2022年11月9日水曜日

統一協会開祖と安倍氏の関係 自民党は徹底調査を 小池書記局長が要求

 共産党の小池晃書記局長は7日、国会内で記者会見し、7日付毎日新聞が報じた統一協会開祖・文鮮明の発言録で、1989年に自民党・安倍派を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた事実が明らかになったのは「極めて重大」で、「安倍家3代の岸信介氏、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏は、半世紀にわたって自民党政治の中心にいて、統一協会の開祖である文鮮明と直接、密接な関係を持っていたことが発言録でも裏付けられた」と強調し、安倍晋三元首相と統一協会との関係を調査するよう改めて求めました。
 その上で、「個々の政治家任せの調査ではなく、自民党と政府の責任で、統一協会と政治家、政権との深刻な癒着について徹底的に解明する必要がある」と主張しました。
 上記発言録は615巻で、日本に知られると都合の悪いことも多く含まれているため日本語訳はなく既に絶版となっています。
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 上記の末尾の記事(タイトル)「統一教会・文鮮明“お言葉集”発掘 『安倍晋太郎は私と契約書を書いた』『福田赳夫と中曽根は私が首相にした柳 錫 文春オンライン
を参照ください。
 しんぶん赤旗と毎日新聞の記事を紹介します。
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開祖と安倍氏の関係 自民党は徹底調査を 統一協会 小池書記局長が要求
                       しんぶん赤旗 2022年11月8日
 日本共産党の小池晃書記局長は7日、国会内で記者会見し、同日付「毎日」が報じた統一協会(世界平和統一家庭連合)開祖・文鮮明の発言録で、1989年に自民党・安倍派を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた事実が明らかになったのは「極めて重大だ」と述べ、安倍晋三元首相と統一協会との関係を調査するよう、改めて求めました。
 小池氏は「安倍家3代の岸信介氏、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏は、半世紀にわたって自民党政治の中心にいて、統一協会の開祖である文鮮明と直接、密接な関係を持っていたことが発言録でも裏付けられた」と強調。「この問題の根本には、自民党中枢と統一協会・文鮮明との長年にわたる抜き差しならぬ関係がある」と指摘しました。
 その上で、「個々の政治家任せの調査ではなく、自民党と政府の責任で、統一協会と政治家、政権との深刻な癒着について徹底的に解明する必要がある」と主張しました。
 この間、岸田文雄首相は、安倍氏に関する調査を故人だとの理由で拒否しています。小池氏は「この発言録は615巻もあると報道されている。この文書も含めて、調査すべき材料は十分にあるのではないか」と指摘し、安倍氏の調査を重ねて要求しました。


旧統一教会教祖の発言録が流出 「安倍派を中心に」浮かぶ政界工作
                             毎日新聞 2022/11/6
 (スクープ 坂口裕彦 渋江千春 田中裕之
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が1989(平成元)年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥「安倍派」(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた。約53年分にわたり韓国語で記された文氏の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。【田中裕之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】
韓国語版のみ全615巻の発言録
 晋太郎氏の息子で、今年7月の銃撃事件で凶弾に倒れた安倍晋三元首相がいつ、どのように教団と深い関わりを持ったかについてはなお謎が多い。晋太郎氏の義父・岸信介元首相と文氏との間で築かれた関係が源流にあるとされるが、その後を継いだ晋太郎氏を足掛かりにした教団の政界工作が、教祖の肝いりで模索されていた可能性が浮かんだ。
 発言録は、韓国の教団系出版社「成和出版社(現・天苑社)」が信者向けに発行した「文鮮明先生マルスム(御言<みこと>)選集」。
 文氏が56年から2009年に信者に向けて説教した言葉が韓国語で記され、各巻は約300~400ページに及ぶ。文氏が死去した12年まで615巻が発行されたが、既に絶版となっており入手は困難。日本語版はない。
 毎日新聞は、全615巻と同内容とみられる文書を掲載し、全巻のPDFを公開しているウェブサイトの存在を把握。日本の教団広報部に対し、「文鮮明先生マルスム(御言)選集」と同一のものか確認を求めた。
 同広報部は取材に対し「サイトに上がっている内容は成和出版社が発行した文鮮明教祖の御言選集であることは確か」とメールで認めた。ただ、このサイトは教団と関係がなく、不法転載によって著作権を侵害しているとして、韓国の教団がサイト側に対し、法にのっとった措置を促しているという。
 そのうえで、この発言録の性質について「文氏が韓国で語った説教をまとめた書物で、信者の拝読用に使用される」と説明。「信者の行動指針として特別に使われることはない」とした。だが、歴代首相の氏名や日本の地名など発言は詳細で、日韓関係や天皇など敏感な話題にも具体的に触れている。
 元信者で教団関連の「世界日報」記者だった金沢大の仲正昌樹教授(政治思想史)は「文氏が韓国で語っていた内容をまとめて目にしたのは初めて。日本人の信者向けの発言集に比べると過激な印象だ」と話す。

発言録に記された日本政界との関わり
 「文鮮明先生マルスム(御言)選集」468巻264ページの記述によると、文氏は04年9月16日の説教の中で「岸首相…
             (以下は有料記事のため非公開)


文鮮明氏、安倍元首相就任直後「秘書室長と面会を」 発言録で判明
                             毎日新聞 2022/11/7
 (スクープ 金森崇之 坂口裕彦 渋江千春 田中裕之
 安倍晋三元首相が2006年に第1次政権の首相に就任した1週間後、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)創始者の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏(12年に死去)が安倍氏の「秘書室長」と面会するよう信者に指示していたことが、文氏の発言録で判明した。首相の座に就いた安倍氏に教祖主導で接近を試みる教団の姿が浮かんだ。【田中裕之、金森崇之、ソウル坂口裕彦、渋江千春】

「秘書室長」は「ナカガワ」
 発言録は、文氏が1956~2009年に韓国内で信者に説教した言葉を韓国語で収録した「文鮮明先生マルスム御言(みこと)選集」。各巻約300~400ページで全615巻あるが、絶版で入手は困難。毎日新聞は、日本の教団広報部が「(全巻を)不法転載している」とするウェブサイトで当該発言を翻訳・確認した。
 541巻273ページの記述によると、安倍氏が首相に就任した1週間後の06年10月3日、文氏は「安倍が首相になったと聞いている」と語った。安倍氏の前任として5年半近く在職した小泉純一郎元首相にも言及しており、日本の政権を強く意識していたことをうかがわせる。
 文氏はこの発言に続き、有力信者を名指しして「その(安倍氏の)秘書室長の名前は何だ」と尋ねた。信者…
             (以下は有料記事のため非公開)