「自衛隊の主たる任務は集団的自衛権の行使である」、いま卒然とそんな字句に出会えば日本国民のほとんどが「憲法9条があるのに、そんなことができるのか」と思うのではないでしょうか。
しかしこれはウソでもイツワリでもありません。
政府は5日、自衛隊法を改正して、「集団的自衛権の行使を主たる任務」と位置付ける方針を固めました。
政府は昨年の7月1日、全く国民的な議論もないままにこれまで9条に違反するとされた「集団的自衛権の行使」を閣議決定しました。
その際に安倍首相は国民に向かって「自衛隊が地球の裏側まで出かけるようなことはありません」と明言しましたが、いまや周辺事態法から「周辺」の字句が消され、主たる任務が「自国の防衛」から「集団的自衛権の行使」に変わろうとしています。
これらを含む安全保障法制といわれる法律群が、4月の統一地方選が終わり次第 一斉に国会に提出されるといわれています。
多数を握った政権と党の本性が現れるときです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自衛隊法改正、「主たる任務」に 集団的自衛権の行使
東京新聞 2015年3月5日
政府は5日、新たな安全保障法制の整備に絡み、自衛隊の任務や権限を定める自衛隊法を改正して、集団的自衛権の行使を「主たる任務」と位置付ける方針を固めた。日本侵略への対処と並び、最優先の防衛行動とする。政府関係者が明らかにした。政府はこうした考えを、安保法制をめぐる6日の与党協議会で示す予定だ。具体的な任務として、海上交通路に巻かれた機雷の掃海などを想定。だが公明党に慎重論が強く、政府は個別状況に応じて事態認定する構えだ。
現行の自衛隊法は、明白な危険が切迫している事態に際し、個別的自衛権を行使して侵略に対処することを「主たる任務」と規定している。(共同)