2022年11月8日火曜日

08- 徹底追及 統一協会 信者2世編III(下)/山際氏 党役職に就任

 シリーズ「徹底追及 統一協会」信者2世編III(下)では、Aさんが大学生になってから、18歳で集団結婚し、出産後に離婚を決意するまでのことが語られています。
 併せてしんぶん赤旗の「主張 山際氏 党役職就任 首相はどこまで無反省なのか」を紹介します。
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徹底追及 統一協会 信者2世編III(下)
青春を奪われた 集団結婚で海外へ
                       しんぶん赤旗 2022年11月7日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)信者の親が集団結婚して生まれた「祝福2世」の女性Aさん(30代)は、子どものころから信仰を強いられてきました。
 「バイトをしたり、旅行をしたりなど普通の青春を送れませんでした。将来について考える時間もなかったです」とAさんは振り返ります。
 幼いころから祈とうや断食、学生になってからは統一協会の学生団体であるCARP(原理研究会)で、ニセの募金活動などもやらされました。自由に恋愛をすることもできませんでした

搾取され続け
 そんなAさんは、18歳で開祖・文鮮明が相手を決める集団結婚をします。
 「ずっと恋愛が禁止されていたため、誰かを好きになりたい気持ちが強く、若くして祝福を受ける人が多かったです」
 夫は海外に暮らしていました。大学を卒業してから夫のいる国へ向かいました。その間に夫に会えたのは3回だけ。CARPの活動で忙しく、旅費をためる時間がなかったといいます。
 統一協会は、結婚相手を決めるだけで、ビザや渡航費用を用意しません。Aさんらは、日本で夫婦生活を送っていないため、ビザを取るのも一苦労。国際カップルのブログを見ながら、ひとりで準備しました。
 夫は学生でまともな収入はありません。言葉もままならず、右も左も分からない土地で出産。その直後から生活費を得るためスナックで働きました。
 一緒に暮らしていた義両親も統一協会の信者でした。しかし、日本と比べて高額な献金がなく、先祖の怨念を解くなどと称する「先祖解怨(かいおん)」の金額も安いことにショックを受けました。
 それでも、周りの家庭と比べて貧しく、Aさんは毎月義両親に6万円の生活費と、孫の世話代として数万円を払いました。さらに、夫の奨学金ローンを支払うと、手元に残るお金はわずかだったといいます。
 「スナックに来るお客さんはみんな幸せそうなのに、どうして自分は搾取され続けているのだろう。文鮮明が望んでいることなのか」

お金を借りて
 洗脳され、信じていれば救われると思っていたAさんでしたが、夫の奨学金ローンは1000万円に膨らんでいました。
 「このまま生きていたら自分の人生を楽しめない。子どもも苦労する」。離婚を決意します。
 しかし統一協会では離婚がタブーです。母親は、Aさんの離婚の話を聞き駆け付けました。離婚をやめるよう説得するため、渡航費を親戚に借りてまで来たのです。
 私が子どもを出産し大変だった時、親は献金を優先し『お金がない』と言って、来てくれませんでした。私の苦労よりも統一協会が大事なんだと知りました。信者になっていいことはありませんでした」(信者2世編その3 おわり)


主張山際氏 党役職就任 首相はどこまで無反省なのか
                       しんぶん赤旗 2022年11月6日
 統一協会との密接な関係が次々判明し閣僚を辞めたばかりの山際大志郎前経済再生担当相が自民党のコロナ対策の本部長に起用され、国民の批判を集めています。「記憶にない」などと関係の隠ぺいと言い逃れを続けた山際氏を党の役職に就けたことは、岸田文雄政権の無反省さを示しています。複数の副大臣らをめぐり統一協会とただならない接点があったことも判明し、癒着は底なしです。それにもかかわらず、首相は政府としても党としても責任ある調査を拒み続けています。解明に背を向け、いくら「関係を断つ」といっても説得力はありません

副大臣らの疑惑も底なし
 山際氏が自民党新型コロナウイルス等感染症対策本部長に就任したのは10月28日です。閣僚を辞任したのは直前の24日です。11月4日の国会で首相は「人物の経歴、経験を踏まえて総合的に判断した」と述べ、問題ないとの認識を示しました。国民の感覚とあまりにかけ離れています。
 山際氏が怒りを買ったのは、統一協会の韓鶴子総裁らとの親密さが問われただけでなく、外部から指摘されるまで事実を認めない不誠実な態度をとったためです。説明責任を果たさず信頼を失い、閣僚が務まらなかった山際氏をコロナ対策という国民の命と健康に関わるポストにあてたことに自民党内からも疑問が出ています。「日経」世論調査(10月31日付)では、統一協会との関係を十分説明しない閣僚・党幹部は「辞任すべきだ」が51%で「辞任の必要ない」38%を上回りました。民意に逆らう政権の姿勢は重大です。

 本紙日曜版が10月23日号から3週連続で追及している井野俊郎防衛副大臣の統一協会との癒着も深刻です。政治資金集めパーティーの券購入などをしてもらい、法務政務官だった2016年には、統一協会関係者を法務省などに招いていました。同協会関係者が多く加わる後援会も今年8月の防衛副大臣任命後も、発覚するまで存続させていました。「任命以降、接点が見つかったならば、閣僚をはじめそれぞれの役を辞めてもらう」(10月20日、岸田首相)との言明に照らせば副大臣にとどまれない事態です。曖昧にできません。

 大串正樹デジタル担当副大臣と山田賢司外務副大臣は、統一協会側が昨年の総選挙の際に示した「推薦確認書」に署名したことをそれぞれ認めました木原誠二内閣官房副長官も昨年の総選挙で同協会の関連団体から推薦状を受けとっていました
 事実上の政策協定である推薦確認書などについて自民党は点検を求めていません。しかし、「共同」世論調査(10月31日付)では、「推薦確認書の実態を自民党は調べるべきだ」が82・4%に達しました。「党の政策に反していなければ、選挙で猫の手も借りたいような議員はサインする」(世耕弘成・自民党参院幹事長、同26日のテレビ番組)などと開き直るのは許されません。

きっぱり断ち切るために
 反社会的活動が司法で何度も断罪されてきた統一協会と政界の癒着を今こそきっぱり断ち切らなければなりません。これまでの癒着を洗いざらい調査し、公表することが不可欠です。それができない岸田首相と自民党には政権を担う資格そのものが問われます。