米国の進歩的シンクタンク「政策研究所(IPS)」が米国の富裕層に関する報告書「銀のさじをもつ寡頭制」をまとめました。
米国には数世代にわたり富を増やす「王朝一家」がいて、20年現在、米国の下位半分の6500万世帯の資産は計2兆5000億ドルであるのに対して、富裕層一族は上位50のみで計1兆2000億ドルにものぼります。
ウォルトン、マース、コークなど4家は事業に有利な税制、労働政策を働きかけるロビー活動のために過去10年間で1億2000万ドルを投入するなど、富裕層は 政治資金団体(PAC)などを通し、民主、共和の両党の候補者に多額の献金を行っています。
富の蓄積は 慈善団体の創設によっても行われていて、上位50の一家は248もの民間財団を創設し、総額510億ドル超を保有しているということです。
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米富裕一家 37年で資産1000%増 進歩的シンクタンクが告発
さらなる蓄積に“力注ぐ”
しんぶん赤旗 2021年6月24日
米国の進歩的シンクタンク「政策研究所(IPS)」はこのほど、世代を超えて富を蓄積する米国の富裕層に関する報告書「銀のさじをもつ寡頭制」をまとめました。一世代で巨万の富を築いたアマゾンの創業者ベゾス氏らが注目されていますが、米国には数世代にわたり富を増やす「王朝一家」がおり、さらなる富の蓄積のために税制や労働政策でロビー活動に力を注いでいると告発しています。(鎌塚由美)
IPSの報告書は米誌フォーブスの長者番付から分析。2020年現在、米国の下位半分の6500万世帯の資産は計2兆5000億ドルですが、富裕層一族は上位50のみで計1兆2000億ドルにのぼると指摘しています。
フォーブスは20年に最も裕福な50家の番付「億万長者王朝」を公表していますが、うち27家はすでに1983年の長者番付に名を連ねていました。20年の上位20家のうち13家がすでに83年の上位20位に入っており、資産は「永続的に増加」していると指摘。億万長者で、83年の番付に入ってないのは4家だけでした。
最も裕福な一家は、この37年間で総資産を約800億ドルから9030億ドルに、1007%増加させています。
比較可能な、ほぼ同時期(89年~2019年)の平均的な米国の世帯の資産増加率は93%にすぎませんが、小売り大手ウォルマートの創業家ウォルトン一家は4320%、石油エネルギーなどの複合企業コーク一家は2465%、米菓子大手マース創業家は3517%などとなっています。
報告書は、これらの富裕層は、資産を増やし続けるために「大きな政治力を発揮」してきたと指摘。ウォルトン、マース、コークなど4家は事業に有利な税制、労働政策を働きかけるロビー活動のために過去10年間で1億2000万ドルを投入しました。そのほか、富裕層一家は、政治資金団体(PAC)などを通し、民主、共和の両党の候補者に多額の献金を行っています。
富の蓄積は、慈善団体の創設によっても行われているといいます。上位50の一家は、248もの民間財団を創設。総額510億ドル超を保有しているとしています。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。