2022年10月12日水曜日

岸田首相がダメで菅前首相の名前が出てくるブラックジョーク

 安倍氏の国葬における菅前首相の弔辞が、その直前の岸田首相の弔辞があまりにも心に響かなかったのと対照的だったので相対的に菅の株が上がったのは仕方がなかったのですが、それを契機に、菅氏が首相として再登場することを望む声がSNS等で多く上がっているということです。

 ゴーストライターが書いた弔辞であることは常識なのに、まさかその出来がここまでの影響力をもつとは・・・、これまで菅氏の話力を賞賛する声などクスリしたくても聞けなかったのになぜこんな浪花節的展開になるのか ただ呆れるしかありません。
 日刊ゲンダイが、「 ~ 岸田首相がダメで菅前首相の名前が出てくるブラックジョーク」という記事を出しました。まさにブラックジョークに尽きます。
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そして誰もいなくなる自民党
岸田首相がダメで菅前首相の名前が出てくるブラックジョーク
                         日刊ゲンダイ 2022/10/11
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 悪い冗談としか思えない。菅前首相の存在感がじわりと増している。きっかけは先月27日の安倍元首相の国葬で「友人代表」として弔辞を読んだこと。首相在任中には原稿棒読みで「言葉が響かない」と批判された菅だが、この日は違った。
「本当に幸せだった」と声を詰まらせ、在りし日の安倍を振り返ると、昭恵夫人の涙を誘い、会場から異例の拍手が送られた。その直前の岸田首相の弔辞が、いかにも官僚答弁的でまったく心に響かなかっただけに、相対的に菅の株が上がった格好である。
 菅の言論弾圧体質は筋金入りで、首相時代には強権的な政権運営も世論の批判を浴びたが、その手法をかえって「力強さ」と受け取る向きもある。岸田が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)問題の沈静化に手間取る中、党内に限らず、SNS上でも「菅さんなら関係者を更迭して収束させるだろう」との声が上がっている。
 やることなすこと、全てが裏目に出る。グダグダすぎる岸田のダメさ加減が世間に知られ、内閣支持率の下落は止まらない。現職首相のジリ貧を尻目に再び注目を集める前首相──。菅に近い議員は「いずれ再登板もあり得る」と期待する。
 短命に終わった首相経験者が「今よりマシ」の理屈で再登板を望まれるなんて、政権ブン投げの後、歴代最長政権を築いた安倍を彷彿とさせ、不気味だ。それこそ「悪夢」再びである。
 安倍国葬を機に再び巡ってきそうな「この世の春」だが、菅自身は今のところ再登板への意欲を見せていない。

数多くの“時限爆弾”を抱えた黒幕
 かつて自身が安倍を説得したように、周囲から再登板を求められたらどうするのかと2日のフジテレビの番組で問われると、菅は「状況が違う。自分の年齢も分かっている」と語った。12月の誕生日で74歳。自身のグループ立ち上げも「全く考えていない」と言い切った。
 しかし、菅が再登板に後ろ向きな理由は後進に道を譲ることだけだろうか。なぜなら、菅ほど後ろ暗く、疑惑まみれの政治家もいないからだ。
 7年8カ月にも及んだ第2次安倍政権の官房長官として“参謀”役に徹し、時には政権の不正や悪事をもみ消す「汚れ役」も買って出た。菅こそ憲政史上最長政権を陰で支えた黒幕である。
 甘利明元経済再生相のUR口利きワイロ疑惑や、小渕優子元経産相のドリルで証拠隠滅の政治資金規正法違反問題など、安倍政権下で「政治とカネ」の問題が浮上するたび、裏で暗躍。2020年に賭け麻雀問題で東京高検検事長を辞任した「官邸の守護神」こと、法務官僚だった黒川弘務氏らと結託し、捜査を握りつぶすべく動いたとも指摘されている。
 首相時代は長男が絡んだ総務官僚の接待問題で国会の追及を受け、東京地検特捜部が現在捜査中の東京五輪汚職でも、菅の名は挙がる。現在発売中の「週刊現代」は、特捜部が五輪終了後も続いている神宮外苑の最開発工事について、ゼネコンに何らかの便宜を図ったのではないかと疑いをかけていると報じた。
 記事によると、五輪を手がけた電通社員が特捜部の聴取を受けると、多くの人が「菅には会ったのか?」「会ったなら、何を話したのか詳しく言え」と執拗に聞かれているという。ちなみに、五輪のメインスタジアムだった新国立競技場の建設を受注したのは、菅の三男が勤務する大成建設だ。
 数多くの“時限爆弾”を抱えていてもおかしくない疑惑の前首相。なかでも最も危険なメガトン級の爆弾はズバリ、岸田が収束に手間取る統一教会汚染問題である。

全面否定の疑惑に残された多くの傍証
 自民党の点検結果によると、教団側と何らかの接点があった議員は計180人。一定の基準を設けて氏名を公開した125人の中に菅の名前は出てこない。どうやら菅は教団との関係を一切認めていないようだ。
 しかし、この問題への国民の関心の高さからベストセラーになっている「自民党の統一教会汚染 追跡3000日」(小学館)では、著者でジャーナリストの鈴木エイト氏の取材により、菅と統一教会に関する重大な疑惑を指摘している。
 著書の冒頭で取り上げているのは、13年の参院選で全国比例区から初出馬した北村経夫参院議員に対する教団側の選挙支援だ。北村自身は当時、教団側のボランティア支援を受けたことだけを認めているが、鈴木氏が入手した教団側の内部通達FAXには、こう記されてあった。
〈全国区の北村さんは(中略)首相(編集注=安倍)からじきじきこの方を後援して欲しいとの依頼があり〉
 問題は菅の関与だ。この選挙で北村は極秘裏に福岡県内の教団の地区教会に出向き、礼拝に参加、講演を行ったという。この行動を知った支援者である地元不動産会社の社長が北村の選対部長を問い詰めると、「菅官房長官の仕切り」と弁明したというのだ。この件について、菅事務所は鈴木氏の質問状に回答していない。
 この選挙で北村は初当選。その背景には、安倍が「じきじき」に後援を依頼し、菅の「仕切り」で地区教会で講演したことによる教団票の上乗せがなかったのか。
 さらに菅には、より重大な疑惑がある。統一教会の幹部一行を首相官邸に招待した疑いだ。

多くの「子分」が教団と接点は偶然なのか
 17年5月、統一教会の北米大陸会長兼世界副会長の金起勲氏が、現役の米下院議員を含む世界平和国会議員連合のVIPたちを引き連れて来日した。一行は自民党本部を表敬訪問し、高村正彦副総裁(当時)らと会談。都内ホテルで複数の自民党議員が出席した晩餐会も開かれた。
 この来日イベントについて、鈴木氏は前出の著書でこう書いている。
〈これらは、同月19日、韓国で開かれた『天地人真の父母様主管 韓・日・米希望前進大会勝利特別報告会』の場で直接、壇上の金会長からVIP席に鎮座する韓鶴子総裁に報告された。
「12日、ヨシヒデ・スガ官房長官が首相官邸に私どもを招待し、会いました。その日の夜はオモニム(韓鶴子)が17名の代表団をホテルニューオータニに招待し晩餐会を主催してくださいました」〉
 この件について「週刊ポスト」の取材に対し、菅事務所は事実関係を全面否定している。あらためて鈴木氏に聞いた。
「菅事務所が全面否定しても、教団との結びつきがうかがえる『傍証』がいくつも残っているのは、なぜか。また、教団とは菅氏が横浜市議時代からの古い付き合いと指摘する声もある。自民党の点検で菅氏と同じ神奈川選出の衆院議員9人が教団との接点を認めました。うち菅政権の官房副長官だった坂井学氏や山際大志郎経済再生相、山本朋広氏ら、菅氏にとって『子分』と呼べる議員が含まれているのは偶然なのか。官房長官として誰よりも安倍氏と一緒に過ごした菅氏が安倍氏と教団との関係を知らないわけがありません。菅氏本人と教団との関係も含め、追及されてしかるべきです」
 自民党の統一教会総汚染に苦しむ岸田の後釜に菅の名前が出てくること自体、ブラックジョークである。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「今の自民党内は小者だらけでマトモな議員が見当たらないとはいえ、ホンの1年前に首相失格の烙印を押された菅氏の存在が陰に陽に注目されるとは、人材払底を象徴しています。約9年に上る安倍・菅両政権に群がったメディアの面々の思惑が重なり、菅待望論が湧き起こるのは、第2次安倍政権以降の政治の劣化を物語っています」
 いずれ自民党は「そして誰もいなくなる」に違いない。