2015年3月4日水曜日

日本が戦争の出来る国になれば・・・

 「仮に憲法9条を変えても日本は侵略戦争などする筈がない。費用対効果を考えればあり得ない」という改憲容認派の主張があります。
 これまで侵略戦争に明け暮れてきたアメリカの現状を見れば、戦争は決して採算が取れないという主張には確かに説得力があります。
 ただ改憲論者たちも別にそういう戦争は想定していないようで、いま考えているのはアメリカからの要請で集団的自衛権を行使するケースです。孫崎享氏はそれを「自衛隊が手弁当でアメリカの傭兵になること」だと述べています。
 
 それこそアメリカが一番望んでいることで、「日本が集団的自衛権の行使を容認するのであれば9条を変える必要はない」とある米要人が語ったのは、そのことを端的に示しています。
 
 BLOGOSに、(冒頭の)改憲容認派の主張に対する的確な反論が掲載されました。
 以下に紹介します。
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条を変えても日本は侵略戦争なんてしない?
秋原葉月 BLOGOS 2015年3月1日
 
もし日本が軍隊をもったら
 
まず99%の確率で侵略戦争なんてしないですよね?
中国に戦争したって両者痛い目にあうし
韓国に侵略しても何にもメリットがない
 
Yahoo知恵袋にあった質問です。
 
どうして「9条を変えたら日本は侵略戦争ができるようになってしまう」って反射的に唱えるのか。侵略したってそれによって得られるもの(相手国の資源とか)と侵略にかかるコストやダメージを天秤に掛ければ、侵略戦争はデメリットが大きすぎ。対費用効果を考えれば侵略戦争なんかやるわけがない。
 
というコメントを私も以前よく頂きました。
多分「侵略戦争」というと、太平洋戦争時代のような、A国を植民地支配しようとしてB国の軍隊が進攻する、みたいなイメージをもってるんでしょうね。
私だって9条を変えても日本が単独でそんな古いタイプの侵略戦争を仕掛けるようになるとは思ってません。しかもまたぞろ韓国や中国に侵略しにいくなんて非現実的すぎ、ありえないでしょう。
 
では、もう少し現実に即して考えてみましょう。
自衛隊をとりまく現在の状況は前回の記事で書きました。
つまり、もし日本が海外で武力行使するとしたら、アメリカからの要請で集団的自衛権を行使するケースになります。
 
アメリカはご存じの通り、「まだ見つかってないけどイラクはきっと大量破壊兵器を持っているにちがいない、それでアメリカを攻撃されちゃかなわない、だから自衛しなくちゃいけない、やられる前にやれ!」という滅茶苦茶なイチャモンをつけてイラク戦争をおこしました。
これがアメリカによる「侵略戦争」であることは異論は無いでしょう。
 
では当時日本はどうしたでしょうか?
米兵を輸送するなどして、米軍の後方支援を行いました。
このときはまだ集団的自衛権は行使出来ないというのが政府の見解でしたから、武器を使用することはありませんでした。でも既に「お手伝い」はしていたのです。
 
では、もしこのとき既に、集団的自衛権行使は可能だという政府見解だったらどうなっていたでしょうか?
米と共にイラクに対して武力を行使をしていたでしょう。それが「集団的自衛権」なのですから。
 
米の侵略戦争に荷担して、米と共に海外で武力行使する・・・これ、普通に「日本も侵略戦争をしている」って言うんですよ?
侵略戦争への荷担が侵略ではないなんて詭弁は通用しません。
侵略戦争と言ったら太平洋戦争時代のようなタイプのばかりイメージしててはダメです。
 
9条をかえれば集団的自衛権は名実共に容認されることになるでしょう
日本は第二次世界大戦後、アメリカが起こした戦争で反対を唱えたのは一つもありません。今後も(自民政治が続けば)反対することはないでしょう、だって米の戦争に賛成して参加するための集団的自衛権なのですから。
 
アメリカは今後も「テロとの闘い」という名の戦争を続けるでしょう。それはイラク戦争という侵略戦争から始まっている戦争です。
そして日本はアメリカの要請あらばいつだって武力行使も含めた助太刀に駆けつけることになるでしょう。
これでもまだ「日本は侵略戦争なんかするわけない」と言えますか?
 
ちなみに、「侵略の対費用効果」の話ですが、アメリカでは戦争そのものがビジネスになっており、戦争しないことには経済が立ち行かなくなっています(詳しくは堤未果さんの「ルポ 貧困大国アメリカ」をお読みください)
やがて日本もそうなることでしょう。
 
という基本的なことを書き留めておくエントリ-を設けておこうと、ふと思い立ちました。
同じ質問に繰り返し回答する手間を省きたかったので、今後冒頭のようなコメントを頂いた場合は自動的にこのエントリ-にご案内することになります(^^)