2022年11月23日水曜日

大規模米軍基地 日本に集中「抑止力」どころか今や恰好の標的に

 米軍が日本の広大な基地に駐留することが日本の安全にとって不可欠というのが、「日米安保条約」を信奉する人たちのいわば「自明の原理」でした。
 実際に日本国内の米軍基地は広大な敷地を有し地上の諸施設も超豪華です。米国防総省22会計年度版「基地構造報告」によるとその資産評価額の総額は約14737580ドル(約20兆6326億円=1ドル140円で計算)に上ります。ここに資産評価額は、別の場所に同じ基地を建設する場合にかかるコストを、基地内の建物の件数や面積などで計算するもので地価は含まれません。
 米軍基地の資産評価額上位4位までを日本国内の米軍基地が占め、10位までの8つの基地に日本国民の税金が使われています。その総額は日本がダントツの1位で、第2位のドイツの約3倍、3位の韓国の約4倍に達します。日本政府は毎年、世界に例のない米軍「思いやり予算」などで施設を新設・改修しているため必然的に評価額が上がったのでした
 日本政府がこんな風に軍事占領の遺産であるはずの米軍基地にしがみ続けるのは、在日米軍を「抑止力」とみなし、そのために基地の維持が不可欠だと考えてきたからに他なりません。しかしいまや周辺国のミサイル攻撃能力が大幅に向上したため、米軍基地は単に格好の標的になっているというのが現実です。
 現実に立脚した自衛構想でなければ全く無意味です。しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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高額米軍海外基地 上位4位が日本 総額20兆円思いやり予算で資産膨張
沖縄・嘉手納が突出
                      しんぶん赤旗 2022年11月21日
 米軍の海外基地のうち最も高価な基地の上位4位までを在日米軍基地が占め、資産評価額の総額は約1473億7580万ドル(約20兆6326億円=1ドル140円で計算)に達することが、米国防総省がこのほど公表した2022会計年度版「基地構造報告」で分かりました。総額で第2位のドイツの約3倍、3位の韓国の約4倍に達します。
 基地別にみると、嘉手納(沖縄県)が米軍の海外基地で最も資産評価額が高く、約196億7024万ドル(約2兆7538億円)と突出。横須賀(神奈川県)、岩国(山口県)、三沢(青森県)と続き、横田(東京都)が6番目に入っています(表)。中でも嘉手納は、面積でもトップであり、名実ともに世界最大の米海外基地といえます。
 資産評価額は、別の場所に同じ基地を建設する場合にかかるコストを、基地内の建物の件数や面積などで計算。地価は含まれていません日本政府は毎年、世界に例のない米軍「思いやり予算」などで施設を新設・改修しているため、必然的に評価額が上がります。
 さらに、米領グアムの基地も資産評価額が急上昇。「在沖縄米海兵隊移転」のためとして、在日米軍再編経費が支出されていることが背景にあります。米領内の基地建設のために他国が費用負担する例は歴史的にも国際的にもほかに例がありません。資産評価額上位10位中8基地に日本国民の税金が使われ、来車の海外基地網を財政面で支えていることになります。

■米海外基地・貴意評価額上位単位:100万ドル)

 ① 嘉手納(日本・沖縄)      19670
 ② 横須賀(日本・神奈川)     13651
 ③ 岩 国(日本・山口)      13642
 ④ 三 沢(日本・青森)      12403
 ⑤ キャンプ・ハンフリーズ(韓国) 12015
 ⑥ 横 田(日本・東京)      11339
 ⑦ アンダーセン(米領グアム)   11317
 ⑧ グアム海軍基地(米領グアム)    9656
 ⑨ キャンプ瑞慶覧(日本・沖縄)   8124
 ⑩ グアンタナモ(キューバ)     7652

       ※2021年9月現在。米領グアムを合む
        青字部分は日本政府の予算が投入された基地


大規模基地 日本に集中 「抑止力」どころか今や標的
                      しんぶん赤旗 2022年11月21日
 米国防総省「基地構造報告」では、資産評価額24億1500万ドル(約3381億円=1ドル140円で計算以上を「大規模基地」に分類しており、海外では35基地が該当します。このうち16が日本に集中しており、他の米同盟国と比較して突出していることが分かりました。
 同報告によれば、米国は海外領などを含め、43の国・地域に544の海外基地を置いています。そのうち約9割にあたる489基地を資産評価額が低い「小規模基地」に分類。大規模基地は件数でみれぱわずかであり、その多くが日本に集中しているのです。
 米軍は第2次世界大戦後、「戦勝国」として他国に基地を建設。地球規模の基地網を築いてきました。しかし、平時から他国軍が駐留していることは主権侵害とみなされ、多くの国で政治的あつれきが生じ、基地は大幅に削減されてきました。また、海外での巨大基地の維持には莫大(ぱくだい)なコストがかかります。
 ところが日本政府は、米軍による軍事占領の遺産″であるはずの基地にしがみ続け、唯々諾々と基地の維持・強化費を負担してきました
 日本政府は、在日米軍を「抑止力」とみなし、そのために基地の維持が不可欠だと主張しています。しかし、中国など周辺国の攻撃能力が大幅に向上し、今や日本は丸ごとミサイルの射程圏内に入っています。東アジアで米軍が関与する紛争が発生すれば、在日米軍基地が格好の標的になることは明らかです。
 日本政府は、米軍基地のために税金を投入し続けていることが主権放棄であるだけでなく、国土を危険にさらす行為であることを自覚すべきです。

多数の非公表基地
 米軍は、対テロ作戦jのための秘密基地や、受け入れ国との関係上、非公表にしている基地を多数有しています。米アメリカン大学デービッド・パイン准教授の著書『米軍基地がやってきたこと』 (Base Naton)によれば、2015年時点で約800の海外基地が存在。ただ、非公表の基地はいずれも小規模基地とみられます。

米国防総省が「大規模基地」に指定した在日米軍基地
【本土】三沢(青森)、横田(東京)、横須賀(神奈川)、厚木(同)、吾妻倉庫地区(同)、キャンプ座聞(同)、岩国(山口)、佐世保(長崎)、横瀬貯油所(同)、庵崎貯油所(同)

【沖繩】嘉手納、キャンプ瑞慶覧、嘉手納弾薬庫、キャンプ・ハンセン、キャンプ・キンザー、普天間