2022年10月29日土曜日

徹底追及 統一協会 昨年総選挙でも総力支援 協会行事の動画で判明 その他

・統一協会の地方組織が昨年10月の総選挙で、自民党の原田義昭元環境相ら複数の国会議員の支持拡大を行っていたことが、協会施設の行事を録画した動画から分かりました。統一協会ダミー団体「世界平和連合」が国政選挙で自民党候補と推薦確認書を交わし、支援していたことが明らかになっています
共産党の本村伸子議員は26日の衆院法務委員会で、統一協会(世界平和統一家庭連合)の「組織性」「悪質性」「継続性」は刑事裁判でも民事裁判でも明らかであり、「早急に解散命令請求を行うべきだ」と迫りました。また、質問権の行使にあたっては全国弁連メンバーを参画させるよう要求しました
永岡桂子文部科学相は26日の衆院文科委員会で共産党の宮本岳志議員に対し2015年の統一協会の名称変更について、担当者が当時の下村博文文科相に報告した資料の存在を初めて明確に認めました。
共産党の穀田恵二国対委員長は26日、記者会見し、衆院憲法審査会を27日に開くことについて「憲法審査会を開いている場合か。いま問われているのは、改憲を推進してきた自民党議員と統一協会とのズブズブな関係をはっきりさせることだ」と主張しました。また統一協会のダミー団体が改憲を含む内容で推薦確認書を自民党議員と交わしていた問題について、「まさに改憲が統一協会との“政策協定”という形でずっと進められてきた。改憲どころの話ではない統一協会との癒着問題についてはっきりさせるべきだ」と強調しました。
共産党の塩川鉄也議員は26日の衆院倫理選挙特別委員会で、寺田稔総務相、中川貴元・総務政務官ら政務三役が統一協会と関係を持っていたことについてただし、関係を断つよう迫りました。
 しんぶん赤旗の5つの記事を紹介します。
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徹底追及 統一協会 昨年総選挙でも総力支援 協会行事の動画で判明
当選4氏、“自主点検”では否定
                      しんぶん赤旗 2022年10月27日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)の地方組織が昨年10月の総選挙で、自民党の原田義昭元環境相ら複数の国会議員の支持拡大を行っていたことが、協会施設の行事を録画した動画から分かりました。統一協会についてはダミー団体の「世界平和連合」が国政選挙で自民党候補と推薦確認書を交わし、支援していたことが明らかになっています。(統一協会取材班)
 総選挙投票翌日の2021年11月1日に福岡県久留米市の施設で撮影された動画によれば、統一協会の南福岡教区としてかかわっていた選挙区の結果を渉外部長が報告。公認をめぐり自民党内が分裂し、野党統一候補の立憲民主党新人に敗北した原田氏を「福岡5区は注目されたが惜しくも負けてしまった。(分裂した元県議の)栗原票と公明党の票を奪い返すことができなかった」「責任をまっとうできなかった」と、時に涙ぐみながら吐露しました。

名前と票数挙げ
 また「世界平和連合としては原田先生と次の計画を立てていく段階にある。継続してぜひ応援してほしい」と呼びかけました。原田氏は統一協会系の「日本・世界平和議員連合懇談会」会長に就くなど同協会と深い関係にあります。
 渉外部長は当選した福岡6区の鳩山二郎、同7区の藤丸敏、佐賀1区の岩田和親(立民に敗れ比例復活)、大分2区の衛藤征士郎各議員の名前と票数を挙げながら選挙支援への謝意を表明。これらの議員はいずれも自民党の“自主点検”で、選挙ボランティアや組織的支援を受けていないことになっています

名簿獲得できた
 渉外部長は「トータルで教区として6007の名簿を獲得できた。今までは3000いくかどうかのたたかいだった」「時間を割いて朝から夜まで電話かけに参加し、力を注いでもらった」とのべ、政権交代が問われた総選挙でこれまでにない力の集中を語りました。
 さらに「勝利の報告をしてもらう」として、鳩山、藤丸両議員が協会の施設に当選のあいさつに来ることをほのめかしました。
 本紙は原田氏と自民党4議員に対し、国政選挙で統一協会やその関連団体に選挙支援を依頼したり、支援を受け入れたりしたことがあるか質問。選挙支援の依頼や受け入れの「事実はない」(岩田氏)、「(元秘書の)市議から話はあったものの疑念があり、統一教会との対応はしないと決めていた」(藤丸氏)と回答がありました。原田、鳩山、衛藤各氏からは期限までに回答がありませんでした


解散請求ただちに 組織・悪質・継続性明らか 本村議員
                      しんぶん赤旗 2022年10月27日
 日本共産党の本村伸子議員は26日の衆院法務委員会で、統一協会(世界平和統一家庭連合)の「組織性」「悪質性」「継続性」は刑事裁判でも民事裁判でも明らかであり、「早急に解散命令請求を行うべきだ」と迫りました。
 本村氏は、「先祖の因縁」などと不安をあおり高額な印鑑の購入を迫った新世事件の判決(2009年11月、東京地裁)が「相当高度な組織性が認められる継続的犯行の一貫であり、この点からも犯情は極めて悪い」と量刑の理由をあげていると指摘。「まさに刑事事件で、統一協会の問題で『組織性』『悪質性』『継続性』が断罪されている」として、政府の見解をただしました。葉梨康弘法相は「所管外」だとして答弁を拒否しました。
 本村氏は、同事件の第5回公判での論告求刑をあげ、「法務省・検察庁も統一協会と関係団体の悪質さをつかんでいた」と指摘。判決当日、全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の弁護士が文部科学省に「宗教法人法に基づく調査、業務停止命令、解散命令申し立ての権限を行使すべきだ」と求めたのに、「その声を無視し続けてきた」と厳しく批判しました。
 また、質問権の行使にあたっては全国弁連メンバーを参画させるよう要求。簗和夫文科副大臣は「旧統一協会問題をよく知る弁護士等団体から情報提供を受けることは考えられる」と答えました。
 本村氏は自己破産をさせてまで献金を迫る問題も追及。葉梨氏は「しっかりと専門家につないでフォローしていきたい」と答弁しました。


文科相 名称変更 資料が存在 宮本岳志議員 提出・参考人招致を
                       しんぶん赤旗 2022年10月27日
 永岡桂子文部科学相は26日の衆院文科委員会で、2015年の統一協会(世界平和統一家庭連合)の名称変更について、担当者が当時の下村博文文科相に報告した資料の存在を初めて明確に認めました。日本共産党の宮本岳志議員への答弁です。
 宮本氏が名称変更時の下村氏への説明資料の有無をただすと、永岡氏は「申請を受理する報告を行った際の資料は確認できた。認証を決定する報告を行った際の資料は確認できなかったが、担当者がメモ書きを追加したと思われる極めて近い資料が確認できた」と認めましたが、法人の非公知の事実と行政内部の意思形成過程に関する文書だとして公開を拒否しました。
 宮本氏は、1997年に当時の文化庁宗務課長だった前川喜平元文科事務次官が「実態が変わっていない以上、(名称変更を)認証するわけにはいかない」「受理はするが認証はできないと(統一協会に)伝えて引き下がってもらった」と証言していると追及。永岡氏は「形式上の要件を備えた申請は、受理される必要がある」などと説明しました。
 宮本氏は「受理と認証は別の手続きだ」「統一協会に対する認識が変わっていないのに、なぜ百八十度方向転換して認証したのか」と疑問を投げかけました。
 その上で、統一協会系月刊誌に掲載された同協会の『世界日報』主筆と下村氏が「(文科)大臣室で論じ合った」とする記事を示し、同協会との深い関係を持つ下村氏のもとで名称変更が行われたと指摘。下村氏の参考人招致と同資料の国会への提出を求めました。


自民党の改憲推進本部長 歴代の癒着明かせ 穀田氏会見
                      しんぶん赤旗 2022年10月27日
 日本共産党の穀田恵二国対委員長は26日、国会内で記者会見し、衆院憲法審査会を27日に開くことについて問われ、「憲法審査会を開いている場合か。いま問われているのは、改憲を推進してきた自民党議員と統一協会とのズブズブな関係をはっきりさせることだ」と主張しました。
 穀田氏は、安倍晋三元首相が9条改憲を主導するもとで、自民党の憲法改正推進本部(現憲法改正実現本部)の本部長を務めた細田博之衆院議長や下村博文前政調会長、古屋圭司衆院議員(現本部長)などを挙げ、「歴代の本部長は統一協会とズブズブの関係があった方ばかりだ」と指摘。統一協会のダミー団体が憲法改正などを盛り込んだ事実上の“政策協定”(推薦確認書)を自民党議員と交わしていた問題も挙げ「まさに改憲が統一協会との“政策協定”という形でずっと進められてきた。改憲どころの話ではない。いま問われている統一協会との癒着問題についてはっきりさせるべきだ」と強調しました。


政務三役は関係断て 統一協会との関わり 塩川氏が追及 衆院倫選特委
                      しんぶん赤旗 2022年10月27日
 日本共産党の塩川鉄也議員は26日の衆院倫理選挙特別委員会で、寺田稔総務相、中川貴元・総務政務官ら政務三役が統一協会と関係を持っていたことについてただし、関係を断つよう迫りました。
 寺田氏は、2018年に国際勝共連合の会合に参加費として2万円を支出していたことを認めた上で「私も秘書も出席はしていない」と述べました。また、国政選挙前に統一協会の関連団体の「推薦確認書」に署名していないと答えました。
 塩川氏は、国際勝共連合は反共主義を掲げるとともに、同性婚や選択的夫婦別姓などを攻撃しており、「ジェンダー平等に反する主張を行う団体により政策的影響を受けたのではないか」と実態解明を求めました。
 中川氏は昨年の総選挙で「(統一協会の関係者が)事務所にきていた認識はあった」「自発的なボランティア支援はあった」と選挙支援を受けたことを認めました。また、総選挙後の12月に統一協会の関連団体の日本平和大使協議会の会合などに5回も出席していたと認めました。組織的選挙支援をうかがわせるものです。
 塩川氏は、平和大使協議会は統一協会の開祖・文鮮明と妻の韓鶴子が創設した天宙平和連合(UPF)の付設機関だと指摘。「自民党が統一協会や関連団体と深い関わりを持ち、広告塔の役割を果たしてきたことが被害の拡大につながった。きっぱり関係を断つべきだ」と主張。中川氏は「(広告塔の役割という)側面は否めない」と述べました