない。特に、Yahooニュースでは、彼らは、バイデンの虚弱な精神状態を議論し、彼の取りまき連は、大統領を核ボタンのそばに寄らせてはいけないと発言をしている。
 本当に、ジョー・バイデンは弱そうに見え、彼の健康状態は、繰り返し様々なメディアの注意を引きつけるだろう。最近78歳になったバイデンの年齢のため、最高位の地位で完全に任務を行う能力について、多くの疑念が公的に発言されている。大統領選挙戦中、彼はしばしば、まずい状況になった。メディアは彼の老人性の小刻みな足どりや、彼の多数の失言を報じた。バイデンが3月初めに、米軍に勤務する女性に捧げる演説をした際、彼はロイド・オースティン国防長官の名前を忘れて、またしても認知症症状を示した。大統領選選挙運動中、彼は上院議員に当選するのだと言い、昨年12月、彼はカーマラ・ハリスアメリカ副大統領を、アメリカ大統領と言った。11月、バイデンは孫娘ナタリーを、亡くなった息子ボーと混同し、彼はトランプを前任者のジョージ・W・ブッシュと混同て、政敵をジョージと呼んだ
 既に、ナショナル、パルスや他の多くのアメリカ・メディアは、外国首脳との重要な電話会話の大半はカーマラ・ハリスがしていると指摘した。この点、任務を遂行するバイデンの身体的、精神的能力についての疑問はアメリカ国内でさえ公然と言われている
 フランクリン・ルーズベルト時代から、アメリカの二大政党は、大統領執務室に、弱い政治家を送り込むのを好んでおり、アメリカ大統領として、ドナルド・トランプに取って代わったジョー・バイデンは、この政治傾向の頂点であることは注目に値する。このような政治家は操るのがより容易で、事態が計画通りに行かない場合、そうした政治家が典型的に他の連中による決定に全ての責任を負わされるので、このような行動は非論理的とは言えない。
 だが、弱い大統領の任務は、隠れた上層部集団に行われている事実を我々は見落としてはならない。それで「バイデン共同体」は、主要民主党幹部やスポンサーやロビイストに承認された決定をする。彼らこそが采配をふるっており、自分たちが何をしようとしているか完全に知っているのだ
 だから、今や醜聞となったバイデン・インタビューの悪ふざけには、ロシアや中国に対するヒステリーを促進して、国民の議論を失敗した内政から逸らしたり、イランや北朝鮮やベネズエラのようなアメリカの「実存的な敵」に関する言説を構築したりする支配政治エリート集団の明らかな願望を感じることができる。「バイデン共同体」が確実に願っている、このヒステリーのエスカレーションは、新たな言論戦や、新たな軍備競争や、新たな軍事衝突さえ正当化するだろう。
      (中 略)
 そのため、未来の公開演説で、バイデンは、ワシントンは、地理的にアメリカにより近い地域、例えば、ラテンアメリカや東南アジアで、小さな「勝利する戦争」が必要だと宣言する可能性は大いにあり得る。そして、これこそがバイデンが加齢による方向感覚損失の犠牲となり、ロシアのみならず、中国や、この両国を支持する多くの他の国々に激しく襲いかかる理由であり、彼の発言は今までより益々激しくなるはずだ。

 ワレリー・クリコフは政治専門家。オンライン誌「New Eastern Outlook」独占記事。
 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/03/21/biden-has-crossed-the-red-line/ 


米国のトップはカマラ・ハリス副大統領なのか?
                        古森 義久 JBpress 2021/3/17
                         産経新聞ワシントン駐在客員特派員
 米国バイデン政権のカマラ・ハリス副大統領が単独で諸外国の元首と頻繁に会談するようになり、異例の行動として注目を集めている。一方、バイデン大統領は自らの言葉で報道陣や一般に語りかけることがほとんどなく、「不在大統領」などと呼ばれるほど存在感が薄い。

■ 外国トップと会談するハリス副大統領
 ハリス副大統領は就任以来、3月中旬までの50日ほどの間に、外国の6人の元首と個別に会談した。いずれも電話かオンラインでの会談だが、米国のナンバー2の副大統領が外国のナンバー1である大統領や首相と同等の形で“首脳会談”をするケースは珍しい。トランプ前政権でも、マイク・ペンス副大統領が大統領をさしおいて外国の最高首脳と直接1対1で会談することはほとんどなかった。
 一方、ハリス副大統領の場合、3月4日にはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行い、米国・イスラエル両国間の主要懸案などについて協議した。ハリス副大統領は1月20日の就任以来、カナダのジャスティン・トルドー首相やフランスのエマニュエル・マクロン大統領ともそれぞれ個別に会談している。
 トルドー、マクロン両首脳ともに、バイデン大統領との電話会談はすでに行っていたが、ハリス副大統領との会談ではバイデン大統領との会談よりもずっと長い時間をかけて、主要な外交案件を協議した。そのたびに米国ホワイトハウス内の副大統領執務室が、会談内容の概略を公式発表してきた。
 たとえばマクロン大統領との会談では、米側が会談後に「ハリス副大統領はマクロン大統領との間で新型コロナウイルス、気候変動、民主主義への支持拡大などについて協議し、合意を成立させた」と発表した。その発表内容は、まるで国家元首同士の首脳会談のようであった。

■ バイデン氏の予想外の“引きこもり”
 副大統領のこうした異例の活動ぶりは、78歳のバイデン大統領の活力不足を56歳のハリス氏が補っている動きともみられている。同時に、バイデン氏の予想外の“引きこもり”傾向も目立ってきた。
 米国の歴代大統領は就任から30日ほどの間に、みな就任記念の公式記者会見を開いてきた。だが、バイデン氏の場合、3月中旬ですでに50日以上経ってもまだ会見を行っていない。ホワイトハウスのジェン・サキ大統領報道官は「3月末までには公式記者会見を開く」と言明したが、なお具体的な日取りは発表していない。
 この背景には、大統領側近の間で「バイデン氏が自分の言葉で自由に発言すると、大統領選キャンペーン中のように失言、放言をするのではないか」という懸念があるとみられる。3月3日にホワイトハウスがアレンジしたバイデン大統領と議会民主党議員たちとのオンラインでの会合では、双方が予定どおりの発言を終えて同大統領が「さあ、それでは私が質問に答えましょう」と述べたとたん、突然接続が遮断されたことがあった。大統領側近がバイデン氏の失言を恐れて、オンライン会合を打ち切ってしまったのではないかと推測されている。
 確かにバイデン大統領は、新たな大統領令や政策の発表には公開の場に登場するが、その発言は明らかに事前に作成された声明の読み上げばかりで、自分の言葉での自由な発言はほぼ皆無である。この実態をとらえて、保守系のメディアなどではバイデン大統領に「不在大統領」というレッテルを貼るところも出てきた。
 このように米国では、ハリス副大統領が外交面で異例の活躍を見せれば見せるほど、バイデン大統領の統治能力に関する不安が影を広げ始めているといえそうだ。