2021年3月26日金曜日

「辺野古新基地は困難」 米政府機関など相次ぎ言及

 菅氏は、安倍政権時代に内閣官房長官であるとともに、14年以降 一貫して沖縄基地負担軽減担当を務めました。そして普天間飛行場の移転先として「辺野古基地新設」が最も早期に実現できる唯一の解決策であると繰り返し主張して来ました。

 しかし早期に実現できるどころか計画変更がいつになれば沖縄県に承認されるのかも不明で、工事期間としては少なくとも10年は掛かり、一部の軟弱な海底地盤の補強方法がないために、たとえ何兆円という巨額を投じて完成させたとしても、安定的に使用できるという保証は何もありません。
 そんな事情であるにもかかわらず、先の「日米2プラス2共同発表文書」では
閣僚は、普天間飛行場代替施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に建設する計画が、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策であることを再確認し、可能な限り早期に建設を完了することにコミットした
と謳いました。
 あまりにも現実から遊離しています。実態を知る米国の政府機関やシンクタンクからは、辺野古基地の「完成は困難」との見方が相次いで示されています。
 米政府監査院(GAO)は辺野古新基地は当初14年に完成するとしながら「著しい遅れが生じている」と指摘し、「沖縄のような地元の反対が強い場所での米軍の駐留は政治的に持続可能ではない」との専門家の意見にふれました。
 戦略国際問題研究所(CSIS)は、辺野古新基地は「完成が30年までずれこみ、費用も高騰し、困難に直面し」「完成するとは考えられない」と断じました。
 また米議会調査局(CRSは、「沖縄の米海兵隊基地移転のための取り組みは引き続き困難に直面している」として、玉城デニー知事が新基地反対を公約して当選したことや19年の県民投票で新基地反対が72%に達したことをあげています。
 しんぶん赤旗が報じました。同紙は、菅首相は4月に予定している日米首脳会談でこうした沖縄の民意をこそ伝えるべきであるとしています。
 これまでの「砂上の楼閣」のような誤魔化しをこれ以上続けるべきではありません。
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「辺野古新基地は困難」 米政府機関など相次ぎ言及
                        しんぶん赤旗 2021年3月24日
 日米両政府は16日、バイデン政権発足後、初めて開かれた日米安保協議委員会(2プラス2)で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に固執する立場を改めて確認しました。一方、米国の政府機関やシンクタンクでは、「完成は困難」との見方が相次いで示されています。
 米政府監査院(GAO)は17日に公表した米軍駐留経費に関する報告書で、辺野古新基地は当初、2014年に完成するとしながら「著しい遅れが生じている」と指摘。「地元の反対にさらされ、環境面でも複雑な問題が起こっている」との、日本政府と防衛省関係者の見方を紹介しています。さらに、「沖縄のような地元の反対が強い場所での米軍の駐留は政治的に持続可能ではない」との専門家の意見にふれました。
 また、米保守系シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)も18日に公表した、米国の軍事力に関する報告書で、辺野古新基地は「完成が2030年までずれこみ、費用も高騰し、困難に直面している」と指摘。「完成するとは考えられない」と断じています。
 さらに、米議会調査局(CRS)がバイデン政権発足後、最初に公表した日米関係に関するリポート(2月2日)でも、「沖縄の米海兵隊基地移転のための長期間にわたる取り組みは、引き続き困難に直面している」として、沖縄県の玉城デニー知事が新基地反対を公約して当選したことや19年2月の県民投票で新基地反対が72%に達したことをあげています。

 菅義偉首相は4月に予定している日米首脳会談で、こうした民意こそ伝えるべきです。