2022年11月11日金曜日

東京高裁 はすみとしこ氏に増額賠償命令 伊藤詩織さんへの名誉毀損認め

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが、自身を中傷するイラストをTwitter上に投稿され名誉を傷つけられたとして、漫画家のはすみとしこ蓮見都志子さんと、投稿をリツイートした男性に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10日、東京高裁であり、はすみさんに対し一審の88万円から増額して110万円の支払いを命じました。また男性には新たに11万円の支払いを命じ、男性の賠償額は計22万円となりました
 伊藤さんは判決後、記者団に「誹謗中傷に対する世の中の見方は変わってきている。イラストを忘れることはできないが、区切りがついて良かった」と語りました(時事通信)
 はすみさんは17年6月〜19年12月、伊藤さんとみられる女性や、「枕営業大失敗」などと書いたイラストなど5件を投稿しました
 高裁判決では、はすみさんの投稿が、「『枕営業』に失敗して仕事のあっせんの見返りを得られなかった伊藤さんが、性暴力の被害者を詐称しているとの意味において用いられたものと解される」と指摘し、一審と同様に「社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認めはすみさんのツイートやイラストの表現について、伊藤さんの社会的評価に与える影響が大きい上、「名誉権及び名誉感情の侵害の程度が著しく、伊藤さんが被った精神的苦痛の程度は多大なもの」と結論づけました。
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はすみとしこさんに110万円の賠償命令。伊藤詩織さんの中傷イラストを投稿 東京高裁
                     ハフポスト日本版 2022年11月10日
性暴力被害を公表したジャーナリストの伊藤詩織さんが、自身を中傷するイラストをTwitter上に投稿され名誉を傷つけられたとして、漫画家のはすみとしこさんと、投稿をリツイートした男性に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が11月10日、東京高裁であった。
岩井伸晃裁判長ははすみさんに対し、一審の88万円から増額して110万円の支払いを命じた。男性には新たに11万円の支払いを命じ、男性の賠償額は計22万円となった。
一審判決によると、はすみさんは2017年6月〜19年12月、伊藤さんとみられる女性や、「枕営業大失敗」などと書いたイラストなど5件を投稿した。
一審判決はこれらのイラストについて、伊藤さんが「(性被害に遭ったという)虚偽の事実を述べる人物であるなどの印象を一般の読者に与える」ものであり、「社会的評価を低下させるものというべき」だと指摘。その上で、「社会通念上許容される限度を超えた侮辱行為」だと判断した。
伊藤さんは、はすみさんの投稿をリツイートした男性2人も提訴し、慰謝料の支払いなどを求めていた。
一審判決では、今回のリツイート行為に関して、はすみさんによるツイートが「各被告ら自身の発言ないし意見でもあるといえる」と認定。「その内容についてそれぞれ責任を負うというべきである」と指摘し、2人に対してそれぞれ11万円の支払いを命じた。
一審判決後、はすみさんと男性1人が控訴していた。

高裁判決では、はすみさんの投稿が、「『枕営業』に失敗して仕事のあっせんの見返りを得られなかった被控訴人(伊藤さん)が、性暴力の被害者を詐称しているとの意味において用いられたものと解される」と指摘。「社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認めるのが相当」だと判断した。
はすみさんのツイートやイラストの表現について、伊藤さんの社会的評価に与える影響が大きい上、「名誉権及び名誉感情の侵害の程度が著しく、被控訴人が被った精神的苦痛の程度は多大なものというべき」だと結論づけた。
さらに判決は、男性が一審判決後、別のTwitterユーザーがツイートした伊藤さんの社会的評価を低下させる投稿をリツイートして、名誉感情を侵害したと認定。新たに11万円の支払いを命じた。


伊藤詩織さん中傷ツイート、2審もはすみとしこさんとリツイートした男性に賠償命令
                    弁護士ドットコムニュース 2022/11/10
ツイッターの投稿で名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの伊藤詩織さんが漫画家のはすみとしこさんと投稿をリツイートした男性に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が11月10日、東京高裁であった。
岩井伸晃裁判長は、1審・東京地裁判決を変更し、はすみさんに110万円の支払いを命じた。1審が80万円とした慰謝料を、100万円に増額した。
リツイートした男性に対しては、1審判決後に新たにはすみさんのイラストが添付された投稿をリツイートして名誉感情を侵害したとして、さらに11万円の支払いを命じた

●1審の判断は?
2021年11月の東京地裁は、はすみさんのツイートが伊藤さんの名誉を毀損し、名誉感情を侵害する違法なものと認定。
コメントをつけずにはすみさんの投稿をリツイートした他2人についても「被告らによる、被告ら自身の発言ないし意見でもあると言える」とし、賠償責任を認め、それぞれ11万円の支払いを命じていた。
はすみさんと男性が判決を不服として控訴していた。

●高裁の判断は?
岩井裁判長は、はすみさんが「伊藤さんが主張する性被害が虚偽であり枕営業だった」という旨のツイートをイラストも交えて繰り返しており、伊藤さんの性被害を認定した判決が言い渡された後もツイートを投稿していること、イラストの表現が伊藤さんをことさらに揶揄し侮蔑するもので名誉感情をさらに著しく侵害するものであること、多数の読者に閲覧されて拡散していることなどから、慰謝料の額を100万円と認めた
男性は2021年11月の東京地裁判決の翌日、伊藤さんの社会的評価を低下させ名誉感情を侵害するイラストが添付されたツイートをリツイートした。

この新たなリツイートについても、岩井裁判長は「イラストの内容に賛同する意思を示し、その内容を拡散し流通させるリツイート投稿者自身の表現行為と解するのが相当」として、名誉感情侵害を認めた。