2021年9月2日木曜日

02- 小池百合子が関東大震災の朝鮮人追悼式典に5年連続で追悼文拒否 +

 関東大震災記念日の9月1日、震災直後に市民ら(自警団など)によって虐殺された多数の朝鮮人犠牲者追悼する式典が墨田区・横網町公園で行われまし小池都知事は今回も式典への追悼文を送りませんでした。
 小池都知事は知事になった17年から5年連続で追悼文の送付を拒否してきました。
 小池知事は、慰安婦問題や関東大震災朝鮮人虐殺否定してい日本女性の会 そよ風」というヘイト団体の主張に同調していて、朝鮮人虐殺がなかったとはあからさまにいえないので、「都慰霊協会が営む大法要で全ての震災犠牲者を追悼している」などという無理な主張をせざるを得なくなっているのですが、関東大震災における犠牲者と朝鮮人虐殺の犠牲者は同列ではあり得ないので、震災事故の死者と市民による殺害の犠牲者を一緒にして追悼するというのは理屈が通りません。
 そのうえ都は19年12月に突如「朝鮮人犠牲者追悼式典」実行委員会の公園占有許可申請に対し様々な条件をつけ、これに従わなければ式典を中止や不許可にされても「異存ありません」という内容の「誓約書」を交わすよう要請して来ました。その一方で、その追悼集会を妨害する「そよ風」の集会に公園の使用許可を与えました。
 「誓約書」の提出には多くの批判が殺到したため、都は20年8月5日に方針を撤回しましたが、何かと難癖をつけて「朝鮮人犠牲者追悼式典」を開かせないようにしたことは明白です。
 LITERAが取り上げました。以下に紹介します。
   関連記事
     (20.9.2)   関東大震災の朝鮮人虐殺追悼式典ともう一つの追悼祭
     (17.9.2)  関東大震災時の朝鮮人虐殺は紛れもない事実

 これとは別に、群馬県立公園「群馬の森」に設置された、アジア太平洋戦争中強制連行され犠牲になった朝鮮人追悼碑の存続を巡る裁判で、8月26日、東京高裁は「県による追悼碑の更新不許可処分は適法」とする判決を下し更新不許可処分を違法とした一審判決を否定しました。詳細は下記をご参照ください。
   (レイバーネット日本)  逆転不当判決!〜群馬の森「朝鮮人犠牲者追悼碑」控訴審
+ 記事「虐殺 否定しないで 関東大震災98年 犠牲朝鮮人追悼」を追加
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小池百合子が関東大震災の朝鮮人追悼式典に5年連続で追悼文拒否!「朝鮮人虐殺はなかった」デマを喧伝するヘイト団体と関係
                             LITERA 2021.09.01
 この都知事のレイシスト⇒人種差別・歴史修正主義体質は今年も変わらなかったということか。
 本日9月1日、関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者の追悼式典が墨田区・横網町公園で行われたが、小池百合子都知事は、式典への追悼文を送らなかった。小池都知事は2017年から、「都慰霊協会が営む大法要で全ての震災犠牲者を追悼している」として式典への送付を拒否しており、これで5年連続になる。
 改めて説明するまでもないが、関東大震災における朝鮮人犠牲者への追悼は、震災全体の犠牲者追悼とは意味が全く違う
 1923年、大地震の混乱のなか、「朝鮮人が暴動を起こした」「井戸に毒を入れた」等のデマが広がり、日本人が多くの朝鮮人を惨殺する“朝鮮人虐殺”が起きた。
 朝鮮人虐殺における犠牲者数については諸説あるが、「朝鮮人が暴動を起こした」などというデマや流言によって多数の朝鮮人や中国人が、日本の警察や軍、自警団によって虐殺されたのは歴然たる事実である。それは、当時、治安出動を指揮した警視庁官房主事の正力松太郎自身も証言していることだ。
 しかし、近年、日本ではその史実を葬り去ろうとする動きが起きている。1990年代後半から、「従軍慰安婦」や南京虐殺など日本の戦前の犯罪行為をなかったことにしようとする歴史修正主義者の動きが台頭したが、2000年代後半からそれはさらにエスカレートし、明らかな史実である関東大震災の朝鮮人虐殺まで「なかった」と主張する書籍や団体が現れた
 さらに、こうした風潮に乗っかる形で、最近は災害が起きるたびに、かつてお関東大震災と同じ朝鮮人デマがネットに流されるようになった
 たとえば、今年2月東北地方で最大震度6強の地震が起きた際も、SNSでは、引用するのもはばかられるような極めて悪質な差別デマが飛び交っているのだ。
〈朝鮮人が福島の井戸に毒を入れているのを見ました!〉
〈BLMが井戸に毒を投げ込んでる!!!!!〉
〈こういう災害には必ず奴ら(特定アジア)が何かやるんだな。関東大震災以来ずっと…〉
〈バカ朝鮮人どもが喜んでるんやろな〉
〈災害に乗じた空き巣等の犯罪に注意。都心の外国人の多い地域は、特に戸締まり用心、火の用心。〉

小池百合子と「朝鮮人虐殺はなかった」デマをがなりたてる在特会系ヘイト団体の関係
 本サイトでも繰り返し報じてきたとおり、この式典への追悼文は、1974年以降、歴代の都知事たちが寄せてきた。数々の差別発言で知られるあのレイシストの石原慎太郎元知事ですら、送っていたものだ。
 ところが、小池都知事は知事に就任した翌年、2017年、突如としてこの朝鮮人犠牲者に対する追悼文を取り止めてしまったのだ。しかもその背景には、「関東大震災の朝鮮人虐殺はなかった」という差別デマを主張するヘイト団体と小池氏の関係がある。
 そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には大阪・鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導したヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の「日本第一党」の副党首まで務めている。
 その「そよ風」は、まさに朝鮮人犠牲者の追悼式典が開かれる横網町公園の朝鮮人犠牲者追悼碑の撤去を目指し、デモや集会を繰り返す一方で、自民党の政治家などへのロビイングもおこなってきた。
 小池氏は2010年、この「そよ風」で講演をおこなっているのだ。当時、小池氏は自民党の国会議員。そんな立場にある者がヘイト団体で講演をおこなうとは信じがたいが、小池都知事が朝鮮人犠牲者への追悼文送付を取りやめたのは、この「そよ風」の動きと関係があったとしか考えられない。
 実際、「そよ風」は小池都知事が追悼文を取りやめたのと軌を一にするように、2017年以降、同じ時刻に横網町公園内で集会を開始。「朝鮮人犠牲者追悼式典」にぶつける形で、「そよ風」関係者らが「朝鮮人が暴動を起こし、日本人を虐殺した」「日本人が朝鮮人を殺したのは正当防衛だった」などと典型的なヘイトデマをがなり立てるようになった。本日も、同じ公園内で「そよ風」の集会は行われている。

小池の意向を受けて、「朝鮮人犠牲者追悼式典」自体を中止に追い込もうとしていた東京都
 それだけではない。小池都知事の「追悼文拒否」や「そよ風」のヘイト集会に対する都の認可に抗議の声があがると、2019年12月、東京都は逆にそれを封じ込める動きに出た。
「朝鮮人犠牲者追悼式典」実行委員会の公園占有許可申請に対し「公園管理上支障となる行為は行わない」「拡声器は集会参加者に聞こえるための必要最小限の音量とする」などと様々な条件をつけ、これに従わなければ中止や不許可にされても「異存ありません」とする内容の「誓約書」を交わすよう要請してきたのだ。
 詳しくは既報(https://lite-ra.com/2020/06/post-5472.html)を参照いただきたいが、「そよ風」のブログには〈そよ風さんは双方の追悼式典がなくなるまで戦って欲しい〉なる言葉もあり、都の誓約書を悪用して「朝鮮人犠牲者追悼式典」自体を中止に追い込もうという意図が見られた。都の誓約書要求は、ヘイト団体を事実上アシストするものになっていたのだ。
 さすがにこの措置には批判が殺到し、東京都は2020年8月5日に方針を撤回。しかし、一方で「そよ風」の集会に公園の使用許可を与えた
「そよ風」の2019年の集会における発言は、翌2020年、都の人権尊重条例により、ヘイトスピーチ認定されている。にもかかわらず、都は「そよ風」の集会にお墨付きを与えたのだ。そして今年もまた、「そよ風」の集会は追悼式典と同じ公園内で開かれた。
「虐殺された被害者を追悼する式典」と「虐殺の史実をなかったなどとヘイトをがなり立てる集会」とを同列に扱うことは、紛れもない史実を、あたかも議論の余地があるかのように見せ、歴史否認の動きに加担するものにほかならない。
 繰り返すが、朝鮮人虐殺は人類が記憶すべき重大な史実である。ましてや、加害当事者である日本がその記憶と反省を忘れずつないでいくことは、当然の責務だ。
 小池都知事とヘイト団体の歴史否認と差別扇動をこれ以上許してはならない。(編集部)


虐殺 否定しないで 関東大震災98年 犠牲朝鮮人追悼
                        しんぶん赤旗 2021年9月2日
 1923年の関東大震災から98年。震災直後、デマにより虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典(同実行委員会主催)が1日、東京都墨田区で開かれ、オンラインで中継されました。
 実行委員長の宮川泰彦・日朝協会都連合会会長は「絶対に同じ過ちを犯してはならない。悲惨な事実を忘れず伝承するのが今を生きる私たちの責務です」とあいさつしました。
 小池百合子知事は歴代知事が送ってきた式典への追悼文を5年連続で中止しました。朝鮮総連都本部の梁春植(リャン・チュンシク)副委員長は「日本政府は虐殺行為の清算も謝罪もしていない。政治的弾圧と迫害、民族的差別が今もなお子孫に引き継がれ、犠牲者の思いを踏みにじるもの」だと政府の姿勢を批判しながら、「震災と虐殺で命を奪われた犠牲者では性質が異なる。知事は虐殺事件から目をそらし否定している」と語りました。
 日本共産党の福手ゆう子里吉ゆみ両都議が参加しました。福手氏は、東京五輪・パラリンピックの演出担当者がユダヤ人の大量虐殺を笑いのネタにしていたなどの人権問題に市民が抗議の声を上げたことに触れ「多くの国民が人権に対し不正義を正していこうとする流れの中で、都知事の姿勢はそれに逆行する」と述べました。
 映画監督の山田洋次さん、エッセイストの海老名香葉子さん、作家の中沢けいさん、韓国の市民団体「独立」の追悼メッセージが紹介され、韓国伝統舞踏家の金順子(キム・スンジャ)さんが「鎮魂の舞」を披露しました。