2015年3月27日金曜日

辺野古基地建設 菅官房長官が翁長知事に会いたいと

 菅官房長官は辺野古基地問題では、翁長知事の工事中止の指示を「この期に及んで云々」と非難を繰り返し、「法治国家なので粛々と工事を進める」という意味不明な言葉も含めて、「知事の指示違法性が重大かつ明白で無効なもの」、「裁判になったら100%勝てる」など一貫して高飛車な姿勢に徹してきましたが、25日のNHKのインタビューでは一転して「翁長知事に会いたい」と語ったということです。
 一体どういう風の吹き回しなのでしょうか。
 
 日刊ゲンダイの報じるところによると、もともと菅官房長官は沖縄基地負担軽減担当なので、先の沖縄知事選の惨敗の責任を一身に背負わされたうえで、翁長知事を相手にどう予定通りの決着を見せるのか、閣内でお手並み拝見のムードもあるということです。
 それで裁判にまで持ち込んでしまっては、さすがに面目が立たないと思ったのではないでしょうか。しかしいまになって「会いたい」とは100日遅かった感があります。
 
 当初からそういう予定だったとはとても思えないのですが、いずれにしてもこの間の発言はあまりにも激しくて沖縄県民の心情を逆なでし過ぎました。そして「法治国家」だから一度決めたことはそのままやるなどというのも、あまりにも幼稚な言い草でした。
 言うことが逆で、民主主義国家であれば住民の意思を尊重しながら政策を進めるというの当たり前のことです。
 
 あいば達也氏は、「“この期に及んで”翁長沖縄県知事とお会いしたいだと、ふざけるのもいい加減にしろというものだ。これまでの県民や地方の首長たちを見下した、横柄で不遜傲慢な態度は、人としての道に外れる」と、こき下ろしています。
 
 天木直人氏は、NHKの翁長知事、菅官房長官との個別のインタビューを見て、先ず翁長知事のなかには保守政治家の重みがあり、良識ある保守はその言葉に反論できないはずだとした上で、もう一方の菅官房長官は、「沖縄の軽減負担のためだ。そのためにこれまで日本政府と沖縄県が合意して来た。抑止力の維持のためにはそれが唯一の選択肢だ」と、これまで言い古されてきたことを馬鹿のひとつ覚えのように繰り返したとして、これでは菅官房長官は逆立ちしても翁長沖縄県知事には勝てないと断じました。
 
 植草一秀氏は、それらとは別の視点で、以下の様に手厳しく論じています。
 公有海面を埋め立てる場合には、法律の規定により、県知事が埋立申請を承認しなければ国は工事を進めることができない。政府は仲井真氏埋立申請を承認したというが、それは県民との約束を破ったもので正当性がない。
 事態を打開するには、沖縄県知事が埋立申請承認を撤回すること、取り消すことしかない。国は当然対抗手段を講じるだろうが、国と対立し闘う覚悟を固めなければ、辺野古米軍基地建設阻止など実現するわけがない。基地建設反対のポーズだけを示して、最終的には基地建設を黙認するようなことでは、県民に対する背任となる
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辺野古調査“強行” 高圧的な菅官房長官に見え隠れする焦り 
日刊ゲンダイ 2015年3月25日
 「腹を決めた」という沖縄県知事の強い“決意”にも、安倍政権はどこ吹く風だ。
 米軍普天間基地の辺野古移設をめぐって23日、翁長雄志知事が移設作業の停止を求めたが、政府はボーリング調査を続行している。それどころか24日、沖縄防衛局が知事の停止要求に不服を申し立て、菅官房長官は知事の指示について「違法性が重大かつ明白で、無効なものだ」と言い放った。
 
 政府は裁判になったら「100%勝てる」と自信を持っているらしく、それで強硬姿勢を続けているようだ。だが、それにしても、この間の菅長官の発言は激し過ぎる。沖縄県民の心情を逆なでするような「この期に及んで」という言葉を、記者会見で5回も使った。これには官邸内における菅長官の微妙な立場が影響しているという。
 
沖縄の基地問題は菅長官マターになっています。山口俊一沖縄担当相もいますが影が薄い。菅さんは仲井真さんの時代から二人三脚でやってきた。負けるのが確実な知事選に仲井真さんが出馬するのを許したのも菅さん。だから、基地反対の新知事と対決するのも菅さんの役目なのです」(自民党関係者) もともと安倍首相の右翼の“お友達”にとって、靖国参拝にストップをかけるような菅長官は“傍流”。そんな菅長官は、沖縄の後の佐賀県知事選で熱心に推した自民党推薦候補が惨敗したことで安倍首相に赤っ恥をかかせ、官邸内での立場が一時、悪くなった。その後、イスラム国による人質事件をうまく乗り切り、安倍首相の菅長官に対する評価は上がったというが、沖縄問題の行方いかんでは、また逆戻りもある。沖縄県に対する高圧的な態度の裏に、そうした菅長官の焦りが見え隠れするというわけだ。
 
「沖縄問題を菅さんに任せているといえば聞こえはいいが、一方で“お手並み”拝見のムードもある。大事な安倍首相の訪米前に沖縄問題で何かミソをつけたら大変。すべて菅さんのせいにされますよ。翁長知事をピシャリと突っぱね、政府に揺らぎのないことを米国に見せる必要があるのでしょう」(前出の自民党関係者)
 
 冷徹な男の不安の裏返しか。もっとも、地元知事と話し合うという基本的な民主主義より、官邸の主導権争いが優先されてはたまらない。
 
 
「この期に及んで」詭弁官房長官、翁長知事にお会いしたい!?? 
世相を斬る あいば達也 2015年03月26日
本日は多忙につき、ひと言コラムでご勘弁ねがう(笑)あの詭弁官房長官の菅が~、「この期に及んで」翁長沖縄県知事とお会いしたいだと、ふざけるのもいい加減にしろというものだ。一昨日は「「この期に及んではなはだ遺憾だ。法律に基づいて粛々と工事を進める」と、「この期に及んで」を5回も繰り返し、言い放ったばかりだと云うのに、翌日には「この期に及んで」会いたいと云う。何なんだ、この男は。県民や地方の首長たちを見下した、横柄で不遜傲慢な態度は、人としての道に外れる。 
 
なんでも強引に通してしまえば、2/3の議席があるから怖くない。名護市長選でも、知事選でも、何とか基金だ、補助金上乗せだ、と買収発言を、恥とも思わずにする男である。色々と情報を集めてみると、官邸内での立場は、必ずしも順風満帆ではないらしく、翁長知事の指示も「違法性が重大かつ明白、無効なものだ」とまで言ったのである。それが、翌日には、この期に及んで会いたいと言い出した。詭弁官房長官は危機に陥ってしまったようだ。安倍首相の右巻き取り巻きと一線を画しているが、それだけに官邸には詭弁官房長官の首を刎ねようとしている輩も多いらしい。
 
右巻き官邸も困るが、詭弁官房長官も困る。つまり、安倍官邸に入る連中は、全員困る奴らと云うことになる。かなり、ホワイトハウスの日本の政権に対する茶々入れも本格化しているようで、ジワジワと安倍官邸包囲網が出来つつあるようだ。まあ、どっちに転んでも、我が国に良いことはないのだが、沖縄県には、自主独立の気概で、日本政府をきりきり舞いさせて欲しいものだ。本土の根性無しな自治体の首長に、地域主権とは、こう云うものだと教えて貰うことになるが、何からかにまで、オンブンにダッコで申し訳ないが、頑張って貰いたい。
 
政府は、≪行政不服審査法などに基づき、知事の指示の取り消しを求める審査請求と、審査請求裁決までの間は指示の効力停止を求めた申し立てを農水相に行った。仮に沖縄県が岩礁破砕許可を取り消した場合、政府は「取り消し無効」を確認する行政訴訟に踏み切ることも検討する。≫(時事)というが政府が、司法の場まで持ち込むと云うのはブラフで、そんなことになれば、官邸は辺野古基地建設を粛々とうわけには行かなくなる。それに、最近の司法は、民意にかなり敏感な反応を見せているので、司法の場に立ちたくないのは、政府である。        (ブラフ=脅かし)
 (時事通信記事は省略
 
 
菅官房長官は逆立ちしても 翁長沖縄知事には勝てない 
天木直人のブログ 2015年03月26日
 辺野古基地建設工事をめぐって沖縄と安倍政権が真っ向から対立している中で、きのう3月25日のNHKニュースウオッチ9の大越健介キャスターが、極めてタイムリーな番組を企画した。
 みずから翁長沖縄県知事と菅官房長官の双方に個別にインタビューをして、それぞれの言い分を、一切のコメントなくそのまま放映したのだ。
 今週末でNC9のキャスターを去る大越健介が最後に見せた良心的な番組だ。
 さんざん批判して来た大越キャスターであるが、この最後の仕事ぶりを見て、評価を一変した。
 このインタビューを見て、私はつくづく思った。
 菅官房長官は、逆立ちしても翁長沖縄県知事には勝てないと。
 どうりで、菅官房長官が翁長知事の面会の要請から逃げ続けているわけだ。
 
 翁長知事は語っていた。
 日本の0.6%の土地である沖縄に、米軍基地の74%を押しつけ続け、更にまた沖縄県の民意に反して新たな米軍基地建設を強行する。私は自民党、保守の政治家として日米同盟の重要性は認めるが、こんな事をしていたら、その日米同盟が危うくなると。
 左翼では絶対に言えない正論である。
 そして良識ある保守は、この言葉に反論できる者はいないはずだ。
 
 それに比べ菅官房長官は何と言ったか。
 沖縄の軽減負担の為だ。その為にこれまでの日本政府と沖縄県が合意して来た。抑止力の維持の為にはそれが唯一の選択肢だ、と。
 馬鹿のひとつ覚えのように菅官房長官はそればかり繰り返している。
 まるで政府のマニュアルのような金太郎飴答弁だ。
 しかし、この発言には大きなウソがある
 辺野古に建設される新米軍基地は、普天間基地の代替ではなく全く新しい米軍基地の建設だ。
 しかもそれは日本にとっての抑止力でなく、米軍の軍事戦略のための基地である
 
 このことは少しでも軍事的知識がある者なら皆知っていることだ。
 もちろん日本政府は知っている。
 そんなウソをあたかも本当のように繰り返す菅官房長官は、国民を馬鹿にした許し難い政治家だ。
 一日も早く翁長沖縄県知事と菅官房長官の面会が実現してほしい。
 そして翁長知事と菅官房長官の一騎打ちを見てみたい。
 沖縄の正しさと、安倍政権の卑劣さが、国民の前で明らかになるだろう。
 安倍政権は辺野古工事を強行することによって墓穴を掘る事になる (了)
 
 
国との全面対決なく辺野古基地建設は止まらない
植草一秀の「知られざる真実」 2015年3月26日
安倍政権がやりたい放題を繰り広げているが、日本の主権者の多数は安倍政権を支持していない。
多数決原理が適正に機能すれば安倍政権は退場させられるべきものだが、この世に不条理はつきものである。 浜の真砂は尽くるとも 世に悪政の種は尽くまじ
 
原発、憲法、TPP、消費税、基地、格差 の六大問題が、主権者の意思とは異なる方向に強引に誘導されている。
六大問題で安倍政権NO!の意思を持つ主権者が結集すれば、安倍政権は倒れる。
そして、主権者の意思に沿う政治を実現する政権を樹立することが可能になる。
次の総選挙で、その大業を成就させねばならない。そのために、主権者の結集が急がれる。「民権JAPAN」と題する主権者の運動を展開してゆきたいと考える。
3.22集会に結集した人々とも連携し、安倍政権の暴走にブレーキをかけなければならない。
 
沖縄では、安倍政権が辺野古で米軍基地建設を強行している。
沖縄県民、ならびに、地元自治体である沖縄県名護市の主権者は、辺野古米軍基地建設にNOの意思を明確に示している。しかし、安倍政権はこうした地元主権者の意思など完全に無視している。日本国政府と米国政府が合意を結び、沖縄県知事が埋立等の申請を承認すれば、それを根拠に、粛々と工事を進める考えである。
 
二つのキーファクターがある。
ひとつは、日米地位協定である。
いま一つは、沖縄県知事による埋立申請承認である。
日米地位協定では、米国と日本国が合意すれば、国内のどこでも、地元住民・地方自治体の意向にかかわらず、基地として提供するのに制限はない。また、最終的には民有地の強制使用も可能である。つまり、日本はまだ米国から独立を果たしていないのである。米国の支配を受ける、属国、植民地の状態に置かれ続けている。
しかしながら、公有海面を埋め立てる場合には、法律の規定により、県知事が埋立申請を承認しなければ国は工事を進めることができない
 
沖縄県知事による埋立申請承認がもうひとつのキーファクターである。
前沖縄県知事であった仲井真弘多氏は、2010年の知事選で、普天間基地の県外、国外移設を公約として掲げた。ところが、この公約がありながら、仲井真知事は、2013年12月に埋立申請を承認した。県民との公約を一方的に破棄する暴挙に打って出た。
安倍政権の菅義偉官房長官は、昨年9月10日の記者会見で、仲井真知事が埋立申請を承認したので、粛々と工事を進めることを明言した。
 
沖縄県民、名護市民は辺野古米軍基地建設にNOの意思を突き付けた。
仲井真弘多氏は、沖縄県民に、普天間の県外、国外移設の方針を明示して知事選を戦い、当選した。したがって、辺野古に基地を造らないというのが、仲井真氏と沖縄県民が交わした約束である。この約束を踏みにじって仲井真氏は埋立申請を承認した。つまり、仲井真氏の埋立申請承認には正統性がない
その結果、安倍政権が推進する辺野古米軍基地建設は正統性の根拠を持たないのである。
そのうえ、名護市議選、名護市長選、沖縄県知事選、参議院議員選挙、衆議院総選挙で、沖縄県民は、辺野古米軍基地建設=NOの意思を鮮明に示し続けてきた。安倍政権、菅官房長官の主張は、単なる形式論であり、民主主義の本旨に反するものである。
だが、安倍政権、菅官房長官は、沖縄の意思など踏みにじっても何ら問題はない、とのスタンスを鮮明に示し、沖縄県民の意思を踏みにじる暴挙を展開し続けている。文字通り、民主主義の原理を踏みにじるものである。
事態を打開するには、沖縄県知事が埋立申請承認を撤回すること、取り消すことしかない
 
翁長雄志氏は、辺野古基地建設=NOの住民意思を受けて、ようやく重い腰を上げつつあるが、行動がスローモーションのように遅い。菅官房長官は「この期に及んで」と非難するが、出来レースといわれても仕方のない国と県の対応ぶりである。
翁長氏が、本当に「辺野古に基地を造らせない」と考えるなら、早期に埋立申請承認の撤回または取り消しに進むべきである。
翁長知事は、防衛省沖縄防衛局に対しすべての海上作業を停止するよう文書で指示したが、こんな対応だけでは、基地建設を阻止することはできない。工事進展の既成事実を作らせぬ間に、早急に埋立申請承認を撤回または取消することが必要不可欠なのだ。国と対立し、闘う覚悟を固めなければ、辺野古米軍基地建設阻止など実現するわけがない。
上京して首相や官房長官を会談できないことが大きく報道されているが、国と対決する以上、このようなことは想定の範囲内であって、そのような些事に関心を注がせること自体が的外れである。
埋立申請承認の取り消しを速やかに判断して行動に出るべきなのである。
基地建設反対のポーズだけを示して、最終的には基地建設を黙認するようなことでは、県民に対する背任となることを忘れてならない。