2022年10月30日日曜日

首相最側近の木原官房副長官にも「推薦状」 統一協会側とズブズブの自民

 自民党と統一協会のズブズブの関係はどこまで広がっているのでしょうか。

 岸田首相の最側近と見られる木原誠二官房副長官28日の衆院内閣委で、統一協会ダミー団体「世界平和連合」から昨年の総選挙時に「推薦状」を受け取っていたことを共産党の塩川鉄也議員への答弁明らかにしました。木原氏は同じくダミー団体「平和大使協議会」のメンバーが16年夏に設立した同氏の支援団体「誠世会」7回程度講師として参加しています。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「官房副長官は首相の外遊にも同行する官邸の要職。安倍・菅政権以降も統一教会が官邸にまで入り込んでいた衝撃は大きい。また霊感商法などの被害防止策を練っている消費者庁担当の大串正樹副大臣山田賢司外務副大臣が、昨年の総選挙時に「推薦確認書」署名していたのもヒドい話です(日刊ゲンダイ)」と述べています。
 岸田首相は先般ようやく山際前経済再生相を更迭しましたが、とてもそんなことで収まりそうもありません。如何に茂木幹事長が行った調査がデタラメであったのか、そしてこの先どこまで尾を引くのか測り知れません。
 しんぶん赤旗(2本)と日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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木原官房副長官に「推薦状」 統一協会側、昨年の総選挙
              衆院内閣委 塩川氏追及
                      しんぶん赤旗 2022年10月29日
 木原誠二官房副長官は28日の衆院内閣委員会で、統一協会(世界平和統一家庭連合)のダミー団体「世界平和連合」から昨年の総選挙時に「推薦状」を受け取っていたと明らかにしました。日本共産党の塩川鉄也議員への答弁
 塩川氏は、統一協会と推薦確認書は交わしたかと質問。木原氏は過去4回の選挙での約1000通の推薦状を調べ、「昨年の総選挙の際、世界平和連合からの推薦状を受領していることが確認された」と認めました。同協会が国政選挙で自民党候補に署名を求めてきた「推薦確認書」について同氏は「交わした事実は確認されなかった」と述べました。
 木原氏をめぐっては、統一協会のダミー団体「平和大使協議会」のメンバーが2016年夏に支援団体「誠世会」を設立しています。木原氏は「何人かの方がそうした団体に関連している」ほか、7回程度講師として参加し、「ご支援、ご理解いただいていた」と答弁しました。
 塩川氏は、同協議会は統一協会の中核的組織だと指摘し、協会関係者から選挙支援を受けたかと追及。木原氏は電話かけなどで「他の組織の応援を受けることはない」と否定しました。
 塩川氏は「推薦確認書」などでの政策への賛同や、質疑で明らかになった「推薦状」も自民党の調査には含まれていないと指摘し、政府として政務三役の推薦状受領や確認書への署名、入会について調査・報告するよう要求。「各議員が調査し説明責任を果たす」と繰り返す松野博一内閣官房長官に、「説明責任が果たされていない。岸田政権の姿勢が問われている」と批判し、重ねて調査、報告を求めました


旧統一教会“癒着”で岸田政権またも大揺れ…最側近の木原官房副長官もズブズブだった
                         日刊ゲンダイ 2022/10/29
 一難去ってまた一難、いやいや身から出たサビだ。
 自民党と旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との癒着の解明がちっとも進まない中、瀬戸際大臣(山際大志郎前経済再生相)の更迭で局面打開を図った岸田政権が早くも大揺れしている。教団の関連団体「世界平和連合」や「平和大使協議会」から事実上の「政策協定」である推薦確認書を提示され、署名していた副大臣が次々に判明。首相最側近の木原誠二官房副長官も推薦状を受け取ったことが明るみに出たからだ。言うまでもなく、すべて自民党の議員だ。
 旧統一教会サイドと推薦確認書を交わしていたのは、消費者担当副大臣を兼務する大串正樹デジタル副大臣と、山田賢司外務副大臣。いずれも、昨年10月の衆院解散前に署名していた。憲法改正実現や安全保障体制の強化、同性婚合法化への慎重な対応など、教団が関連団体と一体化して掲げる政策の推進を約束したということだ。井出庸生文科副大臣は提示されたものの、署名は断ったという。
 政権にとって、瀬戸際大臣を上回るインパクトなのが木原氏だ。28日の衆院内閣委員会で共産党の塩川鉄也議員から追及され、推薦状の受け取りについて「私、スタッフ、事務所を含めて当時の認識が不足していた。正しくなかった。深く反省し、おわびしたい」と認めた。直近4回の衆院選で受け取った約1000枚の推薦状のリストをチェックし、確認したという。推薦確認書への署名は否定し、「具体的に政策要望などを受けたことはない」などと釈明したが、推薦状をもらったのは、すでに官邸の要である官房副長官の任に就いていた昨秋の衆院選のタイミング。脇が甘かった、じゃ済まされない。

安倍・菅政権以降も旧統一教会は官邸に入り込んでいた
 2016年12月に関連団体主催の会合に参加していたことも、報道を受けて「記憶が呼び覚まされた」とか言って渋々認めたくらいだから、濃厚な接点が後から後から出てくる可能性がある。
 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
官房副長官は首相の外遊にも同行する官邸の要職。安倍・菅政権以降も統一教会が官邸にまで入り込んでいた衝撃は大きい霊感商法などの被害防止策を練っている消費者庁担当の副大臣が利害関係者と近しかったのもヒドい話です。岸田首相は〈国民の声を受け止め、一つ一つ結果を出す〉なんて言っていますが、世間から見れば言っていることとやっていることは真逆。茂木幹事長に押し返され、党内の膿を出し切らなかったツケが回っている」
 中川貴元総務政務官は昨秋の衆院選で教団関係者に電話かけを手伝ってもらい、井野俊郎防衛副大臣は16年11月に後援会メンバーだった教団関係者を法務省内を見学させた可能性を認めている。
 木原氏は今や懐かしい小泉チルドレンの1人。野党から寝返った井出氏と当選1回の中川氏を除く3人は安倍チルドレンだ。地盤が弱い連中が教団票にすがった構図が浮かび上がる。


徹底追及 統一協会 発覚次々 癒着底無し 宮内文科委員長 演壇に 19年の集会 宗教所管 “点検”報告せず
                       しんぶん赤旗 2022年10月28日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)が2019年に福岡県内で開いた集会で、自民党衆院議員の宮内秀樹・文部科学委員長(福岡4区)が演壇に立っている写真を、同協会がネットニュースに掲載していることが27日、本紙の調べで分かりました。宮内氏は集会参加を自民党の自主点検で報告していません宗教を所管する文部科学委員会の委員長としての資格が問われています。(統一協会取材班)
 問題の集会は、19年4月7日に福岡県宗像市で青年信者向けに開いた「ファミリーパワーフェスティバル青年3000名大会」。統一協会関連メディアによると主催は同協会の日本第5地区です。
 統一協会のネットニュース「HJグローバルニュース」(19年4月13日)は、ひとりで壇上に立つ宮内議員の写真を複数、掲載しています。これによると、宮内議員は統一協会のマークを飾り付けた演台に立って話をしていました。
 このニュースでは、話の内容は紹介されていません。ただアナウンサーは、参加した地域の指導者たちが「現代社会の危機を真の家庭運動を通じて解決している家庭連合のビジョンを強く支持しました」と紹介しています。来賓参加者が統一協会の活動を支持した“広告塔”として扱われた形です。
 自民党が9月に公表した自主点検には、宮内議員が統一協会関連団体であいさつしたと記載されています。他方で、同協会主催の会合への出席については報告がありません。
 関連団体でのあいさつについては、「朝日」(9月10日付)が統一協会のダミー団体「九州平和大使協議会」の会合(19年7月)に出席したことを報じています。宮内議員は報じられた会合のみを自民党に報告した疑いがあります。
 自民党の自主点検を巡っては、閣僚を辞任した山際大志郎・前経済再生担当相のように、報告していなかった統一協会との関係が相次いで発覚するなど、ずさんさが問題になっています。
 集会参加などについて宮内議員に文書で質問しましたが、回答はありませんでした。