2022年11月14日月曜日

14- オリックスのDHC買収でネトウヨの巣窟「虎ノ門ニュース」が終了へ(LITERA)

 11日オリックスがDHCテレビの親会社であるDHC(健康食品・化粧品・医薬品メーカー)を事業継承目的で買収すると発表しました。

 これに伴って、DHCテレビジョンが制作するネット配信番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』が11月18日をもって終了することが7日に発表されていました。 
 『虎ノ門ニュース』といえば、百田尚樹氏や有本香氏、ケント・ギルバート氏、竹田恒泰氏などといった安倍政権応援団がコメンテーターとして勢揃いし、ヘイトと陰謀論、フェイクを撒き散らかしてきた“ネトウヨの巣窟”的番組とされてきました発足以来7年8カ月になりますが、そうしたものが姿を消すのは喜ばしいことです。
 LITERAが取り上げました。
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オリックスDHC買収で「虎ノ門ニュース」だけでなくヘイトデマ垂れ流しの「DHC テレビ」も解体の動き 問われる吉田会長の責任
                            LITERA 2022.11.13
 今月7日、DHCテレビジョンが制作するネット配信番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』が11月18日をもって終了すると発表された。『虎ノ門ニュース』といえば、百田尚樹氏や有本香氏、ケント・ギルバート氏、竹田恒泰氏などといった安倍政権応援団がコメンテーターとして勢揃いし、ヘイトと陰謀論、フェイクを撒き散らかしてきた“ネトウヨの巣窟”的番組。それが7年8カ月の歴史に幕を下ろすと公表され、歓迎の声の一方で「いったいなぜ」と憶測を呼んでいたのだが、その理由が明らかになった。
 11日にオリックスが、DHCテレビの親会社であるDHCを、事業継承目的で買収すると発表したのだ。
 オリックスはDHC創業者でDHCテレビの代表取締役会長でもある吉田嘉明・DHC会長兼社長から全株式を買い取り、吉田会長兼社長は株式譲渡完了後に退任する。日本経済新聞によれば、今回の買収総額は3000億円程度にのぼると見られ、〈事業承継目的のM&A(合併・買収)では過去最大規模〉だという。
 じつはこのオリックスによる発表より前に、『虎ノ門ニュース』中心メンバーである百田尚樹氏が自身のYouTube配信で『虎ノ門ニュース』終了に言及した際、「親会社がちょっといろいろ、M&Aと言いますかね」「会社の都合なんです」などと口を滑らせていた。これには「インサイダー情報では」と指摘の声があがったせいか動画は非公開になってしまったが、まさに百田氏のフライング情報通り、親会社の買収が番組終了の理由だった、というわけだ。
 実際、この買収によって終了となるのは、『虎ノ門ニュース』という番組だけではないかもしれない。
 というのも、『虎ノ門ニュース』のチーフプロデューサーであり、番組にもたびたび出演してきたDHCテレビの山田晃社長が、いつのまにかDHCテレビを辞任。『虎ノ門ニュース』11月4日(金)放送回まではプロデューサーとしてクレジットされていたが、番組終了が発表された11月7日(月)放送回ではその名前がクレジットから消えている。また、DHCテレビが制作してきた『#渋谷オルガン坂生徒会』が10月29日をもって終了し、『ときめき♡BBA』も11月18日以降の放送予定がアナウンスされていない状態だ。さらに、『#渋谷オルガン坂生徒会』番組関係者のツイートでは、渋谷のハンズ(旧・東急ハンズ)1階に設置されている「DHC渋谷スタジオ」も「10月末に契約満了で閉館した」という。ただし、現時点ではまだ「DHC渋谷スタジオ」は存在しており、公式にも閉館とは公表されていないため、今後動きがあると見られている。
 このような流れから、DHCの買収にともなって『虎ノ門ニュース』が番組終了となるだけではなく、DHCテレビ自体が解体されるのではないか、という見方が出てきているのだ。
 
DHCテレビ『ニュース女子』は沖縄ヘイトデマと在日差別扇動 BPOからも東京高裁からも厳しく批判
 いまさら説明するまでもないが、DHCテレビといえば、『虎ノ門ニュース』でのフェイク・ヘイト垂れ流しにとどまらず、沖縄ヘイトデマを放送した『ニュース女子』問題で、放送倫理・番組向上機構(BPO)が「重大な放送倫理違反」「名誉毀損の人権侵害」があったと指摘・認定。また、市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉・共同代表が起こした名誉毀損裁判では、一審・二審ともDHCテレビ側の主張を「事実無根」と断罪。今年6月の控訴審判決では「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない構成」だったと踏み込み、東京高裁は一審を支持しDHCテレビに損害賠償550万円とウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じている
 だが、こうしたデマ・差別認定後も、DHCテレビ側は反省するどころか、デマ・差別を上塗りするかのような姿勢をあらわに。BPOが「重大な放送倫理違反」だと意見書を出したあとも「基地反対派の言い分を聞く必要はない」「言論活動を言論の場ではなく一方的に『デマ』『ヘイト』と断定することは、メディアの言論活動を封殺する、ある種の言論弾圧」「今後もこうした誹謗中傷に屈せず、日本の自由な言論空間を守る」などという見解を変えず、辛淑玉氏に敗訴した控訴審判決後も「不当判決だ」とし、番組の削除が求められなかったことから「プチ勝訴」と主張する始末。同時に上告の意向を表明していた。
 このように、裁判所も認定したデマや差別を放送しながら、一貫して強気の態度で開き直ってきたDHCテレビ。ところが、親会社が買収された途端、看板番組が終了し、そのヘイトデマの正当性をがなり立てていた社長がいなくなって、会社自体の存続も危ぶまれる事態となっているのだ。
 しかし、考えてみれば、当然だろう。そもそもDHCテレビというのは、代表者の吉田嘉明・DHC会長兼社長の存在あってこそのメディアであり、その内容も明らかに吉田会長の思想が反映されたものだった。
 本サイトでは何度も取り上げてきたが、吉田会長は極右・歴史修正主義をがなりたてている企業経営者のひとりで、2016年には「DHC会長メッセージ」のなかで在日コリアンにかんするデマを書き立てた上で〈似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう〉などとヘイトスピーチを堂々と掲載したhttps://lite-ra.com/2017/01/post-2865.html)。
 さらに、2020年12月には、同社の公式オンラインショップ上のコラムで、サプリ商品で競合しているサントリーについて〈サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです〉〈DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本企業です〉などとヘイトスピーチそのもののデマ文章を掲載。ネット上で大きな批判を浴び、「#差別企業DHCの商品は買いません」というハッシュタグがトレンド入りしたほどだった。
 
DHC吉田会長「NHKの社員はほとんどがコリアン系」「サントリーCM出演者は全員コリアン系」と繰り返し差別デマ
 だが、そうした批判もよそに、さらに酷いことが起こる。2021年4月、吉田会長によるこの差別コラム問題をNHK『おはよう日本』が取り上げたのだが、NHKの取材に対して、吉田会長は問題になったコラムにつづけるかたちで、新たな差別デマを書き連ねたのだ(現在は削除)。
〈(NHK記者の)名前を聞いて、明らかに在日系が好む日本名であることから、NHKを騙るコリアン系の反日日本人かと思ったが、NHKに問い合わせてみると確かに在籍しているとのこと。〉
〈小生は常々、日本の朝鮮化ということを何よりも危惧しているが、その元凶であるNHKからの問い合わせに小躍りした。〉
〈朝鮮化ということではNHKは最も触れられたくない問題のはずである。これはもう日本国民の誰もが気がついていることであると思うが、NHKは幹部・アナウンサー・社員のほとんどがコリアン系である。出演者についても、学者・芸能人・スポーツ選手の多くがコリアン系であり、ひどいことに偶然を装った街角のインタビューさえコリアン系を選んでいる。予めリストアップしているのである。特徴のある名前とつき出たあご、引きしまった小さな口元、何よりも後頭部の絶壁ですぐ見分けがつく。〉
〈サントリーが日本海を「東海」と言おうが、社員・タレントをコリアン系ばかりにしようと、一私企業であるから誰も文句は言えない。NHKは全国民から強制的に受信料をむしりとっている公的機関であるから放置するわけには行かない。〉
 なんと吉田会長は、NHKの幹部、社員、出演者、さらには、街頭インタビューに出てくる一般人までを「コリアン系」だと決めつけたのだ。NHKの局員や出演者にコリアンルーツの人がいるとしてもなんら問題ではないし、このように国籍やルーツをあげつらうことは、外国籍や外国にルーツを持つ人々の生存権を奪うことにつながる差別煽動以外のなにものでもない。しかも、「名前や外見ですぐ見分けがつく」などと言っているところをみると、「コリアン系」という言葉を「反日」の比喩として言っているのではなく、NHKが在日コリアンに乗っ取られていると本気で信じ込んでいるらしい。
 しかも、吉田会長がコリアン系に支配されていると主張したのは、NHKだけではない。その後の文章では、野党、自民党の一部、さらには経団連までがコリアン系で占められている……という荒唐無稽なヘイトデマを主張したのだ。
 
買収総額3000億円、吉田会長らに巨額の金を払うオリックスにも社会的責任
 このように、ネットに横行するヘイトのなかでももっとも質も悪いネトウヨの差別・陰謀論を抽出して煮詰めたような主張を展開していた吉田会長。DHCテレビが、裁判所やBPOがデマ・差別を認定しても反省するどころか増長してきたのは、こうした思想を持つ吉田会長に支えられてきたからにほかならないのだ。
 こんな組織を、上場企業であるオリックスがそのまま引き継げるはずがない。実際、オリックスは、欧米やアジアを中心に世界約30の国・地域に事業所を持ち、グローバルな事業を展開している。もし、DHCテレビのような民族差別や歴史修正主義を助長するメディアを抱えていることが国際社会に知れ渡れば、たちまち事業は立ち行かなくなるだろう。
 そういう意味では、オリックスによる買収にともなうかたちで、DHCを冠にしたヘイトメディアは消滅する可能性はかなり高いと思われるが、そのことを手放しで喜ぶことはできない。このままでは、オリックスの事業継承によって、吉田会長やDHCテレビが喧伝してきた犯罪的なヘイト・陰謀論などがなかったことにされ、問題自体がフェードアウトしてしまう恐れがあるからだ。
 しかも、DHCテレビがなくなっても、もっとも酷いかたちで復活する可能性もある。前述したように、今回の買収総額は3000億円程度と言われており、吉田会長は莫大な金を手に入れることになる。新たなメディアを立ち上げることはもちろん、巨額の資金をバックに政界に進出しても、何ら不思議はない。
 こういった暴挙を許さないためにも、DHCの名の下に吉田会長が垂れ流してきた差別、DHCテレビが流布してきたデマやヘイトをなかったことにせず、その犯罪性を改めて徹底的に糾弾していく必要がある。
 そしてもちろん、DHCを買収し、吉田会長に巨額の金を払うことになるオリックスもその社会的責任が問われるべきだ。
 オリックスは、メディアの取材に「人種などによるあらゆる差別を容認しない」という通り一遍のコメントを出しただけで、ネット上では「差別を容認しないなら、なぜそんな会社を買うのか」と批判を受けているが、たしかに、この程度の対応でお茶を濁していいはずがない。
 少なくとも、DHCの事業を引き継ぐ以上、その代表、会社および関連会社がやってきた行為についてきちんと総括したうえで、吉田会長をきちんと名指ししてヘイトを批判し、社会や被害者に対して真摯に謝罪する必要があるはずだ。 (編集部)