徹底追及統一協会 高額献金編の(3)です。
九州に住む上村雅博さん(70代)=仮名=は、妻が親戚に数百万円を借りるなどして18年1月からの5年間で総額431万1690円もの献金をしました。雅博さんが弁護士と相談して統一協会に返金を要求したところ計360万円が返金されましたが、その後も妻は統一協会にのめり込んでいて、止めるように言っても「あなたはサタンにおかされている」と聞く耳を持たない様子だといいます。
協会を訪ねて「縁を切らせてほしい」と言っても、「奥さんが自分の意思で協会の施設に来たら、私たちは拒むことはできません」という返事でした。
雅博さんは「霊界の存在を信じ込ませて献金を要求する実態は変わらず、信者を洗脳させた上での献金は 『自由な意思』とは言えない」と指摘します。
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徹底追及 統一協会 高額献金編(3) 妻を脱会させたい 親戚に借金し献金続ける
しんぶん赤旗 2022年10月20日
家族や親戚が統一協会 (世界平和統一家庭連合)に入信し、過度な献金で生活資金が尽き果てる被害があとを絶ちません。九州に住む上村雅博さん(70代)=仮名=は、妻が親戚に数百万円を借りてまで統一協会に献金。「妻を脱会させたい」と訴えています。
異変に気づいて
雅博さんが異変に気付いたのは2005年ごろでした。
「妻の親戚から電話があり『お金がほしいと連絡がきている。以前にも貸したことがある。なぜ、こんなにお金が必要なのか』と言うので、おかしいと思った」と振り返ります。
妻の両親や親戚に詳しく聞くと「統一協会でつぽや印鑑を買っているようだ」「統一協会にのめり込んでいる」と、初めて聞く話が出ました。
妻は雅博さんに「先祖の供養をしないといけない。平穏な家庭を保つためには、こういうモノが必要だ」と、統一協会に入信して物品を買ったことを認めました。
雅博さんは妻が献金した数百万円を取り戻そうと弁護士に相談し、統一協会に返金を要求。協会側から計360万円が返金されました。しかし、妻と統一協会の関係は断ち切れませんでした。
「縁を切らせてほしい」と統一協会の施設を訪ねた雅博さん。協会側の担当者は「いいですよ。ただ、奥さんが自分の意思で協会の施設に来たら、私たちは拒むことはできません」と答えたといいます。
今ものめり込む
妻を統一協会の礼拝や信者の集まりに行かせないため、雅博さんは愛車を手放しました。「廃車にすれば行か尨くなると思ったのです。ところが、その後は信者が家まで迎えに来るようになった」
妻は、パートの仕事で得た収入で献金するなど、現在も統一協会に 「のめり込んでいる」といいます。雅博さんは、妻の手帳に記された献金記録を見てメモをとりました。手帳には、17年1月から今年8月にかけて統一協会につき込んだ金額が書かれていました。
毎月の収入の1割を差し出す「10分の1献金」に加えて先祖供養と称する「先祖解怨(かいおん)・先祖祝福」で多額の献金をしていました。親族の70代前までの先祖の供養で54万6000円を献金した記録もありました。約5年間の献金の総額は431万1690円にのぽります。
自由意思なのか
雅博さんは「統一協会は反社会的だ。教祖を神様だと信じ込ませる教義は財産を巻き上げるための手段にすぎず、信者を洗脳してカネを集める詐欺集団だ」と憤ります。
安倍晋三元首相への銃撃事件後、統一協会の問題が連日のように報じられ、雅博さんは「もうやめたらどうだ」と説得。妻は「あなたはサタンにおかされている」「世間の人たちもサタンにおかされている」と聞く耳を持たない様子だったといいます。
雅博さんは指摘します。「霊界の存在を信じ込ませて献金を要求する実態は変わらず、信者を洗脳させた上での献金は 『自由な意思』とは言えない」 (つづく)