元通商産業省官僚の古賀茂明さんが、しんぶん赤旗のインタビューに登場しました。
古賀さんは、日本はいま民主主義の危機、経済の危機。戦争に向かう危機の、3つの危機に直面しているとして、それを打開する点で(野党共闘を前進させるために)志位さんが身を捨てるような献身的な姿勢を示し、原則を強く主張しつつ、たとえ譲歩してでもとにかく今度の選挙で勝つと決意しているのは立派だと評価しています。
また野党も成長戦略を示すことが必要で、環境規制を強化した方が新しい投資が生まれてくるとして、地球環境を守るエネルギー転換と地方分散型経済システムを「成長戦略」にすべきだと述べています。
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新しい日本へ 共産党ここに期待
危機打開へ献身的な姿勢 環境と経済で成長戦略是非
元通商産業省官僚 古賀茂明さん
しんぶん赤旗 2021年9月17日
国民にメッセージを示すということで、野党4党の党首が共通政策に合意しました。総選挙での選挙協力を前提に、その先には、野党連合政権を念頭に置いています。
小選挙区だから、なるべく一つにまとまらなければいけない。一方で、あいまいじゃないか、と批判する人も出てくる。でも、それは気にする必要はない。具体的なことは、各党が具体的に出せばいいわけですよ。
共産党の候補は、小選挙区の候補者調整の中で、小選挙区では少ないかもしれないけれど、比例には出るわけですよね。共産党には、共産党のいいところがあるんだから、ちゃんと政策を出して「比例は共産党」と訴えればいいと思います。
僕は今日本が、民主主義、経済、平和の問題で大きな危機に直面していると思っています。この三つの危機が、同時進行し、ギリギりのところに来ています。
その危機を打開する点で、志位さんの身を捨てるような献身的な姿勢は立派だと思っています。献身的姿勢の背景にはこんな自民公明政治を続けていたら、もう日本が終わってしまうという危機感、次の選挙でなんとしてもひっくり返さなければという使命感があるのだと思っています。
原則を強く主張しつつ、たとえ譲歩してでも、とにかく今度の選挙で勝つという決意が感じられます。その危機感を今度の選挙で伝えていくことが重要ですね。
日本の直面している三つの危機の一つ目は民主主義の危機です。もう一つは、経済の危機。三つ目が戦争に向かう危機です。
安倍・菅政権の下で、政治と行政の倫理感が地に落ちました。捕まらなければいい、捕まりそうだったら、証拠を無くせばいい、さらには、容疑者を起訴できる検察を支配してしまえと。
官邸による官僚支配の中で、官僚の倫理感も地に落ちました。さらに、マスコミ支配によって、国民に正しい情報が伝わらなくなっています。官僚機構や政治家が、真実を隠してしまう。さらに、マスコミが本当のことを書けない。その両方の意味で、国民は真実を知らされなくなりました。
政治がおかしなことをやれば、明るみに出て、それをマスコミが書く。国民は事実を知らされて、その政権は倒れるー。本来、それが民主主義です。ところがそのサイクルが回らなくなつてしまいました。
国民は、ぱからしくて投票に行ったって、何も変わらないじゃないか、とあきらめてしまう。そうすると、独裁政権になってしまうんです。
経済でいえば、自民党政権には、四つの大罪があります。一つは、借金大国にしたこと。二つ目は少子高齢化を放置して、社会保障の基盤を完全に失わせたことです。三つ目は、日本を成長できない国にしたことです。四つ目は、原発神話です。原発事故だけではありません。原発頼みで、本来、日本が強かった再生可能エネルギー、自然ヱネルギー産業をほぽ壊滅させてしまいました。
野党4党の具体的な政策項目についていうと、例えばコロナで困窮する人たちへの支援措置は、窓口をワンストップにし、支援額は制限なし、そして補助金と融資の二つの方法で資金を提供、決算が出たところで清算する、手続きは税務署を使うということを言っています。この制度をすぐにつくってほしい。一方、みな苦しんでいるときでさえも不正する人がいます。それには、通常の詐欺罪よりも罰を重くするわけです。
それから、成長戦略が必要です。野党が分配だけで、成長のことを何一つ言っていない、ということになると、「不安になる」人が出てきます。ですから、地球環境を守るエネルギー転換と地方分散型経済システムを「成長戦略だ」というべきだと思います。環境規制を強化した方が、新しい投資が生まれてくるんですよ。
今度の選挙で政権交代を実現して、国会でぜひ、,議諭してほしいと思います。 (聞き手・金子豊弘)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。