2022年10月26日水曜日

泉代表の 憲法9条「必要なら憲法審査会の中で議論すればよい」は大間違い

 立民党の泉健太代表は21日、共同通信加盟社編集局長会議で講演し、「維新の会は改憲政党ではあるが、実はそんなに差がないと思っている。憲法裁判所、緊急事態条項は、我々も議論はやっていいと思っている」「憲法9条(改正)も、集団的自衛権をフルで認めるのは我々はまだ問題があると思っているので、必要であれば憲法審で議論すればいい。実は差があってないとも言えるのではないかと最近思っている」と述べました。

 泉氏は翌22日の福岡市内での記者会見でも、憲法改正に関する立民党と維新の会の立場の違いは「決定的なものはない」と述べました。

 それに先立って立民党と維新の会は921、次の臨時国会において次の6項目で共闘することを合意しました。
・国会召集要求には20日以内開催を義務付ける
10増10減を含む公職選挙法改正案・同関連法案を今国会で処理する
通園バス置き去り防止装置の設置を義務付ける法案早期に臨時国会に提出する
・国会議員の文通費について使途の公表を定めた法案の成立をめざす
旧統一教会の被害者救済と防止策の法的整備についての協議を始める
若者や子育て世代が厳しい経済状況にあることに対して有効な対策を提案する
 さらに10月6日には両党は新たに次の2項目について合意しました。
北朝鮮のミサイル発射に関連し連合審査会を速やかに開催するよう与党に要求する
感染症法の改正について対案をまとめるべく両党の政調間で協議を始める
 各項目については別に問題はありませんが、こうしたことを通じて維新の会との親近感を高めようとしているのでしょうか。

 泉氏は党代表に選出されると、提案型の党になるとして自民党との直接対決を避ける姿勢を取り夏の参院選まで継続しましたが、その後はその主張を口にしなくなりました。同時に幹事長に岡田氏、国対委員長に安住氏という以前の党幹部を返り咲きさせました。一体何を考えているのか分かりません。
 ただ維新との憲法9条の改憲に関して「実は差があってないとも言えるのではないか」などと動揺するのは見逃すことは出来ません。何が「決定的な対立ではないのかなと感じている」のでしょうか。
 共産党の志位委員長は23ツイッターで「立民代表が憲法をめぐって維新と協力の余地ありと考えているとしたら、とんでもない考え違い」などと投稿しました。これに対して 泉氏は「協力の余地ありなどとは一言も言っていませんが…。ずいぶん見当違いな認識と批判です。敵味方をすぐに色分けし、異論は許さないという考え方こそ改められては」と論しましたが、そういう問題では無く悉く的を外しています。
 憲法審査会の議題に載せてしまえば、現在の力関係から必然的に憲法改正の発議に向かうことになるという現実を認識していないのでしょうか。
 共産党の小池書記局長は24日、記者会見し、泉代表が講演で「日本維新の会は改憲政党ではあるが、実はそんなに差がない」「決定的な対立ではない」と述べ、憲法9条について「必要であれば憲法審査会の中で議論すればよい」と語ったことについて問われ、「市民と野党の共闘の発展を願い、国民の期待に野党として応えていく立場から」として2点を述べました。
 1点目ー「維新の政治的な基本的立場は明らかな与党の補完勢力であり、正面から対決し打ち破っていく相手で、改憲の突撃隊の役割を果たしている維新と、憲法をめぐって協力する余地などまったく存在しない
 2点目 泉代表が「国会の憲法審で9条を議論すればよい」と述べたことについて、「改憲発議を目的とする憲法審で9条の議論を行うことは、9条改憲に道を開くという危険なことになる
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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憲法改定に関する立民・泉代表発言を受けて 共闘の発展願う立場から表明
小池書記局長が会見
                      しんぶん赤旗 2022年10月25日
 日本共産党の小池晃書記局長は24日、国会内で記者会見し、立憲民主党の泉健太代表が講演(21日)で「日本維新の会は改憲政党ではあるが、実はそんなに差がない」「決定的な対立ではない」と述べ、憲法9条について「必要であれば憲法審査会の中で議論すればよい」と語ったことについて問われ、「市民と野党の共闘の発展を願い、国民の期待に野党として応えていく立場から」として2点を述べました。

 小池氏は1点目として、日本共産党が6中総決定で日本維新の会について「『野党』を名乗りながら、自民党以上の右翼的立場に立って大軍拡と改憲の先兵となり、野党共闘攻撃の先兵となっている」とし、野党がこうした「自公政権の『補完勢力』とは、正面からたたかう立場に立つべき」だと提起したことを指摘。維新との関係では、「国会の民主的な運営などで個別に一致する点があれば共同の行動を取ることはあり得る」としつつ、「『維新』の政治的な基本的立場は明らかな与党の補完勢力であり、正面から対決し打ち破っていく相手だ」と強調しました。「ましてや、改憲の突撃隊の役割を果たしている維新と、憲法をめぐって協力する余地などまったく存在しない」と主張しました。

 その上で泉代表の「実はそんなに差がない」「決定的な対立はない」という発言について、「これでは、憲法の問題で維新の会と協力の余地があると表明したことになる。本気でそんなことを考えているとすれば、とんでもない考え違いになる」と指摘しました。

 小池氏は2点目として、泉代表が「国会の憲法審で9条を議論すればよい」と述べたことについて、「立憲主義を否定してきた安倍・菅政権を引き継ぐ現政権のもとでは、憲法改定についてまともな議論を行う条件はない」と強調。「改憲発議を目的とする憲法審で9条の議論を行うことは、9条改憲に道を開くという危険なことになる」と強く警鐘を鳴らしました。