「九条の会」が15日、九条を守る活動について話し合う全国規模の討論集会を都内で開きます。
全国規模の討論集会は結成後初めてで、安倍内閣が平和国家の根本を揺るがそうとしている中、各地の会員が集いこれからの道筋を探ります。
九条の会は2004年6月に結成されてから11年になり、全国に約7500団体があります。
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各地の「九条の会」 15日集結 平和への「逆風」に英知を
東京新聞 2015年3月13日
憲法九条の精神を広める市民団体「九条の会」(事務局・東京都千代田区)が十五日、九条を守る活動について話し合う討論集会を都内で開く。集団的自衛権の行使容認など平和国家の根本が揺らぐ中、全国各地の会員が集い、これからの道筋を探る。結成から十一年。自治体の干渉など会への「逆風」が強まる中、ネットを活用して賛同者を募るなど新たな試みにも挑戦している。 (小松田健一)
九条の会は自衛隊のイラク派遣を契機に二〇〇四年六月に発足した。作家の大江健三郎さん(80)や沢地久枝さん(84)ら護憲を訴える文化人や有識者ら九人が呼び掛け人となったが、このうち五人は既に亡くなっている。理念に賛同する人が地域や職場ごとに会を結成し、事務局によると全国に約七千五百団体があるという。
今回の討論集会は、集団的自衛権の行使を容認した昨年七月の閣議決定や、それを具体化する関連法制の制定方針など「九条の最も危機的な状況」(事務局長の小森陽一東大教授)を受けて企画された。全国から会員が集まる討論集会は旗揚げ時以来、初めてだ。
会場は専修大学(千代田区)の大教室で、大江氏と沢地氏も出席する。事務局が憲法をめぐる情勢を報告し、今後の活動を提案。参加を申し込んでいる会員は定員いっぱいの約四百人に達しており、自由に意見交換する。会員以外の一般参加は募集していない。
小森氏は「安倍政権による集団的自衛権の行使容認を法制化する動きは、今までにない重大な局面だ。会員に集まってもらって英知を集め、九条改憲を阻止する全国的な運動を繰り広げたい」と話している。
◆正念場ひるまず声上げて 呼び掛け人沢地久枝さん
「九条の会」呼び掛け人の沢地久枝さんがインタビューに応じ、自治体が「政治的中立」を理由に会の活動への後援を拒むケースなどが相次いでいることについて「今の政治の姿勢が反映され、『戦争のことをやるとにらまれる』という空気が生まれている。しかし、言論の自由は保障されている。ひるまずに声を上げ続けてほしい」と述べた。