2021年3月27日土曜日

第4波封じ込めへ コロナ禍 補償と検査に本気で取り組め

 新型コロナが第4波に確実に向かっている中で、共産党の志位委員長は25日、記者会見し、感染拡大の「第4波」を封じ込めるために、緊急に2点を求めたいと語りました。

 1点目は、自粛要請に対する補償の抜本的強化を直ちに行うことで「規模に応じ、営業が続けられるだけの協力金を出す制度に緊急に改めることを求めたい」とし、さらに、納入業者、生産者などには補償がないとして、「野党が要求している持続化給付金の第2弾を決断し、苦境を打開するメッセージを出すべきだ」と述べました。
 2点目は、感染を封じ込める大規模検査を進めることで政府はその必要性を認めたものの「本気で取り組んでいるとはとうてい言えない」と指摘しました。
 変異株については、政府も調査・監視を40%に引き上げると言いだしたものの、「まだ足りない」として「全数検査を目指し大幅な検査引き上げを求める」と述べました。
 しんぶん赤旗が報じました。
 政府は口先だけで一向に本気度を見せませんが、何とか第4波を抑え込むためにいずれも喫緊に行うべきものです。
 併せて関連する日刊ゲンダイの記事を二つ紹介します。
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「第4波」封じ込めへ――補償と検査に本気で取り組め が提起
                       しんぶん赤旗 2021年3月26日
 日本共産党の志位和夫委員長は25日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルスの新規感染者の増加傾向が続くなか、感染拡大の「第4波」を封じ込めるために、政府が補償の抜本的強化と大規模検査に本気で取り組むことを緊急に求めると表明しました。
 志位氏は、新規感染者(24日までの7日間の移動平均)が1400人となり、第2波のピークだった8月9日の1372人を超えていると指摘し、緊急に2点を求めたいと語りました。

 1点目は、自粛要請に対する補償の抜本的強化を直ちに行うことです。志位氏は、飲食店への一律1日4万円の協力金ではやっていけないと悲鳴が上がっているとして、「規模に応じ、営業が続けられるだけの協力金を出す制度に緊急に改めることを求めたい」と表明。さらに、納入業者、生産者などには補償がないとして、「野党が求める持続化給付金の第2弾を決断し、苦境を打開するメッセージを出すべきだ」と述べました。

 2点目は、感染を封じ込める大規模検査を進めることです。志位氏は、菅首相にあてた緊急要請(12日)で提起した検査の抜本的拡充について、政府はその必要性を認めたものの、「本気で取り組んでいるとはとうてい言えない」と指摘しました。

 高齢者施設や医療機関などへの社会的検査では、対象や頻度などが自治体まかせになっていると指摘。職員への検査は「週1回は必要」と専門家が共通して指摘していると述べ、「自治体まかせでなく、国として対象や頻度などについて基準を示し、責任をもって推進すべきだ」と強調しました。

 モニタリング検査について志位氏は、厚労省への聞き取りによると11都府県の検査実施状況は1カ月で1万4千件、1日で500件にすぎず、政府目標の1日1万件にはるかに届かないと指摘。長崎大学病院の栁原克紀検査部長が「しんぶん赤旗」で1日30万件が必要と訴えていることにも触れ、1日10万の桁への引き上げを強く求めると述べました。
 さらに志位氏は「大規模検査を推進するためには、住民やお店に広く協力を呼びかける真剣な取り組みが必要だ」と主張。無症状者も含めた検査の必要性などを記した広島県作成のビラを示し、県が広報にも力をいれて大規模検査に取り組んでいると紹介。「広島県のとりくみを見習うべきだ。政府として大規模検査で抑え込んでいく意思を国民に伝え、協力を求めることが必要だ」と語りました。その際、検査で陽性となった場合の営業や生活の補償の必要性も訴えました。
 変異株については、政府もサーベイランス(調査・監視)を40%に引き上げると言いだしたものの、「まだ足りない」として「全数検査を目指し大幅な検査引き上げを求める」と述べました。


変異株10歳未満は従来型の5倍 子どもから広がる感染再拡大
                          日刊ゲンダイ 2021/03/26
 新型コロナの感染再拡大が止まらない。25日の新規感染者数は2日連続1900人を超えた。東京都のモニタリング会議で大曲貴夫医師は「変異株等によって急激に感染の再拡大が起こる可能性がある」と警戒感を示した。新たな火種になりそうなのが、変異株の子どもの感染だ。
                ◇  ◇  ◇
 変異株が子どもにも感染を広げていることは明らかだ。
 厚労省の発表(17日時点)によれば、新型コロナ全陽性者のうち、10歳未満は2.8%、10代は6.5%と少ない。ところが、第27回アドバイザリーボードの資料(16日時点)によると、変異株の感染者では、10歳未満が14.5%、10代が11.8%に跳ね上がる。変異株の感染者に限ると26%が未成年なのだ。
 この先、変異株が主流になると予測されている。感染者全体の4分の1が未成年者になるとどうなるのか。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「子どもは大人と同居しています。感染した子どもから同居の親や祖父母にうつる機会が増え、感染を拡大させる方向に働きます
 今後は、インフルエンザのように子どもが感染源になる可能性がある。盲点は子どもにはワクチンを打てないことだ。英国型変異株は重症化、死亡リスクが高いとされる。ところが、発症や重症化を防ぐワクチンの接種対象は、承認済みの米ファイザーは16歳以上、承認申請中の英アストラゼネカと米モデルナは18歳以上だ。

16歳未満ワクチン対象外、重症化リスクも
 田村厚労相は25日の参院予算委で、ファイザーが16歳未満向けのワクチンを開発中であることを明かしたが、当面は16歳未満はワクチンを打てない。
 重症化リスクの高い変異株が子どもの間で広まれば、これまで1人もいなかった20歳未満のコロナ死という事態も起きかねない。
「子どもの感染者が多いのは要注意です。これまでは飲食店や高齢者施設など大人向けの対策をしてきましたが、変異株では同じようにはいきません。ワクチンを打てないなら、なおさら大人が責任を持って子どもを守る必要がある。時には学校や保育園を閉鎖する場面も出てくるでしょう」(中原英臣氏)
 アドバイザリーボードの脇田隆字座長も「子どもたちの間や子どもから大人に感染しやすい状況があるなら、これまでと対策が変わってくる可能性がある」と危機感をあらわにした。
 若い命が失われてからでは悔やんでも悔やみきれない。


第4波襲来の確信 第2波を上回りワクチン接種も大幅遅延か
                          2021/03/25 日刊ゲンダイ
 新型コロナの第4波がジワジワと押し寄せている。24日の全国の新規感染者数は1900人を超え、昨年夏の「第2波」のピーク1605人(8月7日)を大きく上回った。このペースだと、ちょうど高齢者のワクチン接種が本格化する5月ごろに「第3波」をしのぐ大きな波になる恐れがある
               ◇  ◇  ◇
 昨年7~9月の第2波、10月~今年2月の第3波、さらに3月以降の感染者数のピークを調べた〈表〉コピーが不鮮明のため省略
 足元の感染者数は、すでに20道府県で第2波のピークを上回っている。大阪の24日の感染者数は262人で第2波を超えた。東京も420人と第2波のピークに迫っている。
 第3波のピークを超えたのは宮城と山形。宮城は24日、過去最多となる171人の新規感染者が確認された。第3波のピークの2倍近くだ。人口が東京の6分の1なので、東京なら1000人超に相当する。
 21日に過去最多となる31人の感染者数が確認された山形は、24日も21人で7日連続2ケタとなった。

全面解除のしわ寄せ
 福島、新潟、滋賀、愛媛、佐賀は第3波のピークに迫りつつある。新型コロナの感染は、すでに「第4波」に入っている可能性がある。
 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「感染力が強い変異株の影響がなかった第3波よりも、第4波のスケールが大きくなることはほぼ間違いありません。暖かい気候や緊急事態宣言の全面解除もあって、人の移動はかなり活発になっている。5月以降、第3波を上回る感染者数になっていてもおかしくありません」
 第3波のピークは1月8日の7949人。その頃は、症状があっても入院できず、自宅待機や調整中の患者があふれた。
 しかも、今回は事情が違う。5月は高齢者3600万人へのワクチン接種が本格化する時期だからだ。第4波とワクチン接種が重なる恐れがある。
「5月の連休終了まで、政府は規制を強化して感染者数をゼロ近くまで抑え込んだ上で、高齢者へのワクチン接種を本格化させるべきでした。医療従事者は、日々増えるコロナ患者の治療に加えて、ワクチン対応に追われることになる。スタッフ不足で接種スケジュールが大幅に遅れる可能性があります」(中原英臣氏)
 大パニックになりかねない。