2022年10月4日火曜日

04- 家庭介入狙う団体 発案は「勝共」幹部/統一協会追及パンフできました

 統一協会の目指す家庭像はいわば戦前の男尊女卑の家父長制です。統一協会はその正体を隠し、熊本県においては「熊本ピュアフォーラム」(KPFという組織を作り、県内の市町村議会に家庭教育支援法の制定を求める意見書の請願運動を展開しました。
 彼らは議会の賛同を得るため巧言を尽くしますが、最終的にそうした家庭像を目指していることに変わりはありません。
 しんぶん赤旗が、熊本県での統一協会による家庭教育支援条例・基本法制定の策動について報じました。
 そのなかでKPFの理事長に祀り上げられた人もその正体は知らされず、実務はすべて協会員である事務局長に任せていた実態やKPFが統一協会の別組織であると知って理事を降りた例も明らかにされました。
 それとは別にしんぶん赤旗が「統一協会追及パンフ」を出しましたので、その記事を紹介します。
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家庭介入狙う団体 発案は「勝共」幹部 全国に先駆け「条例」熊本県での策動
                       しんぶん赤旗 2022年10月3日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)は、全国規模で家庭教育支援条例・基本法制定の運動を呼びかけています。全国に先駆けて2012年に同条例を制定した熊本県で統一協会はどんな策動をしているのか。(統一協会取材班)
 9月中旬、取材班は熊本県南部へ車を走らせました。目的地は芦北町です。山の風景が広がる静かな集落の一軒家に着き、玄関のインターホンを押しました。
 「取材で伺いました。しんぶん赤旗です」
 記者が名乗ると、家から出てきた稲富安氏は、ぎょっとした表情を見せました。
 「帰って!」「いいから帰って!」
 強い口調で記者を追い払った稲富氏は、何者なのか。稲富氏の名前は、熊本県選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書(20年分)にありました。デマや謀略で日本共産党を攻撃してきた統一協会の政治組織「国際勝共連合熊本県本部」の代表です。
 稲富氏の自宅には、「熊本ピュアフォーラム」(KPF)という一般社団法人も登記されています。稲富氏は理事です。
 KPFはホームページで「教育の原点は家庭にある」として「家族愛の啓発運動や青少年の健全育成を基本とした家庭再建運動や社会再建運動にも取り組でおります」と紹介しています。熊本県内の市町村議会に家庭教育支援法の制定を求める意見書の請願運動を進めたのがKPFでした。
 代表理事を務めるのは、元熊本県教育長の田中男氏。取材班は再び車を走らせ、雄大な阿蘇山のふもとにある田中氏の自宅を訪ねました。
 門扉まで出てきた田中氏は、記者の質問に「(KPFは)富氏という事務局長の発案だ」と明かしました。一方、稲富氏が勝共連合県本部の代表を務めていることは「全く知りませんでした」と否定しました。

右派議員も共鳴「家庭教育」暗躍
 統一協会の政治組織「国際勝共連合熊本県本部」代表の稲富安信氏の自宅にある「熊本ピュアフォーラム」(KPF)。「家庭で、男の子には男の子の自覚と理想を教え、女の子には女の子の自覚と理想を教える」との立場で、多様な性を否定しています。

杉田水脈氏も
 2019年4月28日に「青少年を守る家庭の在り方」と題してKPFが主催した講演会。講師として登壇したのは、月刊誌に「(同性カップルの)彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性がない」と寄稿した自民党の杉田水脈衆院議員でした。
 杉田氏は総務政務官の就任会見(8月15日)で、KPFが統ー協会の関連団体だという事実は「確認できていない」と述べました。
 誰が杉田氏を招いたのか-。KPF代表理事で元熊本県教育長の田中力男氏は、講師の手配を「稲富氏がやっていた」と断言しました。
 KPFは16年9月に一般社団法人として登記。翌月の設立記念講演会に講師として招かれたのは、勝共連合幹部の青津和代氏でした。
 勝共連合の月刊誌『世界思想』(18年2月号)は「今こそ家族を守れ」「家庭教育への支援で絆を取り戻す」と題した特集を組み、全国規模で家庭教育支援条例・基本法の制定を求める運動を呼ぴかけています。先進的な例として紹介されたのが熊本県です。
 KPFのホームページには、国に家庭教育支援法の制定を求める意見書の請願を提出した市町議会のー覧が記されています。
 その一つ、玉名市議会では18年9月の定例会でKPFの請願が審議されました。紹介議員は、KPFの理事に名を連ねていた保守系会派の城戸淳市議(現県議)。「公権力による家庭教育への介入が危惧される」と反対したのは日本共産党の前田正治議員のみで、賛成多数で可決されました。
 田中氏によると、請願運動は「全てにおいて稲富氏に任せている」といいます。
 城戸氏は取材に、KPFの理事を辞任する意向を示しました。稲富氏が勝共連合本部の代表だという事実は「全く知らなかった」と説明。辞意を示した理由を聞くと「統一協会との関係が分かったからです。それ以外にありません」と語りました。

正体を隠して
 KPFには他にも統一協会関係者が関与しています。KPFで監事を務めるA氏です。
 統一協会に入信した妻が霊感商法で数百万円を巻き上げられたという県内の男性(70代)によると、交渉で協会側から計360万円が返金された際、返金元の名義がA氏だったといいます。
 取材班はA氏に電話をかけましたが「赤旗は大嫌いだ」といい、会話にもなりませんでした。
 A氏は統一協会のダミー団体「熊本県平和大使協議会」の事務局長でもあります。同協議会の役員名簿には田中氏や稲富氏、統一協会の教会長、県議の城戸氏をはじめとする複数の自治体議員の名前がありました。
 正体を隠して政治家を取り込み、家庭教育支援法など政策実現のために利用するー。協会側の暗躍ぶりが浮き彫りになりました。


統一協会追及パンフできました 危険な実態を告発 しんぶん赤旗特集
                       しんぶん赤旗 2022年10月3日
 統一協会の危険な実態を告発した「しんぶん赤旗」の特集がパンフレットになりました。「統一協会 危険な『二つの顔』」のタイトルで、日本共産党出版局から10月4日に発行されます。
 すでにツイッターには「待ってました!」、「タイムリーで、しかも安い」、「(表紙の)2人が向き合った、横顔にもつぼにも見えるだまし絵が背景とは面白い」など期待が寄せられています。
 「しんぶん赤旗」掲載の「統一協会 危険な二つの顔」(8月28日付)と「矛盾抱えながら『反共』で野合」(9月10日付)を収録。統一協会と半世紀たたかった経験から、「反社会的カルト集団」、「反共・反動の先兵」という本質を簡潔に解明しました。
 A5判32ページ、定価230円。

 お申し込みはお近くの共産党事務所、または出版局。書店で取り寄せもできます。 



(写真)統一協会危険な「二つの顔」