沖縄県の出した工事中止の指示に対して国が不服審査を要求するのが前代未聞であれば、その審査を仲間内の農水省が行うというのも実に滑稽な話です。
林芳正農水相の、沖縄防衛局への海底作業の停止指示の効力を一時的に停止するとした決定に対して、翁長沖縄県知事は「じっくり精査し、正式に記者会見したい」と述べました。
県の作業停止指示はいったん失効するため、30日は早朝から住民が辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で座り込み移設反対を訴えるなか、大浦湾では海上作業が進められました。
翁長知事は記者団に対して、林農水相の決定について「国が申し立て、農水省が審査する対応は、審査が公平公正に行われたのか理解できない」と、公正性に疑問を表明しました。
今後は知事が沖縄防衛局への岩礁破砕許可を取り消し国はそれに対して訴訟を起す、という方向に進むものと思われます。
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辺野古 農相、作業停止指示の効力停止 知事「精査し会見」
琉球新報 2015年3月30日
林芳正農相は30日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、翁長雄志知事による沖縄防衛局への海底作業の停止指示の効力を、一時的に停止すると発表した。水産庁の職員が同日午前、県庁を訪れ、効力を停止する内容を伝える文書を提出した。これに対し県は、防衛局への岩礁破砕許可の取り消しや訴訟などの対抗措置を検討している。
翁長知事は同日午前、林農相が作業停止指示の効力の一時停止を発表したことに「じっくり精査し、正式に記者会見したい」との考えを示した。岩礁破砕許可を取り消すかどうかについては「これも含めて後で(説明を)やる」と述べた。県庁で記者団の質問に答えた。
県の作業停止指示はいったん失効する形となり、防衛局は辺野古沿岸部での海底ボーリング調査を続けるとみられる。
市民ら、指示無効決定に抗議 シュワブゲート前 海上作業進む
琉球新報 2015年3月30日
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設に反対する市民らは30日、早朝から名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で座り込み、移設反対を訴えた。一方、県の作業停止指示を無視する形で海上工事を進める沖縄防衛局に対し「沖縄の民意を無視するな」と抗議の声を上げた。
移設に向けたボーリング調査が行われている大浦湾のスパット台船には作業員の姿が確認された。海中には掘削棒が下ろされており、昨日同様に海上作業が行われているとみられる。台船の近くには市民の抗議船3隻とカヌー隊13艇が集結し、作業の中止を訴えた。午前10時30分ごろには、抗議船2隻に海上保安官が乗り込み、船を沖合まで連れて行った。
林芳正農相が30日午前、翁長雄志知事の沖縄防衛局に対する海底作業停止指示について、効力の一時停止を決めたことを受け、ゲート前で抗議行動を続ける沖縄平和運動センターの山城博治議長は報道陣に対して「政府がいかなる詭弁(きべん)を使おうが県民は絶対に屈しない。翁長知事を支え、共に闘う」と語った。
ゲート前では午前7時30分ごろから約70人の市民らが集まり、集会を開いた。警備を続ける機動隊に「知事を無視して工事を進めるなら、私たちは大結集して座り込むしかない」などと声を上げた。
農相決定の公正性疑問視 辺野古移設で沖縄知事
東京新聞 2015年3月30日
沖縄県の翁長雄志知事は30日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部での沖縄防衛局に対する作業停止指示の効力を一時的に停止した林芳正農相の決定に対し、公正性に疑問を投げ掛けた。「国(防衛局)が申し立て、農林水産省が審査する対応は、審査が公平公正に行われたのか理解できず、残念だ」と述べた。県庁で記者団に語った。県は今後、移設阻止に向け新たな対抗策を練る。
夏ごろにも辺野古沿岸部埋め立てに着工したい防衛局は、海底ボーリング調査などの作業を継続する。 (共同)