2022年10月19日水曜日

徹底追及統一協会 高額献金編(1)豪華宮殿建設に1家庭183万円

 統一協会が「聖なる地」と位置付けている韓国・清平では、日本の信者も参加する「修練会」という洗脳合宿などが行われています。そこにはプレハブのような建物があって信者たちは雑魚寝をしていましたが、13年からそこに「天苑宮」という建物の建設を進めています(オープン予定は来年5月5日)。

 協会が公開した映像によると、天苑宮の本館は白亜の石造建築で高さが最高68m、幅108。「正統クラシック様式」で、エントランスタワーから本館まで236るという、超豪華な宮殿風の建物です
 建設費は公表されていませんが300億円以上と見られ、例によって日本の信者に1家庭あたり183万円もの献金を求めています。恐るべき収奪の精神はここでも発揮されています。しんぶん赤旗が伝えました。
 併せてEWSポストセブンの記事「自民党議員による旧統一教会への“賛辞” 信者同然の関係性を示す『キーワード』」を紹介します。
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徹底追及 統一協会 韓国に豪華宮殿 建設のため1家庭183万円も
                      しんぶん赤旗 2022年10月18日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)が「世界の祖国」「聖なる地」と位置付けている韓国・清平(チョンピョン)。そこに統一協会は「天苑宮(てんえんぐう)」という建築物を中心とした巨大開発を進めています。開祖文鮮明(2012年に死去)の妻、韓鶴子・現総裁が13年から推進。オープン予定は来年5月5日です。  (統一協会取材班)
 清平では、日本の信者も参加する「修練会」という洗脳合宿などが行われています。複数の元信者は 「かつてはプレハブのような建物ばかりで、雑魚寝をしていた。トイレもくみ取り式だった」と声をそろえます。
 古手の元信者は「韓鶴子が総裁になってから、清平の拡大路線に拍車がかかり、『天苑プロジェクト』なるものが始まった」と振り返ります。
 天苑宮は、そのプロジェクトの中核です。一体どんな施設なのか ー。

地上天国モデル
 統一協会が公開した映像によると、天苑宮の本館は白亜の石造建築で高さが最高68、幅108。「正統クラシック様式」で、工ントランスタワーから本館まで236あります。本館は統一協会の本拠地で 「中央庁」と位置付けられています。
 ほかにも ▽文鮮明、韓鶴子の「生涯記念館」 ▽野外彫刻公園や美術館などがあります。文字通り一大プロジェクトで、統一協会は 「地上天国のモデル」と称しています
 韓鶴子自身は苑宮の位置付けをこう説明しています。「天苑宮は地上におられる真の父母(文鮮明、韓鶴子のこと)が人類と全ての国を治められる場所です」(19年7月)。鶴子、統一協会が天苑宮から世界を治める、というのです。
 建設費は公表されていませんが、相当な資金が投入されることが予想されています。問題は建設資金を日本の信者から無理に調達していることです。
 統一協会は天苑宮建設として、日本の信者に家庭あたり183万円もの献金を求めています。古手の元信者は「183万円という数字の意味は、文鮮明と鶴子の年齢を合計した数。だ」といいます。一般家庭からすれば明らかに高額な献金です。

建設費は別枠″
 安倍晋三元首相銃撃事件後、高額献金に社会的批判が高まったことで、統一協会は日本本部の予算を半分にすると表明しました。
 しかし、天苑宮建設のための献金は別枠″です。統一協会の勅使河原秀行・改革推進本部長は記者会見(10月4日)で、天苑宮建設の献金は「予算(の削減)にかかわらず、たぶん韓国に送ることになる」と語りました。
 古手の元信者は批判します。「天苑宮建設は統一協会の自己満足であって、これのどこが信者の救いや世界平和とつながり得るのか、理解ができない」  (つづく)


自民党議員による旧統一教会への“賛辞” 信者同然の関係性を示す「キーワード」
                      EWSポストセブン 2022/10/18
                      週刊ポスト2022年10月28日号
 自民党議員が多く出席していたと公表された旧統一教会関連イベント。そのあいさつで議員が発した教団への「惜しみない賛辞」の内容を見れば、両者がいかに蜜月な関係を築いていたかがわかる。
 自民党所属議員の中でも際立っているのが山本朋広・衆院議員で、旧統一教会主催のイベントに来賓として出席した際は、韓鶴子総裁に最大限の敬意を込めた呼称として知られる「マザームーン」と何度も発言し、教団におもねった(のちに山本氏は「マザームーン」発言について「韓鶴子の韓国語読みがわからず、関係者に英語の愛称を教えてもらった」と弁明している)。
 山本氏に限らず、教団への擦り寄り発言は多くの議員に見られる。
 2015年10月、旧統一教会は幕張メッセにおいて、教団名称変更式典「世界平和統一家庭連合出帆記念大会」を開催した。
 教団悲願の名称変更を成し遂げた記念の式典に、来賓として出席した工藤彰三・衆院議員は檀上から祝辞を述べた。
 「名称が変更しました。家庭という二文字が入りました。真の親方様【※】でございます。私は総裁でありました文鮮明総裁、韓鶴子総裁、この御二方の素晴らしい活動を、今日皆様の前でお話しする時、本当に心から感動を覚えております」
【※/ジャーナリスト・鈴木エイト氏の指摘によれば、旧統一教会内では「真のお父様」「真のお母様」と表現されることが多く、工藤氏も次の来賓挨拶ではそう言い直している】
 総裁夫妻の個人礼賛にとどまらず、教義への賛同を堂々と明かしたのは、島村大・参院議員。2017年10月、幕張メッセで開催されたイベントで挨拶した。
「このフェスティバルは『ONE FAMILY UNDER GOD』という偉大な目標のもと、真の家族の提唱をですね、韓鶴子総裁をお迎えさせていただき開催されると聞いております。皆様方と一緒に韓鶴子総裁をお迎えできることを非常に嬉しく思っております」
 同じイベントに出席した豊田俊郎・参院議員も教団の「信念」を絶賛した。
「皆様は、平和と幸福は家庭からとの信念で真の家庭運動を世界的規模でされているとお伺いをいたしております。そして本日はこの運動を提唱し指導されておられる韓鶴子総裁をお迎えしてメッセージをお聴きになると伺っております。世界平和の実現を目指す皆様方の運動の大きな飛躍の機会となることができるようご祈念を申し上げ、お祝いの言葉に代えさせていただきます」

 鈴木エイト氏が指摘する。
 「一連の挨拶にちりばめられた『家族愛』『真の家族』『世界平和の実現』『家庭集会』などのキーワードが示すのは、教団との密な関係性です。彼らは形式的にではなく、教団の活動に踏み込んで称賛しているのです」
 旧統一教会との定期的な接触を自ら明かしたのは神田憲次・衆院議員。2018年10月、愛知県名古屋市で開催されたイベントで壇上に立った神田氏は深くお辞儀をした後、こう語りかけた。
 私自らも皆様のお仲間と共に定例の家庭集会をさせていただき、そして日々、文鮮明先生のこれまでの話等々に感銘を受け学習をさせていただいておる一人でございます
 まさに信者同然の言葉ではないか。

対策担当大臣まで
 自民党の自浄能力に期待する難しさを感じさせるのが、消費者担当大臣として「霊感商法検討会」を立ち上げた河野太郎・衆院議員の事例だ。2004年7月に東京全日空ホテル(現ANAインターコンチネンタルホテル東京)で行なわれた「平和統一聯合」の創設大会に祝辞を寄せていたと『FRIDAY』(9月23日号)が報じている。本誌もその時の音声を入手したが、その内容はこうだった。
「はるばる大韓民国よりお越しいただいたご来賓の方々に心より感謝申し上げます。この歴史的大会のご成功、そしてその運動のご発展を心から祈念申し上げます」
 平和統一聯合は旧統一教会傘下の団体であり、有力政治家に食い込む教団の力は侮れない
 自民党と教団との関係が明るみに出るきっかけとなった2021年9月の安倍晋三・元首相が関連団体のUPFに寄せたビデオレターでも、
「UPFとともに世界各地の紛争の解決、とりわけ朝鮮半島の平和的統一に向けて努力されてきた韓鶴子総裁をはじめ皆様に敬意を表します」
 という賛辞が贈られていた。安倍氏も含めて調査しない限り、真相はわかるはずがない。

 鈴木氏が語る。
「自民党は少なくとも直近10年を遡って徹底調査し、教団に首根っこを掴まれた議員を公表する必要がある。またマスコミは各議員の過去の発言を精査して関係性の濃淡を見極め、疑惑の中心にいる政治家を厳しく追及すべきです」
 今こそ政治家の言葉の重みを、すべての議員に噛みしめてもらいたい。

    【図解】旧統一教会の関連団体・企業が丸わかり