2021年3月6日土曜日

NTTの総務省幹部接待 菅政権の看板政策をめぐる重大疑惑と 志位氏

 総務省の谷脇・総務審議官は菅氏の長男が勤める東北新社から計4の接待を受けていましたが、NTTからも総合通信基盤局長に就任間もない18年9月から計3回接待を受けていました。まさに利害関係者とズブズブの関係です。

 市民団体は贈収賄の疑いで谷脇氏を含む総務省と東北新社の計17人を東京地検特捜部に告発しました。
 元東京地検特捜部の若狭勝弁護士によれば、公務員が便宜を図っていなくても職務に関係のある業者から接待を受ければ収賄罪成立するし、行政が歪められる恐れがあれば贈収賄罪が、実際に歪められた場合は加重収賄罪が適用されるということです。

 共産党の志位和夫委員長は4日の記者会見で谷脇総務審議官や山田・元総務審議官らに対する高額接待は、「携帯電話料金の引き下げという菅政権の文字通りの“看板政策”をめぐる重大疑惑になると指摘しました。
 日刊ゲンダイは、贈収賄罪の立件に向け検察が動く可能性は高まっているとしました
 しんぶん赤旗と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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菅政権の“看板政策”をめぐる重大疑惑 NTT総務省接待 志位委員長が会見
                        しんぶん赤旗 2021年3月5日
 日本共産党の志位和夫委員長は4日の記者会見で、『週刊文春』が報じたNTTによる谷脇康彦総務省総務審議官や山田真貴子前内閣広報官らに対する高額接待についての受け止めを問われ、谷脇氏の国会答弁の真偽とともに「菅政権の“看板政策”をめぐる非常に深刻な疑惑だ」と指摘し、「徹底的な真相究明に取り組んでいきたい」と表明しました。
 志位氏は、同誌報道の接待の事実関係をNTT側も政府も認めたことを示し、「谷脇氏は東北新社以外からの接待はないと国会で答弁してきたわけで、事実として(NTTによる)接待があったことになると国会でウソをついていたことになり、事実関係をきちんと究明しなくてはいけない」と強調しました。
 さらに、NTTによる官僚接待は、携帯電話料金の引き下げという菅政権の文字通りの“看板政策”をめぐる疑惑になると指摘。「非常に事態は深刻だ」として「徹底的な真相究明に取り組んでいきたい」と表明しました。


菅側近はNTTともズブズブ 金満接待漬けで検察捜査に現実味
                          日刊ゲンダイ 2021/03/05
 菅首相の“天領”総務省の違法接待問題は底なしだ。看板政策「携帯料金値下げ」のキーマン、事務方ナンバー2・谷脇康彦総務審議官の新たな接待漬けが発覚。NTTグループからも頻繁にゴチになっていたと報じられた。野党の追及に対し詳細な説明を拒んでも、常習性は疑いようがない。贈収賄罪の立件に向け、検察が動く可能性は高まっている。
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 4日発売の週刊文春によると、総務省が許認可権限を握るNTTグループから谷脇氏が接待を受けたのは計3回、単価は総額17万円超だ。NTTデータ前社長の岩本敏男氏らとの昨年7月の会食が計19万3000円。谷脇氏が総合通信基盤局長に就任間もない18年9月には宴席が2回セットされ、NTTの鵜浦博夫相談役らと計30万2000円、澤田純社長と計8万7000円の会食を楽しんでいた。
 澤田社長との会食は、官房長官だった菅首相が携帯料金について「4割程度下げる余地がある」とブチ上げた直後。NTTにすれば、経営を直撃する最大の関心事といってもいい案件だ。いずれも場所はNTTのグループ会社が運営する麻布十番の会員制レストラン。人目を忍ぶ金満接待にはもってこいなのだろう。
 谷脇氏は菅長男が勤める東北新社から計4回、総額約12万円の接待を受け、減給10分の2(3カ月)の懲戒処分を受けたばかり。国会では他の放送事業者や通信事業者と会食したことは認めつつ、「国家公務員倫理法に抵触する恐れがある会食をした事実はない」と答弁していたが、真っ赤な嘘だった。
 4日の参院予算委員会で共産党の田村智子議員から追及されると、「先方の出席者や飲食代などの具体的な金額などについては先方に確認する必要があり、大臣官房において事実関係の確認をしている」「大臣官房での調査を待つ必要がある」などと説明から逃げ回るツラの皮の厚さだ。

「行政が歪められる恐れ」で贈収賄は成立
 刑法の収賄罪は公務員が便宜を図っていなくても職務に関係のある業者から接待を受ければ成立する(単純収賄)。市民団体は贈収賄の疑いで谷脇氏を含む総務省と東北新社の計17人を東京地検特捜部に告発済み。はたして検察は動くのか。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士はこう言う。
「総務省は『行政が歪められた事実は確認されていない』と繰り返し、免罪符にしようとしていますが、贈収賄罪は『行政が歪められる恐れ』があれば犯罪が成立する。歪められた場合は、より法定刑が重い加重収賄罪が適用されます。一般論ですが、こうした事案は業界ぐるみでの接待攻勢が多い。分かりやすい例がゼネコン汚職です。次第に会食回数が増えて高額になり、手土産と称して商品券やスーツ仕立券などの金品が授受される。お車代名目で現金20万円をポンと渡すこともある。実務上、起訴の判断は賄賂総額50万円以上が目安となりますが、総務省幹部が利害関係者とズブズブの関係にあるのは明白です。悪質性が高いため、総合的に判断するものと考えられます」
 減給処分で昇任の道が1年半閉ざされた谷脇氏を温存し、次官に引き上げようとする菅首相のもくろみもパー。政権瓦解へまっしぐらだ。