2015年3月1日日曜日

被爆クスノキを移植、平和への願い込め 日田市日隈小 [大分県]

西日本新聞 2015年03月01日
 日隈小学校(日田市日ノ隈町)の2年前の卒業生が修学旅行先の長崎市から持ち帰った「被爆クスノキ」の苗木がプランターから校庭に移植された。今春卒業する6年生51人が立ち合い、平和への願いを込め、長崎出身の歌手で俳優の福山雅治さんが被爆クスノキからイメージを広げて作詞作曲した「クスノキ」を歌うなどした。
 被爆クスノキは爆心地から約800メートルにある山王神社の境内に立つ。爆風で大きな被害を受けながらも樹勢を盛り返し、長崎復興のシンボルとなっている。
 2年前の卒業生が同神社を訪れた際に、被爆クスノキの下で高さ10センチほどの苗木が育っているのを見つけ、同神社に頼み、持ち帰っていた。苗木はプランターで育てられ、高さが70センチを超えるまでに成長、校庭に植えることになった。
 今春卒業する6年生も修学旅行で被爆クスノキを見学。2月26日にあった植樹式では、被爆クスノキの説明が書かれた立て看板を除幕、苗木の根元に土を盛った後、トランペットの伴奏に合わせ「我が魂は この土に根差し」で始まる「クスノキ」を合唱した。児童会長の江藤新君(12)は「いつまでも平和を発信し続けられるよう被爆クスノキには育っていってほしい」と話していた。
 
被爆クスノキ(手前)を前に福山雅治さんの「クスノキ」を合唱する日隈小の6年生たち
被爆クスノキ(手前)を前に福山雅治さんの「クスノキ」
を合唱する日隈小の6年生たち