2015年3月23日月曜日

3900人抗議集会で翁長知事近く最大の決断 着工は遅延

 21日、「止めよう辺野古新基地建設!県民集会」が名護市瀬嵩の浜で開かれ約3900人が集まりました
 翁長知事の代理で初めて参加した安慶田光男副知事は、挨拶の中で「知事は近々必ずや最大の決意をし、決断する時期になろうかと思う」と述べ、沖縄防衛局への岩礁破砕許可を取り消す県の方針を示唆しました。月内にも判断する見通しです
 
 翁長知事はそれに先立つ20日の記者会見で、コンクリートブロックがサンゴを傷つけている問題について「岩礁破砕そのものであるという印象を受けている」と述べ、岩礁破砕許可の取り消し要件となる可能性をあらためて指摘しました。
 そして米軍が、サンゴ破壊調査に県が制限区域立ち入ることを拒否していることについても、「運用上の問題があるとは到底理解し難い。調査さえできないことは不合理極まりない」と強く批判し、立ち入り再申請に対する政府や米軍の対応について「誠意ある対応が求められるが、そうならなければ一つの判断材料になる」と述べ、許可取り消しの判断材料の一つになり得るとの考えを示しました。
 
 一方、沖縄防衛局は海底ボーリング調査で、今月31日までとしていた履行期間を3カ月程度延長する方針を固めました。政府が7月ごろに着工を目指していた本体工事の開始時期も、秋以降にずれ込む公算が高くなりました
 本体工事着手前の実施設計に関する県と防衛局の事前協議は、美謝川の切り替え水路や土砂運搬方法の変更などでも必要となるとみられ、難航予想されます
 
 ボーリング調査終了前に県が岩礁破砕許可を取り消せば、防衛局は調査実施の根拠を失うことになり、もしも中止しなければ県が裁判所に仮処分を申請するなど訴訟に発展する可能性があります
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「知事、近く最大決断」辺野古集会で副知事明言
沖縄タイムス 2015年3月22日
 名護市辺野古の新基地建設に反対する県選出の野党国会議員や県議会与党会派、市民団体でつくる「止めよう辺野古新基地建設実行委員会」は21日、建設に向けた作業を進める政府に対する抗議集会を名護市瀬嵩の浜で開き、3900人(主催者発表)が参加した。翁長雄志知事の代理として県首脳で初めて集会に出席した安慶田光男副知事は「翁長知事が近いうちに必ず最大の決意、決断をする時期が来る」と発言、新基地建設阻止に向けた知事権限の行使を示唆した。 
 
新基地建設反対を訴え、手を取り合ってガンバロー三唱で気勢を上げる集会参加者
=21日午後2時41分、名護市瀬嵩(金城健太撮影)
新基地建設反対を訴え、手を取り合ってガンバロー
三唱で気勢を上げる集会参加者


翁長知事、外務省に辺野古調査再要求 許可外の岩礁破砕
琉球新報 2015年3月21日
 翁長雄志沖縄県知事は20日の記者会見で、沖縄防衛局が名護市辺野古沖の海底に設置したコンクリートブロックがサンゴを傷つけている問題について「(県が許可した範囲外の)岩礁破砕そのものであるという印象を受けている。蓋然(がいぜん)性が高い」と述べ、岩礁破砕許可の取り消し要件となる可能性をあらためて指摘した。その上で現場海域を調査するため米軍に求めている臨時制限区域内への立ち入り許可について、外務省に米側と調整するよう19日に申し入れたことを明らかにした。
 県は2月下旬に制限区域外から調査し、サンゴの破壊を1カ所確認しているが、県が求めた制限区域への立ち入りを米軍は拒否している。翁長知事は「(米軍が拒否の理由とした)運用上の問題があるとは到底理解し難い。調査さえできないことは不合理極まりない」と強く批判した。
 許可区域外で岩礁破砕が行われていないかを確認するため、県はボーリング調査が進められている辺野古沖に監視船を出すことも検討している。
 翁長知事は再申請に対する政府や米軍の対応について「誠意ある対応が求められるが、そうならなければ一つの判断材料になるのかなという感じもする」と述べ、許可取り消しの判断材料の一つになり得るとの考えを示した。
 米軍機からの部品落下が相次いでいる問題については「(米側から)市町村に説明に行くということができないか考えている」と述べ、事故のたびに県から抗議に出向くのではなく、米側が説明に来る形を取れないかを米側に求めることも検討していると説明した。
 3月末返還のキャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区に導入が検討されている重粒子線治療施設について「公約にはなかったと思うが本格調査はこれからだ。方向性を考えていきたい」と述べ、幅広い検討を進める考えを示した。
 
 
防衛局、辺野古掘削を延長へ 本体着工も遅れ
琉球新報 2015年3月21日
 沖縄防衛局は米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸部への移設計画に伴う海底ボーリング調査で、今月31日までとしていた履行期間を3カ月程度延長する方針を固めた。昨年の知事選や衆院選などへの影響を避けるため作業を見合わせたほか、水深の深い場所の掘削調査作業は天候に影響されやすいため、延長は不可避と判断した。政府が7月ごろに着工を目指していた本体工事の開始時期も秋以降にずれ込む公算が高くなった。
 中谷元・防衛相は3日の衆院予算委員会で「夏には(本体工事に)着手したい」と答弁していた。
 ボーリング調査がずれ込んでいるだけでなく、調査に使用するとしている仮設桟橋の設置工事も未着手。
 さらに本体工事着手前の実施設計に関する県と防衛局の事前協議は、美謝川の切り替え水路や土砂運搬方法の変更などでも必要となるとみられ、難航も予想される。
 一方、ボーリング調査終了前に県が「許可区域外での岩礁破砕行為が行われている」などとして岩礁破砕許可を取り消せば、防衛局は調査実施の根拠を失うことになる。国が調査を中止するかは不透明だが、中止しなければ県が裁判所に仮処分を申請するなど訴訟に発展する可能性もある。
 民間業者との調査契約期限を見直すことになり、大型台船の借り上げ延長などで契約額が超過すれば、調整が必要となりそうだ。
 防衛局は調査結果を基に実施設計をまとめ、できるだけ早く中仕切り岸壁工事に着手する方針だが、許可区域外での岩礁破砕の有無について県の調査を認めないまま作業を継続すれば世論の反発をさらに強める可能性がある。