2013年5月3日金曜日

毎日は憲法96条改定 反対が多数、NHKはほぼ拮抗

 
 毎日新聞が行った電話による世論調査では憲法96条の改定に反対が46%で賛成42%を上回りました。一方9条については改正すべきが60%で改正すべきでないの32%を大きく上回りました。

 またNHKが行った電話による世論調査では、憲法96条の改定に反対が24%で賛成26%とほぼ拮抗し、9条については改正すべきが33%で改正すべきでないの30%とやはりほぼ拮抗しました。

 以下に二つの記事を紹介します。
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毎日新聞世論調査:憲法96条改正 反対46%
毎日新聞 2013年5月3日
 毎日新聞が4月20、21日に実施した電話による全国世論調査で、憲法96条に定められた改憲発議に必要な衆参両院での「3分の2以上」の賛成を、「過半数」に引き下げることの是非を聞いたところ、反対は46%で、賛成の42%を上回った。「憲法を改正すべきだと思う」は60%で、「思わない」の32%を大きく上回った。憲法改正を必要としながらも、改憲手続きの緩和には慎重な意見も根強い。
 調査の方法が異なるため単純に比較はできないが、毎日新聞の09年9月の世論調査(面接)では改憲賛成が58%、12年9月の調査(同)では65%で、改憲賛成が多数を占める状況が続いている。今回、憲法9条についても「改正すべきだと思う」は46%で、「思わない」の37%を上回った。
 一方、「憲法を改正すべきだ」とした人の59%が、改憲の発議要件の引き下げに賛成、37%が反対と答えた。また、「9条を改正すべきだと思う」とした人では、63%が引き下げに賛成し、35%が反対した。
 安倍晋三首相は、96条改正を参院選の争点とする考えを示しているが、自民支持層でも改憲の発議要件の引き下げに賛成したのは約5割にとどまった。公明支持層で賛成したのは約3割。民主支持層で賛成したのは約4割、維新支持層では約5割だった。【青木純】
 

「憲法改正の必要あると思う」42%
NHK NEWS web 2013年5月2日
3日は憲法記念日です。
NHKが行った世論調査によりますと、「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人は42%で6年前の調査とほぼ同じだった一方で、「改正する必要はないと思う」と答えた人は16%で、前回より低くなったことが分かりました。

NHKは、先月19日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行い、2685人のうち60%に当たる1615人から回答を得ました。
憲法改正について
この中で、今の憲法を改正する必要があると思うか尋ねたところ、「改正する必要があると思う」が42%、「改正する必要はないと思う」は16%、「どちらともいえない」が39%でした。
NHKでは、国民投票法が成立した6年前にも同じ調査を行っていますが「改正する必要があると思う」という回答はほぼ同じだった一方で(前回41%)、「改正する必要はないと思う」という回答は8ポイント低くなり、「どちらともいえない」は9ポイント高くなりました。
「憲法を改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「時代が変わって対応できない問題が出てきたから」が75%と最も多く(前回73%)、次いで「国際社会での役割を果たすために必要だから」が15%など(前回18%)、6年前の調査と同じ傾向でした。
「憲法を改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が53%と最も多くなりましたが、6年前の調査よりは9ポイント低くなりました。
また、「多少問題はあるが改正するほどのことはないから」と答えた人は36%で、6年前より10ポイント高くなりました。
憲法9条について
「憲法9条」について改正する必要があると思うかどうかを聞きました。
「改正する必要があると思う」が33%、「改正する必要はないと思う」が30%、「どちらともいえない」は32%で、ほぼ同じ割合で並びました。
このうち、「改正する必要があると思う」という回答は6年前の調査よりも5ポイント高くなりました。
一方で、「改正する必要はないと思う」という回答は11ポイント低くなりました。
9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が47%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が32%などとなりました。
9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ「平和憲法としてのもっとも大事な条文だから」が66%、「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」が16%などとなりました。
憲法96条について
国会が憲法改正を発議する要件を定めた憲法96条についてです。
96条が定めた憲法改正の発議に必要な条件を、衆参両院のそれぞれで、すべての議員の「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩めるべきだという主張があることについて知っているかどうか聞いたところ、「よく知っている」(17%)と「ある程度知っている」(36%)が合わせて53%でした。
これに対して、「あまり知らない」(30%)と「まったく知らない」(15%)が合わせて45%と、全体の半分近くが現在の議論について十分知らないと答えています。
さらに、96条が定めた憲法改正の発議に必要な条件を、両院のすべての議員の「3分の2以上の賛成」から「過半数の賛成」に緩めるべきだという主張について賛成か反対かを聞いたところ、「賛成」が26%、「反対」が24%でほぼ同じだったのに対し、「どちらともいえない」が47%で半数近くとなりました。
調査結果について専門家は
調査結果について、憲法改正を求める立場の慶應義塾大学の小林節教授は「憲法改正は避けて通れないという認識が、次第に一般にも広がってきたことがうかがえる。
国民が幸福に暮らすために国家があり、主権者である国民がその国家を使うためのマニュアルとして憲法がある。だから、よりよい見直しをする『バージョンアップ』は当然のことだ。今こそすべての人が気兼ねなしに憲法改正を論じあう時期だ」と話しています。
一方、現在の憲法を守る立場の早稲田大学の水島朝穂教授は「憲法改正に反対の意見が減っているが、これは、国の安全保障政策や外交政策と憲法の問題を混同して『憲法を変えればうまくいく』と誤解している人が多いためではないか。現在の周辺諸国との問題は、憲法問題ではなく日本の安全保障政策の欠陥であることを国民に知らせたうえで、憲法についてじっくりと議論をすべきだ」と話しています。
 
 

歴史がつなぐ知恵の鎖 と


 東京新聞が「憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の輪」と題する社説を掲げました。
 ヒトラーが国民投票も多用して独裁者になったこと、伊藤博文が立憲主義を認識していたことなどを紹介し、憲法には単純多数決では変えられない約束事があること、自民党の憲法改正草案は「立憲主義的であること、条を変えないと国が守れないという現実自体がないこと、国防軍ができれば言論は封殺されること、どの先進国でも高い改憲ハードルを設けていることなどが述べられています。
 
 憲法記念日にじっくりと読むに相応しい論文です。
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【社説】 憲法を考える 歴史がつなぐ知恵の鎖
東京新聞 2013年5月3日
 憲法改正を叫ぶ勢力の最大目的は、九条を変えることでしょう。国防軍創設の必要性がどこにあるのでしょうか。平和憲法を守る方が現実的です。
 選挙で第一党になる、これは民主的な手法です。多数決で法律をつくる、これも民主的です。権力が憲法の制約から自由になる法律をつくったら…。
 ワイマール憲法当時のドイツで実際に起きたことです。国民主権を採用し、民主主義的な制度を広範に導入した近代憲法でした。ヒトラーは国民投票という手段も乱発して、反対勢力を壊滅させ、独裁者になりました。憲法は破壊されたのです。
◆熱狂を縛る立憲主義
 日本国憲法の役目は、むろん「権力を縛る鎖」です。立憲主義と呼ばれます。大日本帝国憲法でも、伊藤博文が「君権を制限し、臣民の権利を保障すること」と述べたことは有名です。
 たとえ国民が選んだ国家権力であれ、その力を濫用する恐れがあるので、鎖で縛ってあるのです。また、日本国民の過去の経験が、現在の国民をつなぎ留める“鎖”でもあるでしょう。
 憲法学者の樋口陽一東大名誉教授は「確かに国民が自分で自分の手をあらかじめ縛っているのです。それが今日の立憲主義の知恵なのです」と語ります。
 人間とはある政治勢力の熱狂に浮かれたり、しらけた状態で世の中に流されたりします。そんな移ろいやすさゆえに、過去の人々が憲法で、われわれの内なる愚かさを拘束しているのです。
 民主主義は本来、多数者の意思も少数者の意思もくみ取る装置ですが、多数決を制すれば物事は決まります。今日の人民は明日の人民を拘束できません。今日と明日の民意が異なったりするからです。それに対し、立憲主義の原理は、正反対の働きをします。
◆9条改正の必要はない
 「国民主権といえども、服さねばならない何かがある、それが憲法の中核です。例えば一三条の『個人の尊重』などは人類普遍の原理です。近代デモクラシーでは、立憲主義を用い、単純多数決では変えられない約束事をいくつも定めているのです」(樋口さん)
 自民党の憲法改正草案は、専門家から「非立憲主義的だ」と批判が上がっています。国民の権利に後ろ向きで、国民の義務が大幅に拡大しているからです。前文では抽象的な表現ながら、国を守ることを国民の義務とし、九条で国防軍の保持を明記しています。
 しかし、元防衛官僚の柳沢協二さんは「九条改正も集団的自衛権を認める必要性も、現在の日本には存在しません」と語ります。旧防衛庁の官房長や防衛研究所所長、内閣官房の副長官補として、安全保障を担当した人です。
 「情勢の変化といえば、北朝鮮のミサイルと中国の海洋進出でしょう。いずれも個別的自衛権の問題で、たとえ尖閣諸島で摩擦が起きても、外交努力によって解決すべき事柄です。九条の改正は、中国や韓国はもちろん、アジア諸国も希望していないのは明らかです。米国も波風立てないでほしいと思っているでしょう」
 九条を変えないと国が守れないという現実自体がないのです。米国の最大の経済相手国は、中国です。日中間の戦争など望むはずがありません。
 「米国は武力が主な手段ではなくなっている時代だと認識しています。冷戦時代は『脅威と抑止』論でしたが、今は『共存』と『摩擦』がテーマの時代です。必要なのは勇ましい議論ではなく、むしろブレーキです」
 柳沢さんは「防衛官僚のプライドとは、今の憲法の中で国を守ることだ」とも明言しました。
 国防軍が実現したら、どんなことが起きるのでしょうか。樋口さんは「自衛隊は国外での戦闘行為は許されていませんが、その枠がはずれてしまう」と語ります。
 「反戦的な言論や市民運動が自由に行われるのは、九条が歯止めになっているからです。国防軍ができれば、その足を引っ張る言論は封殺されかねません。軍事的な価値を強調するように、学校教育も変えようとするでしょう」
 安倍晋三首相の祖父・岸信介氏は「日本国憲法こそ戦後の諸悪の根源」のごとく批判しました。でも、憲法施行から六十六年も平和だった歴史は、「悪」でしょうか。改憲論は長く国民の意思によって阻まれてきたのです。
◆“悪魔”を阻むハードル
 首相は九六条の改憲規定に手を付けます。発議要件を議員の三分の二から過半数へ緩和する案です。しかし、どの先進国でも単純多数決という“悪魔”を防ぐため、高い改憲ハードルを設けているのです。九六条がまず、いけにえになれば、多数派は憲法の中核精神すら破壊しかねません。
 
 

平和アピールのビラを湯沢町の皆さんに配布しました

 
 「湯沢平和の輪」では「憲法記念日」の5月3日に、平和アピールのビラ(B4判)を新聞折込みで湯沢町の皆さんにお届けしました。
 今年を皮切りにして、今後も毎年5月3日の「憲法記念日」を期して「平和アピール」を町の皆さんにお届けする予定です。

 「湯沢平和の輪」は毎年 春の「花まつり」と秋の「収穫祭」のときに祭りの会場で平和キャンペーンを行ってきましたので、町の皆さんにある程度は知られて来ましたが、より多くの皆さんに知っていただきたいということと、何よりもいま平和憲法が重大な危機に瀕していることを訴えたいためです。
 是非とも多くの皆さんに読んでいただきたいものと願っています。 
 
 以下にビラの内容を紹介します。
(先の「花まつり」のときにお配りしたリーフレットの内側に記載したものをB4判に
      拡大したものとなっています)
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今日5月3日は『憲法記念日』です

 憲法を変え戦争に行こう  なっては大変です

 昨年12月に行われた衆議院選挙で自民党が単独過半数を獲得し、憲法の「改正」に執念を燃やしてきた安倍音三氏が首相に就任して、憲法改正の動きがより活発になってきました。こうした動きは自民党だけではありません。日本維新の会・みんなの党なども憲法の「改正」掲げています。
 今、世界に誇る日本国憲法は重大な危機に瀕(ひん)しています。

 すでに憲法改正外堀埋められています
 皆さんは覚えていますか? 2007年に憲法改正国民投票法』が強行成立させられたことを! この憲法を変えようとする側に有利な内容となっています。そしてすでに、憲法改正原案の審査権限を持つ『憲法審査会』も機能しています。
 私たちの知らぬ間に、憲法「改正」へ向けた動きは着々と進んでいるのです。
今、憲法改正の内堀も埋めようとしています
 安倍内閣をはじめとする憲法改正を推進する人々は、憲法を「改正」しやすくするためそハードルを低くする動きを強めています憲法第96条「改正の手続
 その公布」の条文「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案…」を、「総議員の過半数の賛成」に緩和しようとしているのです。
 これは9条改憲に道を開くということ止まらず、「主権者である国民が憲法で国家権力をしぱる(監視する)」という憲法の本質を損なう重大なことです。
戦争放棄をうたった憲法9条
 本国憲法は、はかり知れない犠牲と被害をもたらした、あのアジア太平洋戦争り痛苦の経験を踏まえてつくられものです。憲法の前文に「われらとわれらの子孫のために…政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し…」と述べ第9戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認」を定めています。このおかげで、敗戦後60有余年にわたって戦争がなく、だれ一人戦死することなく、また戦争で人を殺すことなく来られました。憲法の大きな力です。
戦争しない、させない、子らのため
 私たちが享受してきた「豊かで平和な日本を、子どもたち、孫たちに引き継ぐことは私たちの責務で。「憲法を変えて、強い日本に」などといった言葉に惑わされず、「子どもたち、孫たちを絶対戦争に行かせない」という強い意志をもって、憲法第9をしっかり守っていきましょう!

  ―湯の町湯沢平和の輪―  連絡先:笛木 (電話785-5062
湯沢平和の輪ホームページアドレス(湯沢平和の輪・検索)http://yuzawaheiwa.blogspot.jp/ 


2013年5月2日木曜日

改憲手続き緩和反対54%、9条改憲反対52% 朝日調査


 朝日新聞が行った郵送世論調査では、改憲手続き緩和に反対が54%賛成38%)、9条改憲に反対が52%(賛成が39%)という結果で、安倍政権唱えている96条の改正要件緩和について有権者は慎重であることが分かりました。
 また一票の格差が違憲状態の中で選ばれた議員が改憲の提案をすることについて、「問題だ」が54%「問題ではない」が38%)でした。
 この結果に対して作家の雨宮処凛さん映画監督・作家の森達也さん神戸大名誉教授の浦部法穂さんがそれぞれ意見を述べています。

 一方読売新聞が衆参両院の全国会議員を対象に行ったアンケート調査によると、改憲の発議要件を定めた憲法96条について、自民党は96%、日本維新の会は98%、みんなの党は96%が「改正すべきだ」と答えたのに対して、民主党は25%、公明党は11%にとどまりました。

 以下に朝日新聞と読売新聞の記事を紹介します。
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改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査

 憲法記念日を前に朝日新聞社は全国郵送世論調査を行い、憲法に関する有権者の意識を探った。それによると、憲法96条を変え、改憲の提案に必要な衆参各院の議員の賛成を3分の2以上から過半数に緩める自民党の主張について、反対の54%が賛成の38%を上回った。9条についても「変えない方がよい」が52%で、「変える方がよい」の39%より多かった。 
 96条の改正要件緩和については、自民党が昨年作った憲法改正草案で主張。最近は安倍政権も唱えているが、有権者は慎重であることが浮かび上がった。 

 衆院と参院の一票の格差が是正されない状態で選ばれた議員が改憲の提案をすることについて尋ねると、「問題だ」が54%、「問題ではない」が38%。改憲手続き緩和の自民党の主張に賛成の層でも、44%が「問題だ」と答えた。

 5月3日は憲法記念日。朝日新聞社が憲法をテーマに行った全国郵送世論調査の回答を見て、作家の雨宮処凛さんは不思議がった。「もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて……」。映画監督・作家の森達也さんは、9条を変えないという人が多かったのは「意外だった」と驚いた。神戸大名誉教授の浦部法穂さんは、今の国会議員は「憲法をいじる資格はない」と手厳しい。好調アベノミクスと同時進行する改憲の動き。3人の識者が語る憲法と日本社会とは――。 

■雨宮処凛さん「人間1人の思考なら矛盾」 憲法世論調査
 「いまの憲法を変える必要がある」という人が半数を超え、その理由で最も多かったのが「国防の規定が不十分だから」だという。それでいて「9条を変えないほうがよい」が半数を超える。もしこれが1人の人間の思考だとしたら、とても心配。ものすごく矛盾していて、どんな人間かわからない。 
 しかし、ある意味、いまの日本を象徴しているのかもしれない。 
 「戦争」とか「国防軍」とか「軍隊」という言葉には強い嫌悪感を示す。9条は守るべきだという人は多い。けれども、参院選で投票するとき、重視する政策を聞けば「憲法」は最下位。かなりの国民は、本気でどーでもいいと思っている気がする。自民党の憲法改正草案を読んでいる人が一体どれだけいるのでしょうか。 

■映画監督・作家で明治大特任教授の森達也さん 
 憲法9条を変えない、という意見が多かったのは、意外だった。 
 総選挙では予想通りというか、予想を上回るほどの自民党圧勝だった。小選挙区のマジックを差し引いても、自民党や安倍政権への支持が強いのは間違いない。票を入れた人の多くは、憲法9条改定にも賛成なのだろう、と思い込んでいた。だが、調査結果では、景気浮揚策への期待から政権を支持しても、憲法9条改定までは支持していないことが浮かび上がる。自民党や安倍晋三首相には、軌道修正を期待したい。 
 ただし僕は、がちがちの護憲派ではない。半世紀以上たっているのだから、時代に合わない要素があればマイナーチェンジしてもいい。でも9条も含め、基本理念は安易に変えるべきではない。 

■神戸大名誉教授の浦部法穂(のりほ)さん 
 憲法9条を変えない方がよいという人も、96条の改憲手続きを緩める自民党案に反対という人も5割を超えた。改憲賛成が5割を超えたといっても理由は非常に散らばっていて、最も多くの人が理由に挙げた「国防の規定が不十分」でも全体の3割にとどまっている。国会の論調だけをみると改憲ムードが非常に強いが、国民は割合冷静に見ているのではないか。 
 そもそも憲法改正権は国民にあるのだから、改憲は国民の側から「国会で案を作れ」という声が起きてから初めて国会が議論するものだ。ところが、憲法で行動を制約され、命じられる側の国会、まして統治権の中枢の内閣が今の憲法では都合が悪いからといって改憲を主導するのは本末転倒でおかしい。

憲法96条、自・維・みんな9割超が改正に賛成
読売新聞2013年5月2日
 読売新聞社は、3日の憲法記念日を前に、憲法に関するアンケート調査を衆参両院の全国会議員を対象に実施した。
 回答した議員のうち、改正の発議要件を定めた憲法96条について、自民党は96%、日本維新の会は98%、みんなの党は96%が「改正すべきだ」と答え、3党いずれも改正賛成が9割超に上った。一方、民主党は25%、公明党は11%にとどまり、政党間の違いが鮮明になった。調査では衆参両院の全議員716人(欠員5と参院山口選挙区補欠選挙当選者を除く)のうち、439人が回答した。回答率は61%。調査結果は、憲法改正を巡る各党の現状を反映しており、今後の与野党の論議や憲法改正の動きにも影響を与えそうだ。
 衆参各院の「3分の2以上」の賛成を必要とする96条の発議要件を巡っては、安倍首相(自民党総裁)や橋下徹・日本維新の会共同代表(大阪市長)らが過半数の賛成で発議できるよう改正を先行させる必要性を訴えている。
 
 

TPPの実態が顕わに 米議会の公聴会で

 
 USTR米通商代表部)4月24日 日本のTPP参加を認める方針を米議会に通知しましたが、その際に「日本が農産物の関税についてセンシティビティ敏感さ)を持っている」点についての言及はなかったということです。
 今後は何の斟酌もなく関税の撤廃に向けて進むことになります。3月の日米首脳会談のあと政府やマスメディアが喧伝した「成果」には、結局何の実質もなかったということです。

 米国上院財政委員会で開かれたTPPに関する公聴会では、農産物を含めた米国産品の輸出拡大するため日本市場を一層開放させ、米企業が営業活動をしやすくするための「構造改革」を迫り、米多国籍企業が巨大な利益を得られるようにするなどの意見が述べられました。
 また日本に「食の安全性確保」のための措置を緩和させて米国農産品の輸出をしやすくしたり、日本の大型公共事業にアメリカ企業参入出来るようにするなどの要求も、早くから出されています。

 これらは別に新らしい要求事項ではなくて、TPPに参加すれば必然的にそうなると予想された事柄であり、これまで政府やマスメディアが明らかにしてこなかっただけの話です。

 日米の事前協議では日本側の完敗に終わりました。米国によればすべて日本が自発的に譲歩した結果だということです。そんな姿勢で日本はこの先どんな風にして、安倍首相があれだけ強調していた「国益」を守ろうというのでしょうか。

 以下にしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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TPPで日本を「構造改革」 米多国籍企業の利益に
 食品添加物 表記は負担だ/コメ関税 企業活動妨げ
/大型公共事業 参入させよ
しんぶん赤旗 2013年5月1日
 米通商代表部(USTR)は4月24日、日本の環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を認める方針を米議会に通知しました。米多国籍企業の利益のために、日本国民の暮らしの安全・安心が売り払われようとしています。 (金子豊弘)

GE副社長「巨大な機会」
 米政府が議会に日本のTPP交渉参加の通知をしたその日、米上米上院財政委員会では、TPPに関する公聴会が開かれていました。
 公聴会の中でボーカス委員長は、「今、日本はわれわれの輸出にたいして、多くの障害を維持し続けている。しかし、この世界第3位の経済国がこれらの障害を取り除いたとき、大いなる機会がつくり出される」と発言。農産物を含めた米国産品の輸出拡大のため日本市場を一層こじ開ける姿勢を強調しました。
 米電機大手のゼネラル・エレクトリック(GE)のカラン・バティア副社長はTPPへの日本参加は、アメリカの貿易政策の主要な目標である日本の市場開放と「構造改革」を迫ることになるとの認識を示し、「アメリカとアメリカの企業に巨大な利益をもたらす機会となるだろう」と強調しました。

身勝手な開放要求
 USTRが4月1日に発表した2013年版外国貿易障壁報告書には、日本への身勝手な市場開放要求が並べたてられています。
 報告書は、「新開発食品と栄養機能食品について、成分と食品添加物の名称・割合・製造工程の表記を求めていることは、負担が大きい」として、「食の安全性確保」のための措置を緩するよう求めています。また、主要高速道路、主要公共建築物、鉄道と駅舎の調達、都市開発、再開発事業などの日本の大型公共事業にアメリカ企業の参入を求めています。
 貿易障壁報告書と同時に発表された「衛生植物検疫措置報告書」(13年版)でも、食品添加物の認可手続きの迅速化や防かび剤使用の規制緩和などを求めています。

業界団体主張反映
 米政府の対日要求は、アメリカの多国籍企業の要求を反映したものです。昨年1月から2月にかけてUSTRが募った意見には、業界団体や大企業の要望が寄せられました。小売業世界最大手のウォルマートは、コメなど主要品目の関税が日本での企業活動を妨げていると一方的に主張。また、米国産リンゴに対し、日本は防疫のための措置を義務付けており、輸出が抑制されていると不満を表明しました。カリフォルニア・チェリー協会は、ポストハーベスト(収穫後に使用する農薬)の防かび剤の登録手続きの緩和を求めました。カリフォルニア・ブドウ協会は、日本の残留農薬基準の緩和を要求しました。
 米国貿易緊急委員会は、外国企業が相手国の政府に訴訟を起こすことができる「ISDS(投資家対国家の紛争解決)条項」が必要だと強調しました。
 TPPが米国企業にもたらす恩恵について、USTRのマランティス次席代表(当時)はこう強調したことがあります。
 「オバマ政権のゴールは、米国の労働者や経営者がアジア太平洋地域での競争で勝者となるためのよい立場を確保する」(11年12月14日の米下院歳入委員会貿易小委員会)
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安倍首相「守る」保証なし 米政府の議会への通知でも
 米政府による議会への通知は、安倍晋三首相が、交渉で「守るべきものを守る」としていることに、なんの保証もないことが改めて示された形となりました。
 通知の中でマランティスUSTR代表代行は、「日本は農産品と工業製品を含む全ての物品を交渉対象とし、今年の交渉妥結を目指すと約束した」と説明しました。2月22日の日米首脳会談の共同声明では、「日本と米国は、日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに2国間貿易上のセンシティビティが存在する」としていました。しかし、議会への通知には、このことへの言及が欠落。交渉の中で米政府には、日本の農産品に配慮する姿勢がないことを示しました。
 通知は、「米政府は、議会側と徹底的かつ広範に協議していく」ともしています。事前協議で日米両政府は、21分野にわたるTPP交渉と並行して9分野について2国間で協議することを約束しました。これらの問題で、今後も通商交渉の権限を有する議会からの圧力を受けた米政府による市場開放要求がさらに強まる可能性を含んでいます。

 並行交渉の9分野 
 日米2国間交渉で協議することを両国政府が合意しました。自動車分野のほか、九つの広範な分野にわたります。(1)保険 (2)透明性 (3)投資 (4)知的財産権 (5)基準 (6)政府調達 (7)競争政策 (8)急送便 (9)衛生植物検疫措置―です。これらの分野の交渉は、TPP交渉と並行して行われ、法的強制力をもつ措置も含めた対策を講じることが決められました。

 

2013年5月1日水曜日

参院選で改憲勢力が「3分の2」も視野 と産経


 産経新聞が、夏の参院選で改憲勢力が「3分の2」になる可能性があるとする試算を公表しました。
 もしもそうなれば、まず憲法96条の改憲要件の緩和を発議して国民投票に掛け、あとは米軍の無給の傭兵になる国防軍をつくり、基本的人権は「公益および公の秩序」に反しない範囲に抑えるという、「大日本帝国憲法」下の体制の再来を目指すということになります。考えたくもないことです。
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改憲勢力「3分の2」視野、96条改正現実味
産経新聞試算 公明抜きでも残り3議席 
産経新聞 2013年5月1日
 参院選後は憲法改正が実現か ― 。7月21日投開票が有力視される参院選について産経新聞が実施したシミュレーション結果によると、自民党や日本維新の会、みんなの党などの改憲勢力は、非改選議席を合わせて参院定数の「3分の2」近くに達することが分かった。3党を除く他党などから3人以上が改正賛成に回れば「3分の2」を超えることになり、改正に慎重姿勢を取る与党の公明党が賛成しなくても憲法改正は視野に入ってくる。(小田博士)

 憲法96条は、憲法改正には「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」をもって国会が発議し、国民投票にかけるとしている。
 衆院(定数480)では現在、自民が294、維新が54、みんなが18の各議席を得ている。合計すると3党で366議席。「3分の2」ラインの320議席をすでに突破している。
 これに対し、参院(定数242)の「3分の2」ラインは162議席。この数字を超えられるかどうかが参院選の焦点となる。

 非改選(121議席)での自民、みんな、維新の3党は半数にあたる計60議席。これに、憲法改正に前向きな新党改革や無所属(自民党出身で会派を離脱している副議長を含む)を加えれば合計63議席になる。差し引きすると、改憲勢力が参院で「3分の2」に達するためには、7月の参院選で99議席以上を得る必要性がある。

 産経新聞は昨年12月の衆院選比例代表の各党得票数に基づき、参院選で「維新とみんな」、「生活の党と社民党」がそれぞれ選挙協力態勢をとり、各選挙区で候補を擁立するという前提条件のもとで試算した。
 その結果、自民が63議席、「維新・みんな」が計33議席をそれぞれ獲得し、合わせると96議席となった。これは改選121議席の8割を占めるが、非改選議席を合わせて参院で「3分の2」を占めるには3議席足りない。

 公明党は、安倍晋三首相が意欲を示す96条改正に対して「過半数で改正するやり方を認めると、軟らかくなりすぎる」(山口那津男代表)と慎重姿勢を取る。
 しかし、公明党の賛同が得られなくても、改憲派と護憲派が混在する民主党などから3人以上が賛成すれば、改正に手が届く。

 もっとも、この試算には、昨年の衆院選以降の政党支持率などは加味していない。しかも、安倍内閣や自民党の支持率は衆院選直後よりも上昇し、民主党の政党支持率は逆に低迷している。仮にこの情勢が参院選まで続くと、改憲勢力が「3分の2」を超える可能性はさらに高まるともいえる。