2021年9月12日日曜日

コロナ 半数に後遺症が 嗅覚障害や倦怠感目立つ 世田谷区で大規模調査

 東京都世田谷区3700人に対して行ったアンケート調査で新型コロナに感染した人の約48%が嗅覚障害や倦怠感などの後遺症を訴えていることが11日、分かりました。3050代の割合が高く、10歳未満14・3でした。
 区は10月下旬に最終結果をまとめ 区のホームページに掲載する方針です
 和歌山県が昨年11月10に発表した後遺症の調査結果によると、嗅覚・味覚障害や倦怠感など多くの患者にみられる症状のほか、脱毛や記憶障害といった症状のある人は46%に上りました。退院から2カ月以上たった人のうち約3体調が回復せず、退院から5カ月以上症状が残っている人もいました。
 また厚労省研究班が今年6月に行った後遺症の調査によると、退院の6カ月後にも疲労感・倦怠感を訴えた人が21%おり、診断後から退院までの間では61に上りました。
 時事通信の3つの記事(発行時期はそれぞれです)を紹介します。
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コロナ、半数が後遺症 嗅覚障害や倦怠感目立つ 東京で大規模調査
                            時事通信 2021/09/11
 新型コロナウイルスに感染した人の約48%が嗅覚障害や倦怠(けんたい)感などの後遺症を訴えていることが11日、東京都世田谷区の調査で分かった。約3700人に対するアンケートの速報値で、特に30~50代の割合が高かった。無症状者や軽症者も含めた大規模調査は全国的にも珍しいとみられる。
 世田谷区は、4月15日時点で区保健所に提出された発生届を基に感染者約9000人にアンケートを依頼。回答した3710人のうち、「後遺症がある」と答えたのは1786人(48.1%)で、「ない」が1830人、無回答が94人だった。30~50代で「ある」が半数を超えた。10歳未満の14.3%が年代別で一番低かった。
 症状別(重複回答)では、嗅覚障害が最多の971件で、全身の倦怠感893件、味覚障害801件が続いた。集中力低下(433件)や脱毛(315件)に加え、発熱やめまいなどを含む「その他」も422件に上り、症状は多岐にわたった。10~30代では嗅覚障害の割合が高いが、40代以降では全身の倦怠感が高い傾向も見られた。
 療養中・療養後に困ったことは、体調や健康面への不安が最多の1270件だった。家族への感染の不安(1169件)や療養生活での不安やストレス(1033件)、うわさなどへの不安(589件)も多く、回復後も、身体面だけでなく精神面でもつらさを感じる実態が明らかになった。
 保坂展人区長は「後遺症の期間は今回の速報値では分からず、急いで分析したい」と話している。区は10月下旬に最終結果をまとめ、区のホームページに掲載する方針


退院後も半数が後遺症 コロナ、脱毛や物忘れも―和歌山県調査
                        時事通信 2020年11月11日
 和歌山県は10日までに、県内で新型コロナウイルスに感染して入院し、その後退院した人の約半数に、後遺症とみられる症状があったとの調査結果を公表した。嗅覚・味覚障害や倦怠(けんたい)感など多くの患者にみられる症状のほか、脱毛や記憶障害といった症状もあった。
 調査は9~10月、県内で感染し退院後2週間以上経過した216人を対象にアンケートや聞き取りを行い、163人から回答を得た。
 その結果、46%に当たる75人に何らかの症状が見られた。具体的な症状(複数回答)は、多い順に嗅覚障害(30人)、倦怠感(26人)、味覚障害(20人)、呼吸困難感(同)など。国内外でコロナとの関連性が研究されている脱毛症状(12人)や、物忘れなどの記憶障害(6人)を訴える人もいた。
 また、退院から2カ月以上たった51人のうち、約3割の16人が体調が回復していないと回答。退院から5カ月以上症状が残っている人もいた。
 県健康推進課によると、コロナと症状の因果関係を現時点で断定することはできないという。担当者は「予想よりも多くの人にさまざまな症状がみられ、侮ってはならないとの印象だ。今後の啓発と対策につなげたい」と話している。


診断半年後、1割に頭痛・脱毛 コロナ後遺症調査―厚労省研究班
                         時事通信 2021年06月17日
 新型コロナウイルス感染症の診断から半年が経過しても約1割の人が頭痛や脱毛の症状を訴えていることが16日、厚生労働省研究班(代表・福永興壱慶応大教授)の中間報告で分かった。同日あった厚労省専門家組織の会合で公表された。
 調査は昨年1月~今年2月に陽性が確認されて入院した522人(男性323人、女性199人)を対象に実施。入院時の年齢は50代115人、60代111人、70代91人などだった。
 研究班は、診断後から退院までと、診断後6カ月の自覚症状をそれぞれ質問。6カ月後にも疲労感・倦怠(けんたい)感を訴えたのは21%診断後から退院までは61%)だった。他にも味覚障害9%(同38%)、嗅覚障害7%(同37%)、頭痛9%(同35%)、思考力・集中力の低下11%(同26%)、脱毛10%(同17%)などがあり、多くの人が半年後も後遺症に苦しむ現状が浮き彫りになった。3カ月後の症状も尋ねたが、ほとんどの項目で6カ月後の割合と大差がなかった。
 一方、後遺症の有無にかかわらず、約8割の人は診断から6カ月後には罹患(りかん)前の健康状態に戻ったと回答した。研究班は今後、後遺症が精神状態に与える影響についても解析する。