15日、「九条の会」が戦争放棄を掲げた憲法9条を守る活動について意見を出し合う初の全国討論集会を東京都内で開きました。
集会には全国280団体から約450人が参加し、政府が集団的自衛権行使に向けた法改正の方針を示す中、労働組合などとの連携を強化して安全保障法制に反対することを確認しました。
集会で大江健三郎さんは、「九条の会は欧州や中国、韓国でも関心を示されている。それに応えていきたい」と述べ、「政府は戦争を起こさない努力をしなければならない。今の首相に期待は全くできない」と安全保障法制の整備を進める安倍政権を批判しました。
澤地久枝さんは、「戦争のできる時代が迫っている。『戦争で得るものは何もない』という経験に学び声を上げ続けたい」、「昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定以降、首相の一存で事が決まるという動きが露骨だ」と述べました。
討論の中では、「若者にアピールできていない」と活動の課題を指摘する意見などが出されました。
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九条の会:東京で初討論集会 450人「安保法制は暴走」
毎日新聞 2015年03月15日
護憲派の市民団体「九条の会」が15日、全国各地の会員を集めた初めての討論集会を東京都千代田区で開き、安倍政権が憲法改正を前面に押し出す中、どう活動していくか意見を交わした。参加した約450人は、集団的自衛権行使容認の閣議決定(昨年7月)や、現在進行中の安全保障法制の整備について「憲法9条を根底から覆す暴走」と危機感を募らせた。
戦争放棄を定めた9条の堅持を訴える同会は2004年、作家の大江健三郎さんらの呼びかけで設立。同会によると、理念に賛同する地域や職種ごとの団体は約7500あり、閣議決定撤回などを求める署名の賛同者は延べ9万人を超えた。
集会では、作家の澤地久枝さんが「戦争のできる時代が迫っている。『戦争で得るものは何もない』という経験に学び声を上げ続けたい」、大江さんも「戦争を起こさせないため努力を続けなければならない。政府は期待できない。独自の活動を続ける(約7500の)団体に希望は託されている」と訴えた。
会場からは「若い世代の運動と連携していくべきだ」「草の根から大きな声にしていきたい」などの意見が出た。「九条の会奈良」の岩下美佐子さん(66)=奈良県葛城市=は取材に対し、昨年12月の衆院選で自民党が沖縄県の全4選挙区で敗北したことに触れたうえで「沖縄の今の混乱を見れば、政府が市民の声に真摯(しんし)に耳を傾けていないことが分かる。政治に関心を持ち続けなければ政権は暴走する。おかしいと思ったことは議論を尽くしていきたい」と語った。【山田奈緒】
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「九条の会」が全国討論集会 9条破壊の「戦争立法」阻止の運動 全国隅々に
しんぶん赤旗 2015年3月16日
「九条の会」は15日、都内で全国討論集会を開きました。全国各地の280の「九条の会」から452人が参加し、34人が発言。安倍内閣が進める、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を具体化する「戦争立法」を阻止しようと、草の根の活動を交流し、熱気あふれる討論を繰り広げました。討論のまとめで小森陽一事務局長(東大教授)は「9条をまもり、戦争を許さない世論をつくろう」と呼びかけました。
「九条の会」呼びかけ人で作家の大江健三郎さんは、「小説家を50年やっています。日本人がどのように九条の会で働くことができるか、それが私の締めくくりの時期に大切なことです」と述べ、「九条の会」の運動を広げていくことに「希望を託します」と述べました。呼びかけ人で作家の澤地久枝さんは、「みんなが“今あらねばならぬこと”を痛いほど分かっています。それが実現する方向に向かって怖がらず一歩でも前に出よう」と訴えました。
事務局の渡辺治・一橋大学名誉教授が情勢について報告しました。渡辺氏は、安倍内閣が企てる戦争立法について、今後どんな法案が出るか不明確な状況の中で、その全体像をつかむことが重要だとし、「いつでも、どこでも、どんな戦争にも、あらゆる形でアメリカの戦争に加担することを可能にするもので、法律による9条の全面破壊だ」と指摘。さらに、「閣議決定だけでは自衛隊は動けない。立法をつぶせば『戦争する国』づくりを止めることができる」と述べました。
事務局長の小森氏は、「いっせいに全国7000の九条の会の動きを強めよう」と訴え、政治的立場を超えた個人、団体の共同を地域の隅々まで広げることが重要だと強調しました。
会場から次々と手があがり白熱した討論に。「九条の会の真価が問われるときだ」、「なんとしても食い止める」と、草の根から奮闘する強い決意と多様な取り組みが語られました。地域の創価学会員や民主党の議員候補者が「九条の会」の活動に参加している例に触れたり、元防衛省幹部を呼んでの講演会を計画していることなども報告されました。