統一協会側は信者に対する献金ノルマの存在を否定しますが、元信者らは口をそろえて「ノルマはあった」と断言します。司法によって協会側は霊感商法による莫大な収奪が暴かれて止めざると得なくなると、今度は信者から直接献金として莫大な額を収奪するようになりました。
これによって霊感商法禁止後も年間数百億円という韓国の本部への上納金が維持されたのでした。都内に住む元信者には現役時代 統一協会の教会から献金を求めるファクスが頻繁に届いていたといいます。こうした事実は幹部がどんなに否定しようとも隠せません。
また、元信者や被害家族からの献金返還要求に困窮した協会は、その後献金者から「献金は自由意志で行った」とする不起訴合意の「念書」を取り付けるようになり、返還要求の訴訟を起こしても認められなくなりました。信者たちはマインドコントロールされたもとで念書を書かされるわけなので、「宗教組織」にあるまじき狡猾さといえます(⇒「『念書』盾に返金せず ~ 」)。
その他、併せて4つのしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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徹底追及 統一協会
献金強要「神のため」「ノルマあった」 元信者ら口々に
しんぶん赤旗 2022年11月10日
統一協会(世界平和統一家庭連合)が信者家庭に献金を強要することで、信者の子どもまで経済的に困窮しています。協会側は献金ノルマの存在を否定しますが、元信者らは口をそろえて断言します。「ノルマはあった」と。(統一協会取材班)
統一協会が信者2世の青年にむけて限定配信している「SEISYUN TV」というネット番組があります。8月7日には、中堅どころで2世の教会長らが、若い2世の質問に答える「特番」が配信されました。そこで出た質問は「生活が苦しい場合、それでも献金をささげるべきものなのですか」。
教会長たちからは「(スタジオ中に)緊張感がある」「ナイーブな問題」「家にお金がなくて部活できないことがあった」という言葉がもれました。2世たちが献金を重く感じている―そんな場面でした。
統一協会が実施した2世たちへのアンケートでも「一般家庭と比べて自分の家庭が貧しいと感じたことはあるか」という質問に、「感じたことがある」が33・4%、「やや感じる」が26・3%に達しました。
複数の元信者によると、2009年前後に霊感商法が刑事摘発されて以降、より過重な献金を信者に求めるようになってきたといいます。
目標割り振り
関係者によると統一協会の組織はおおまかに、日本本部―地区―教区―教会―区域―信者家庭という構成です。協会の勅使河原秀行・改革推進本部長は「ノルマはない」としつつも、本部が献金を含む全体の予算をつくって、教区の段階まで割り振っていたことを認めています。
統一協会関係者は本紙の取材に「ノルマがあるのは事実。教区が教会に目標を割り振る。本部は教会まで目標を把握している。当然、教会から区域、信者家庭におりていく」と証言します。
都内に住んでいた元信者は、統一協会の教会から献金を求めるファクスが頻繁に届いていたといいます。
「何月までに、摂理(神の計画のこと)を完成させないといけないから、神様のためにいくら献金しなさいという感じの内容でした。信者だったときは毎晩、祈祷(きとう)会をしていましたので、ファクスを『訓読』していました」
日本をエバ国
関係者によると、日本の統一協会が韓国本部をはじめ世界の活動を金銭的に支えています。統一協会は日本を「エバ国」、韓国を「アダム国」とします。植民地支配の贖罪(しょくざい)などとして、エバ国日本がアダム国韓国に貢げ、という教えです。
日本が朝鮮半島を植民地支配し、多くの被害を与えたのは事実です。しかし日本が贖罪すべき相手は朝鮮半島出身の人たちです。統一協会=開祖文鮮明、韓鶴子夫妻に献金することではありません。
ある信者2世は憤ります。「統一協会の活動は時代の流れとともに形を変えてきた。しかし、いつの時代も活動目的は変わらず『金集め』だ。お金を出さないと不幸になると恐怖を植え付けたり、お金を出すと御利益があると根拠のない効果をうたったりして、お金を集めている」
「念書」盾に返金せず 1億円超 信者家族「法規制を」
統一協会被害 野党国対ヒアリング
しんぶん赤旗 2022年11月10日
野党国対ヒアリングが8日、国会内で開かれ、自身の母親が統一協会に1億円以上の寄付をした件について、被害者長女の中野容子氏(仮名)から聞き取りを行いました。
中野氏の母親は、2004年ごろから10年ごろまで、夫の資産2000万円、営んでいた果樹園の土地売却益300万円など統一協会への多額献金を繰り返しました。15年に母親から統一協会との関わりについて「こんなにお金に困ったことはない。もう嫌だ」と打ち明けられたことで被害が発覚。母親は協会に脱会の意思を伝えましたが、同年11月にマインドコントロールされたもとで「献金は自由意志で行った」とする不起訴合意の「念書」を取り付けられたため、返金されませんでした。
中野氏は「両親は不当なやり方で金融財産を収奪され、大切な果樹園も売却させられた。あたかも高齢者詐欺のようだ」と証言しました。
中野氏は統一協会や他の信者を相手取り、損害賠償を求め提訴しました。しかし、東京地裁、東京高裁ともに訴えが退けられ、今年7月に最高裁に上告しました。母親は係争中の21年7月に亡くなりました。
中野氏は「裁判所の判決は、傷ついた人権・尊厳をよりひどく傷つけるもので、統一協会の不正行為にお墨付きを与えるものだ」として、悪質な高額献金を規制する法整備の制定、統一協会の解散などを強く求めました。
統一協会の被害者救済 党派超えた国会の責務
小池書記局長が自民・茂木幹事長に表明
しんぶん赤旗 2022年11月10日
自民党の茂木敏充幹事長は9日、統一協会の被害者救済に向けた新法をめぐって日本共産党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の書記局長・幹事長と国会内で個別に会談しました。日本共産党の小池晃書記局長は会談で、「被害者救済は党派を超えた国会の責務であり、支援の体制を国の責任で整えることが早急に必要だ」と語りました。
被害者救済の新法をめぐっては8日に岸田文雄首相が「今国会を視野に、法案を提出すべく最大限の努力を行う」と表明しています。茂木氏は小池氏との会談で、「統一協会の被害者救済にむけて、消費者契約法の改正に加え、悪質な寄付の取り消しなどを盛り込んだ新法を検討していきたい」「取り組むべき課題の共有のため会談の場をつくった」と説明。「今国会で早期成立させたい」として、協力を呼びかけました。
小池氏は、統一協会による正体を隠した伝道活動、霊感商法と高額献金などによる被害者の救済を図ることは党派を超えた国会の責務だとして、「統一協会の反社会的な行為、それによる被害者救済のために、被害者へのサポート体制(法的支援、心理的支援、児童虐待や生活困窮問題の解決に向けた支援等)を国の責任で整えることが早急に必要だ」と表明しました。
新たな被害を生み出さないための新法については、(1)マインドコントロールなど悪質な勧誘行為による寄付の強要の禁止 (2)家庭を崩壊させるような社会的に許容しがたい悪質な寄付が行われない措置 (3)こうした寄付の取り消しや損害賠償を行えるようにすること (4)宗教2世、3世、配偶者などの人権を守り、被害の救済を図ること―の4点を求めました。この点で、岸田首相が新法に盛り込むとした
▽社会的に許容しがたい悪質な勧誘行為の禁止
▽悪質な勧誘行為に基づく寄付の取り消しと損害賠償請求
▽子や配偶者に生じた被害救済
―の3点の方向性は「当然のものだ」と指摘。「統一協会による被害を根絶するため、こうした方向性に基づいて実効ある定義、条文にすることがカギだ」と述べました。
茂木氏が新法について「今国会で早期成立させたい」と述べたことについて、小池氏は「今国会で法案を成立させるために十分な質疑時間を保障する必要がある」として、政府として速やかに法案を国会に提出することを要求。茂木氏は「来週中には法案の概要を出したい」として「概要を出す際には必ず説明する」と話しました。
さらに小池氏は、法案提出前にも「全党が参加するオープンな国会の場で十分な審議を行うべきだ」と主張。その際に、統一協会の被害者やこの問題に長年取り組んできた弁護士にも意見を聞くことを提起しました。茂木氏は「今後どのようなかたちで全党で議論するかは検討させてほしい」と語りました。
小池氏は最後に、「自民党と統一協会の深刻な癒着を解明することは、二度と再び被害を生まないためにも絶対不可欠だ」と強調。「自民党は議員任せにするのではなく、党として責任をもって調査をすべきであり、救済法案作りと合わせて行うことが最優先だ」と求めました。
文鮮明発言の調査を 田村氏「自民全体の疑惑だ」
しんぶん赤旗 2022年11月10日
日本共産党の田村貴昭議員は8日の衆院本会議で、統一協会の創始者である文鮮明が1989年に韓国で行った説教で、「日本の国会に教会をつくる」「国会議員の秘書を輩出する」ため、「自民党の安倍派などを中心として」、そうした議員たちの数を徐々に増やしていかなければいけないなどと発言していた(「毎日」7日付報道)ことを取り上げ、徹底的な調査を要求しました。
田村氏は、「自民党と統一協会の抜き差しならぬ深い関係性を一方の当事者が隠すことなく語ったきわめて重大な発言だ。もはや議員個々の関与とは次元の異なる自民党全体の疑惑だ」と主張しました。
松野博一官房長官は、「自民党の対応について政府の立場として答えることは控える」と無責任な答弁に終始しました。
同日の衆院本会議では、マネーロンダリングやテロ資金供与などの対策を進める政府間会合「FATF」(金融活動作業部会)の勧告に対応する一括法案が審議入りしました。
FATFは21年の勧告で、マネーロンダリング罪の法定刑の上限を詐欺罪や窃盗罪と同水準にするよう要求。今回の法案は、同罪の法定刑の上限を引き上げ、共謀罪を拡大しています。
田村氏は「『犯罪収益等収受罪』などが新たに共謀罪の対象となり、同罪の対象拡大に危惧の声もでている」と指摘しました。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。